日本の若者の投票率の低さが社会問題となる中、兵庫県宝塚市が制作した動画が、話題となっています。
宝塚市の消防本部が投稿した動画では、トレーニングに励む消防士が呼び掛けているのは火の始末、ではなく「投票」。
また、別の動画では、投票が少なすぎて、衰弱した投票箱が救急車で運ばれるという、なんともシュールな内容です。
■若者の投票率が低いことが課題、インスタ発信で消防本部とコラボ
動画を制作したのは、宝塚市の選挙管理委員会と消防本部です。
なぜ制作したのか、動画に出演もしている選挙管理委員会の人に聞きました。
【選挙管理委員会事務局 木村亜有夢係長】「若者の投票率が低いのが課題で、取り組みたいというのがきっかけ」
宝塚市でも若い世代の投票率の低さは深刻で、「最も低い20代」と、「最も高い70代」を比べてみると、どの選挙でも倍以上の差があります。
そこで、インスタグラムでの発信に力を入れている消防本部とコラボし、10代から30代に向けて気軽に「選挙」という話題に触れられる動画を作ることにしたのです。
市民の反応は?
【宝塚市民(19)】「刺さりますね」
【宝塚市民(24)】「選挙に行ってない自分が、恥ずかしい感じになりました」
■来年から有権者になる世代へ 選挙の解説と模擬選挙実施
宝塚市は、まもなく有権者になる世代へのアプローチにも取り組んでいます。
2月5日、市内の高校で行ったのは、出前授業です。
【選挙管理委員会 事務局】「議員は選挙で当選しないと、”すぐに無職”になります。当然、”2倍以上の”票が取れる、高齢者向けの施策を優先してしまいがちになる」
来年から有権者となる高校2年生に向けて、選挙に行かないと、自分に関わる政策が後回しにされるおそれがあることを解説しました。
実際に使われている投票箱や記載台が運び込まれ…いざ、投票!
受付から投票まで、実際の衆議院選挙と全く同じ流れで模擬投票を行います。
【17歳女子】「私は4月生まれで、選挙権を持つまで、あと少ししかないので、このように実際に経験できてよかったと思いました」
【17歳男子】「案外簡単にできるんだなって、自分の中で、選挙に行くハードルが下がった気がします」
【選挙管理委員会事務局 木村亜有夢係長】「選挙に1回来ると、『あ、意外とこんな感じなんだ』とか『投票してよかったな』って思ってくださる方が大多数なので、まずは来てもらう。で、来てもらえたら、続けてきてくれるという思いでやってます」
あの手この手の策で、投票率は上がるのでしょうか。
(関西テレビ「newsランナー」2024年2月20日放送)