■都心のビルで避難訓練「万一の場合 お客様を自信をもって誘導する」
自宅ではなく、「お出かけ先」で地震などの災害が起きた時どうするか考えたことはあるでしょうか。
20日、JR大阪駅に直結する商業施設「ルクア」が入るビルで行われたのは、南海トラフ巨大地震を想定した避難訓練です。
この訓練には、従業員の大部分にあたるおよそ300人が参加。南海トラフ巨大地震による津波と火災を想定して行われ、各フロアの責任者が従業員を3階の避難デッキまで誘導しました。
大阪ターミナルビル・福島純 安全企画部長は、訓練を実施する理由について「具体的に避難ルートを確認して、万一の場合にはお客様を自信をもって誘導する。(従業員)自身も避難する意識を高める機会になればと考えている」と話しました。
■南海トラフ巨大地震 梅田で最大2メートル 神戸で最大3メートルの津波想定
今後30年以内に70~80%の確率で起こるとされる南海トラフ巨大地震。
大阪市には地震発生から110分で津波が到達するとされ、梅田周辺では高さ2メートルほどになる恐れもあります。また、神戸市中央区では、津波の最大の高さが3メートルと予想されています。
街の人に「お出かけ先」での災害への心構えについて話を聞くと「(地震の想定を)全くしてないです」「とりあえず走る。高いところに」「上からいろいろ落ちてきたら怖いから広いところに逃げようと思う」といった声が聞かれました。
■「お出かけ先」での避難想定 日頃からイメージを
繁華街にいるとき、突然巨大地震に遭遇し、津波が到達する恐れがあるケースでは、高いビルが多く、垂直避難ができる避難場所が多いというメリットがありますが、昼間の人口が多く、その土地の住民ではない買い物客などが多いため、地理に疎く、人々がパニックに陥る可能性があるといった課題もあります。
また、外国人観光客などについては、言語の理解も難しい人が多いため、避難が困難になる恐れがあり、迅速な避難誘導を行うための事前準備が必要となります。
大阪・梅田には津波避難ビルが30ほどあるといった情報を大阪市も公表しているので、 「お出かけ」の前に巨大地震に遭遇した際の避難についてイメージするなど、外出先で命を守る方法を日ごろから考えておくことも必要です。
大阪市北区の津波避難ビル一覧HP
https://www.city.osaka.lg.jp/kita/page/0000299035.html