患者死亡相次ぐ 神戸徳洲会病院に改善命令 カテーテル処置後11人死亡など 行政指導後も「同じことを繰り返し。見過ごせない問題」 2024年02月21日
患者が適切な治療を受けられず死亡したことが相次いで明らかになった、神戸徳洲会病院に異例の「命令」が出されました。
カテーテル処置を受けた患者11人の死亡で、行政指導後も患者の死亡の調査を怠ったなどとして、神戸市は「改善命令」を出しました。
(Q.改善命令の受け止めは?)
【運営法人の関係者】「…」
神戸徳洲会病院の運営法人の関係者は、取材に応じず無言で市役所を立ち去りました。 20日、神戸市が徳洲会に出したのは、兵庫県内で初めてとなる医療法に基づく「改善命令」でした。
■相次ぐ患者の死亡
神戸徳洲会病院では同じ医師によるカテーテル処置の後に、11人の患者が死亡したことをうけ、神戸市は2023年8月に「行政指導」を行いました。
しかしその後9月にも、新型コロナに感染し入院した、男性患者(70代)が糖尿病であることを見落とされ、数日間、インスリンを投与されず死亡。 これは保健所が立ち入り検査で偶然発見していて、その際、院長は「対応を終了し問題ない事例である」と説明しましたが、その後、調査委員会による検証を再開させていました。
■行政指導以降も問題を放置 より重い「改善命令」に踏み切る
これを受け神戸市は、原因不明の死亡事案への対応を怠り行政指導以降も問題を放置したなどとして、より重い「改善命令」に踏み切りました。
【神戸市健康局医務薬務課 八木実課長】「昨年8月に指導したばかりにもかかわらず、同じことを繰り返している。これは全く見過ごせない問題と考えたので、全国的にも非常に少ない事例だが『命令』に踏み切った」
また、会見では他にも”放置”されていた死亡事案があったことも明らかになりました。2023年10月、80代の入院患者が、血を吐き医師が検査するも原因が分からないまま死亡し、病院内で「検証が必要」と判断されましたが、2カ月後、保健所が指摘するまで何も行われていませんでした。
【神戸市健康局医務薬務課 八木実課長】「今回複数の事案を見ていくと、病院の組織としてのガバナンスが機能していない。安全管理体制も含めて非常に危ない」
神戸市は定期的に立ち入り調査を行い、今年8月までに改善されなかった場合は、業務停止などの処分を下すということです。 神戸徳洲会病院は「真摯に受け止め、適正に対処していく」とコメントしています。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年2月20日放送)