京都アニメーション放火殺人事件の裁判員裁判で、大詰めとなる、”科す刑の重さ”の審理のなかで青葉被告が法廷で初めて遺族に対して謝罪の言葉を口にしました。
■量刑の審理が進められるなか「申し訳ございませんでした」
青葉真司被告(45)は4年前、京都アニメーションの第1スタジオに放火し、36人を殺害した罪などに問われています。
裁判では青葉被告の「量刑」の審理が進められる中、6日、検察側が青葉被告に質問。 これまでに意見陳述をした遺族や負傷者に対し、どのように思っているのか聞かれると…
【検察側】「声を振り絞った方たちに思うことはありますか?」
【青葉真司被告】「申し訳ございませんでしたという言葉しか出てきません。(遺族、被害者に)子供がいらっしゃる方もいた。その辺のことは重く受け止めなければならないと思います」
【検察側】「遺族の極刑を望む言葉は覚えていますか?」
【青葉真司被告】「はい」
【検察側】「それについてどう思いますか?」
【青葉真司被告】「やはりそれで償うべきだと思います」
■遺族にとっても直接質問ができる最後の機会
これまでの裁判で被害者のことは考えなかったのか?と問われると、「京アニが小説をパクった時には何か考えたのか」などと言い返すこともあった青葉被告。6日は自ら「死刑で罪を償うべき」としました。 そして遺族にとっても、直接質問ができる最後の機会でした。 事件で亡くなった京アニを代表するアニメーター・寺脇(池田)晶子さんの夫は、先週、強い思いを持って被告人質問に臨んでいました。
【寺脇(池田)晶子さんの夫】「自分がやったことをもう一度被害の大きさを考えてほしい」
しかし、その時は、「後々に答えさせていただくので、答えるのを差し控えたいと思います」と問いかけには応じませんでした。一週間がたった6日、改めて被告人質問に臨みました。
■初めて遺族に対して謝罪の言葉
【寺脇(池田)晶子さんの夫】「母親を失って寂しい思いをしている息子についてどう思いますか?」
【青葉真司被告】「自分も片親だったので、その辺についてはやはり申し訳ない部分がございます」
【寺脇(池田)晶子さんの夫】「晶子に対して今、どう思いますか?」
【青葉真司被告】「申し訳ない気持ちです」
【寺脇(池田)晶子さんの夫】「私達は母親、妻を殺された。私達があなたを許していると思いますか?」
【青葉真司被告】「いえ、思ってません」
初めて、遺族に対して謝罪の言葉を口にしました。
7日に検察側が論告求刑を、弁護側も最後の主張となる最終弁論を行い、裁判は全ての審理を終える予定です。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年12月6日放送)