12月4日、午後4時から日本大学が、アメリカンフットボール部の薬物事件や廃部について、会見を行いました。 廃部なってしまうのか?それとも存続されるのか?日大は、どのような判断を下すのか?非常に注目が集まっています。
関西学院大学アメフト部の名将、鳥内秀晃前監督に話を聞きました。
■悪質タックル問題でも…廃部撤回を求める2万8千人を超える署名が集まっている
鳥内さんが関学監督時代の2018年に日大との試合で悪質タックル問題が起きました。 その関学アメフト部OBが発起人になって日大アメフト部の廃部撤回を求める署名活動が行われ、現在2万8千人を超える署名が集まっているそうですが、教え子たちの活動どう受け止めていますか?
【関西学院大学アメフト部前監督 鳥内秀晃さん】
「(廃部について)何も知らされずに即廃部としていて、理由については今回の会見でも説明していません。文科省に対して提出した書類を見ても、7行ぐらいしか書いていなくて、署名活動賛同してる人は、それがやっぱりおかしいと思ってるんです。せめて、今いる学生たちになぜ、廃部の方針なのかという理由は伝えるべきであると思います」
新たな話も出てきましたが、会見をご覧になっていかがですか?
【関西学院大学アメフト部前監督 鳥内秀晃さん】
「第三者委員会の報告書など、目を通した限りでは、学生たちは全然悪くないやんと感じました。大人のムラ社会のような所で、問題が分かっていても、上に上がっていかない。その結果、こういう風になってしまったと。現役部員が約100名ほどいて、その中の20~30名ほどが寮生活をしていることから、本当に何も知らない学生もいると思います。寮生活であっても、管理者は大学でしょ、トップは理事長です。理事長が学生を守らないといけないと思います。理事長が最終決裁者として監督の任命をしているわけです。監督も元監督もいろいろなところで関わっていたのに、それを上に上げなかったということが問題であると報告書には書いてありました。前の(危険タックルの)問題があって、理事長が交代した時に、体制をしっかりと整えていたら、今回のような問題は防げたと思います。今回のことの責任は林理事長と学長・副学長にあると考えています」
■日本大学ガバナンス改善策とは?
今回の会見で示された「日本大学ガバナンス改善策」の内容をまとめました。 処分については以下の通りとなりました。
・林理事長は半年間の減給50%
・酒井学長は来年3月での辞任
・沢田副学長は今月末での辞任
林理事長は「改善計画を断固たる決意で実行し、一連の不祥事の不適切な原因の除去と改革に全力を注いでいく」と発言しました。一方で、アメフト部の存続については、今後、継続審議を行っていくとしています。
そして全競技部について競技スポーツ部を廃止し、競技スポーツセンターの新設をするということですが、詳しいことについて情報はまだ入ってきていません。 寮生活の監督体制を強化、入試制度の見直しも考える必要があるとし、部活動の透明化を徹底するといった内容もありました。
アメフト部の今後については廃部か存続かという議論がされており、今回の会見では結論までは示されませんでしたが、現状、このような案が出ています。 廃部案が出ましたが、理事会で複数の理事が反対したことで、代替案があります。
存続案として、アメフト部自体は残した上で、一度、部員全員が退部し、1人ひとり適格かチェックした上で、再入部させる
格下げ案として、予算的に優遇されている現在の競技スポーツ部から、学生部管轄の運動部に格下げする。格下げとなれば、予算が下りず、推薦入試で部員募集できなくなります。
この案はどのように感じますか?
【関西学院大学アメフト部前監督 鳥内秀晃さん】
「勝手にそれぞれ言っているだけ。現役学生のために、どういう支援ができるのかという発想になっていないことにびっくりします。安全安心が担保できない、というようなこともおっしゃっていましたが、それなら競技スポーツ全体の安心安全を担保できているのか、聞きたいです」
■今回の問題は日大の組織の問題である
全員一度退部させて、適格かチェックするというのは、薬物の広がりを懸念してのことでしょうか?
【関西テレビ 神崎博報道デスク】
「一番の問題は、全て寮の中で起きているということです。北畠被告が逮捕された時点で、大学が入って行って、誰が関与しているのか、寮の中で何が起こっているのかを調べて、大麻に関与してる人を自主させるということをやっておけば良かったのに、やってなかった。今後、存続するにあたって、寮をどうするか、関与していたらどうするかということも問題なので、今の案では一度全員を退部させて、関与していた人、見ていた人、聞いていた人を全部リストアップして、それぞれ処分はあると思いますが、全く関与してないクリーンな人だけで、もう一度入部して日大のアメフトを再建するというのが存続の方法だと思います」
廃部という案も出ている中、番組では、LINEでアンケートを取りました。
【Q:日大アメフト部、廃部は妥当か?】
妥当が52%、妥当ではないが48%となっています。
妥当と答えた方からは、
「学生寮で起こったこと、責任をもたねばならない(大阪府・30代)」
「悪質タックルから5年以上たつが全く変わっていなから(兵庫県・50代)」
こういった厳しい意見もありました。
妥当ではないと答えた方からは、
「真面目に練習してきた選手が馬鹿を見るってあり得ない(大阪府・50代)」
「廃部は明らかに場当たり的(兵庫県・40代)」
■しっかりとした関係を築いていれば絶対にわかる
視聴者からLINE質問がきています。
‐Q:監督がまったく知らないことはあるのでしょうか?
【関西学院大学アメフト部前監督 鳥内秀晃さん】
「ないと思います。絶対わかります。普段、しゃべっていたらわかるし、コーチにも言ってますからわかります。近くにいる人が必ず報告をくれるような関係を築いていないと、全部管理できません」
‐Q:学生寮での事件ですが、大学側は生活管理についてどこまで可能なのか?
【関西学院大学アメフト部前監督 鳥内秀晃さん】
「ちゃんとリーダーを育ててやれば問題ないですよ」
アメフト部がどうなっていくのか、結論は、今月中に出されるということです。
(関西テレビ「newsランナー」 2023年12月4日放送)