台風7号が近畿地方を直撃してから、22日で1週間です。 被災地を取材すると、人手不足の中、復旧作業に取り組む住民たちの不安の声が聞こえてきました。
台風7号は1週間前、近畿地方を縦断し、各地を大雨や暴風がおそいました。 約100棟の建物が浸水などの被害にあった京都府福知山市では、激しい雷雨とともに濁流が押し寄せる様子が撮影されていました。
福知山市では1週間がたった今も、猛暑の中、ボランティアの力を借りながら、復旧作業が続いています。
【住民】
「まだまだかかる。そこが片付いたくらいで。言うことないですわ。ただただ命があっただけましだったと」
土石流が発生した京都府綾部市では、流木などの撤去がなかなか進まず、住民にとっては、行政のさらなる支援が必要不可欠となっています。
【住民】
「ボランティアのやれる範囲決まってますから、(行政には)土砂の撤去、流木の撤去を早くやってほしい」
台風による被害を受けたのは、住宅だけではありません。 地元の産業も、大きなダメージを受けています。
【大槻重明さん(83)】
「これが万願寺とうがらし。泥で通路が壊されてしまっている。根っこが窒息状態」
福知山市大江町に住む大槻重明さんは、毎年、地元の名産である「万願寺甘とう」を栽培していました。しかし、流れてきた土砂がビニールハウスを埋め尽くし、収穫予定だった約30キロほどのとうがらしは、ほぼ全滅。根を泥が覆ってしまい、今年の栽培は絶望的だといいます。
【大槻重明さん】
「ほんまは(泥を)撤去したらいいんやけど、手でするしかないから、できないなって諦めとります」
さらに・・。
Q.本来は川のはずなんですよね?
【大槻重明さん】 「(普段は)川やで」
近くの川は一面の土砂で埋め尽くされていました。
大槻さんは、川が埋まり排水能力が落ちているなかで、再び大雨が降ればさらに大きな被害が出るのではと警戒しています。
【大槻重明さん】
「ある程度、川らしくしといてもらわないと、この次も台風シーズンが控えてるんでそれが怖いんですよ」
被災者が様々な不安を抱える中、復旧を前に進めるにはさらなる支援の手が必要です。
(関西テレビ「newsランナー」2023年8月22日放送)