自治体が所有し”放置状態”になっているものの活用を検討する会議が、相次いで始まりました。 それは美術品と知事の公舎。有効な活用方法は見つかるのでしょうか。
■大阪府 行き場を失った美術品の問題
まず大阪府で議論されたのは美術品の活用方法。大阪市住之江区にある府の咲州庁舎の地下駐車場には、バブル期の美術館新設の構想などで集められ、行き場を失った彫刻作品など105点が置かれていて、劣化や盗難の恐れがあります。
大学教授ら専門家による活用検討チームは、美術館設立を考える市町村への譲渡や、企業への貸し出しなどを提案し、大阪府は2024年2月には活用法を判断する方針です。
■徳島県 知事が住んでいない知事公舎の問題
ところ変わって、徳島県で議論が始まったのは、県が所有する“ある建物”についてです。
【記者リポート】
「こちらが知事公舎です。植木が整っていて綺麗ですが、実はここ空き家なんです」
徳島県庁からおよそ500メートル、歩いて数分の知事公舎。1992年に完成して以来、歴代の3知事が住んできましたが…
【後藤田正純知事】
「住む予定はありません。私自身もどうやってあんな大きな家に住むのか想像がつかない」
5月に就任した後藤田正純知事は、市内の自宅マンションから通うとして入居していません。維持費に去年、約210万円かかったこともあり、後藤田知事が不動産鑑定士など有識者を招いて、売却を含む活用方法について議論が始まりました。
【後藤田正純】
「私自身、何も不自由がない。県の仕事も不自由がない。他県の流れもありますんで」
実は全国でも知事公舎があるのは大阪府など27の自治体で、そのうち7の自治体では知事が公舎に住んでおらず、結婚式場などとして貸し出しているところもあります。
徳島県の人はどう思っているのでしょうか?
【男性】
「貸すか売ればいいんじゃないですかね。いいところにあるんだから、高く売れますよねきっと」
【女性】
「緊急の時にすぐに連絡が行くとか、危ない人がいたら警備が、もしかしたらいるかもやけど、別にこんな大きい建物いらんと思います」
後藤田知事は自宅に防災無線を設置し、危機管理上は問題ないとしていて、有識者会議は年内の意見集約を目指すとしています。
”放置状態”となっている公共の財産。有効な活用法は見つけられるのでしょうか?
(関西テレビ「newsランナー」2023年8月18日放送)