8月2日、大阪市は36.2度、兵庫県豊岡市は37.4度。そして京都市は38.3度です。近畿と徳島では33カ所で「猛暑日」を記録しました。
連日の暑さに伴い増えているのは熱中症の救急患者です。 先週、熱中症で救急搬送された人の数は、全国で1万1765人。その半数以上が高齢者でした。注目すべきは、全体の4割を超える人が「住居」にいたことです。
東京都では、先週の29日に90代と80代の夫婦が、30日には70代くらいの男女が寝室で死亡しているのが見つかりました。 どちらもエアコンが使われず室内が高温になっていて、熱中症の疑いがあるということです。
東京都監察医務院によると、23区内では7月31日までに89人が熱中症の疑いで死亡しましたが、うち70人がエアコンを使用していない室内にいました。
なぜエアコンを使わないのか、街のお年寄りに聞きました。
【76歳】
「風通しを良くして扇風機をつけているだけやね。
(Q:なぜ?)あまり、クーラーをつける習慣がないから。電気代がもったいないとか」
【90歳】
「(夜は)アイスノンを頭にして、扇風機をかけっぱなしで。結構よく寝られますわ」
【女性】
「30度に(エアコンを設定)しても、私にしたら寒いんですよ。エアコンをつけないと『年寄りはそれだから死ぬ』って娘に言われるんだけど、つけると余計しんどい」
これまでにない暑さが襲う中、大阪の訪問介護事業者は高齢者にエアコンを活用するよう積極的に勧めています。
【チアフル 石本貴則代表取締役】
「団塊の世代の方たちって、辛抱強くて我慢強い人も多いのですけれど、やはり命にかかわることなので」
この日、ヘルパーの竹田さんが担当するのは、堺市に住む高齢男性の自宅です。手に用紙を持っています。
【ヘルパー竹田佳奈さん】
「これ(用紙)は、利用者さんに熱中症予防の水分補給の声掛けとかするやつです。暑くなる前に皆さんに配っています」
注意喚起の用紙を手に訪問すると…
【ヘルパー竹田佳奈さん】 「涼しいですね、お部屋」
【訪問介護利用者(71)】 「ずっとクーラーかけていてますんで」
71歳の男性が一人暮らしをする部屋はエアコンが稼働中。寝ているときもエアコンはつけっぱなしだという室内の温度は…
【訪問介護利用者(71)】
「これやったら26度やで。(Q.温度計を持っているの?)これは温度計」
デジタル時計についた温度計を見て、常に室温を26度前後に保っているそうです。
さらに、ベッド近くの机の上にはペットボトルの水を置いています。
【訪問介護利用者(71)】
「水を入れておいて、常に置いとくねん。ほんなら動かんで済むやんか。水やったら生ぬるくなるから、半分凍らしておいて、半分水を入れて」
「1日2リットル以上は水分を取る」ことをマイルールにしているといいます。
熱中症対策に抜かりのない男性ですが、実はほんの2年前まで「30度ぐらいへっちゃら」「夜は扇風機だけで大丈夫」だと考えていました。
【訪問介護利用者(71)】
「いっぺん(熱中症に)なりかかったことあるんです。夜中に1時間おきに目が覚めて『体が熱いなあ』と思っていて、熱をはかったら37度あって。保冷剤を冷凍庫に冷やしてあるから、首と脇に当てて、じっとしていたら夕方になったら平常に戻ったけど。あんな苦しいもんと思わへんかったもん」
それ以来、就寝時もかかさずエアコンを活用するようにしています。
「室内だから」と油断しないで、熱中症にならないための対策を講じる必要があります。
(関西テレビ「newsランナー」2023年8月2日放送)