京都の学生街に“放置自転車”ずらっと並ぶ『最悪の路地』問題 市が私道でも『強制撤去』可能な区域に“異例”の指定 駅前以外では京都市内“初” 27日「警告看板」を設置 2023年06月28日
京都市左京区の私道に、大量の自転車が放置され路地がふさがれてしまっている問題で、京都市は27日、自転車を撤去できるような対策に踏み切りました。京都市内で、駅前などを除いて「公道」以外での強制撤去できる区域の指定は初めてということです。
27日午後1時すぎ、京都市左京区の百万遍交差点近くの路地に京都市の担当者が設置したのは「放置自転車」の撤去を警告する看板です。
これまで、この路地は大通りからは隠れて目立たないことや近くに大学や飲食店が多く立ち並ぶことから、自転車を止めに来る人が後を絶たず、ビルの駐輪場からあふれだした自転車が道をふさいでしまうことが大きな問題となっていました。
自転車を止めた当事者たちに直接話を聞くと…
【自転車を止めた当事者たちは…】
「お金がかからないから、無料だからっていうのがあると思うし、百万遍って京大前のあたりが便利な店が多くて駐輪場がないことが多いし」
「どっか止めちゃうと撤去されちゃうんでそれを避けないといけないというのがでかいから」
このように、勝手に自転車を止めている人たちからこの場所は、「自転車が撤去されない場所」として“認知”されていました。
近隣住民にとっては普段の生活に欠かせない道路ですが、こうした勝手な自転車の駐輪によって人がすれ違えないなど実生活に支障が出てしまっていました。
【西門前町町内会長の西平勝幸さん】
「人が通るのと、それから救急車ですね。救急車が来た場合、全然通れないから」
町内会長の西平さんは町内には高齢者が多く、火事や地震の時に避難するための経路がふさがれた状態になっていることにも不安を感じているということです。
行政の対応を求めたいところでしたが、この路地は2017年に建った商業ビルなどが所有する「私道」のため、原則、対応は所有者であるビルの管理会社が行う必要があります。
管理会社は貼り紙をするなどして敷地外に自転車を置かないよう呼びかける対策を取ってきましたが、一向に改善はされず…
さらに、自転車には所有権があることからトラブルを回避するためにも管理会社は強制撤去にも踏み切れずにいました。
■ついに…行政が乗り出し“異例”の「自転車等撤去強化区域」指定
こうした中。27日、京都市は『放置自転車に関する条例』に基づき、この「私道」を「自転車等撤去強化区域」に指定。とうとう、行政である市が「公道」以外で初となる「私道」の放置自転車を強制撤去できるよう“異例の対策”に乗り出したのです。 駅前以外で「私道」へのこうした指定は京都市内で初めてです。
これに伴い、27日、“現場”の私道の路地に撤去警告看板が設置されました。
今後は毎日の巡視から状況をみて計画的に自転車を撤去して、撤去日をこの看板に公示していくということです。
【京都市建設局自転車政策推進室 中川慶太課長】
「この私道が地域の方にとっては、通常の生活だけではなくて、緊急時とか、災害で使う道として切実なお声をいただいておりまして、今回、対応しないといけないという形になりました 我々としても慎重に解決策を探ってきたというのが実情ですね」
【西門前町町内会長の西平勝幸さん】
「まだ(効果は)わかりませんけど一安心ですね」
と、西平会長も少し安心…ついに行政が介入に踏み切った「私道」の放置自転車問題。
いまの放置状態が改善し、住民の不安が拭われる日が来るのでしょうか。