【事件の背景】ポケモンカード“詐欺”で男逮捕…高額なレアカード送ると見せかけ安価なカードを送付 背景には人気で“加熱”する「ポケモンカード」市場が 1枚100万円以上のポケカも 2023年05月09日
子どもから大人にまで大人気のポケモンカード。実は高いものは1枚100万円以上になるカードも。9日、そんな希少価値を持つカードを売ると持ちかけて実際には値段が安い別のカードを送った疑いで男が再逮捕されました。詐欺被害の“実態”を独自取材しました。
9日、詐欺の疑いで再逮捕されたのは、神奈川県の会社員・千島和也容疑者(23)。
2021年12月、時価60万円のポケモンカードを安く販売するとうそをつき、東京都内の男性(31)から現金10万円をだまし取った疑いがもたれています。
【被害を訴える男性】
「返金してしてもらいたいっていうのはもちろんありますし、こんなことするんじゃなくてまっとうに生きてほしいなあと」
こう語るのは今回の被害者と同様、千島容疑者からポケモンカードを巡る取引で詐欺にあったと訴える男性です。
なぜこのポケモンカードがこのような事件につながっているのでしょうか。
今年4月の東京・秋葉原。午前6時にも関わらず、長蛇の列が…そのお目当てこそが「ポケモンカード」です。対戦シーンポケモンカードは「ポケカ」と呼ばれ、描かれたポケモン同士を戦わせるゲームに使用します。基本的な商品は、5枚セットで180円ほど。しかし、ファンが増加して販売数が追いつかず、中でも、枚数の少ない”レアカード”は入手が難しい状況が続いているため、1枚100万円以上で転売されることもあるのです。
SNS上でも…
【犬伏凜太郎記者リポート】
「ツイッターでポケモンカードの販売を検索してみると・・・高額カードを最低50万円で販売するという投稿もあります。こうして高い金額で売買されることもあり、詐欺事件にまで発展しているのです」
今回逮捕された千島容疑者によるとみられる被害にあった男性は、2021年7月、ある投稿を目にしました。
【ツイッターより】
「リーリエ確定袋。15万円でお譲りします」
100万円以上で取引きされることもある「リーリエ」というキャラクターのカードが必ず入っているとうたう福袋。
男性は怪しいとは思いつつもお得だと感じ、購入してしまったといいます。
【被害を訴える男性】
「購入したいです」というやりとりから始まって、「金額が15万円でいいですよ」という形になって「これが本当に入っていますよね」と(画像を送って)確認した」
しかし…男性に届いたのは同じ「リーリエ」でも、時価数千円程度だという別のカードだったのです。
【被害を訴える男性】
「DMで確認したんですけど一切返信がなくてアカウントも消されてしまった」
詐欺被害の相談を受けることもあるというカードショップの店長は、「この手口が横行している」と指摘します。
【遊楽舎・筧久明店長】
(Q.被害の相談がある?)
「月に1回ぐらいはポケモンカードでかなり多いですかね、中でも・・・大体の題材にされるのが『リーリエ』。配布枚数自体はそこまで少ないものではないんです、結構量がある。持ってるよっていう風に言われても信ぴょう性が高いと思っちゃうんですよね」
【被害を訴える男性】
「40、50万するカードがそれ以下の値段で販売するってこと自体が普通ならありえないと思うので、そこでまず怪しいと思ってれば防げたかな…」
捜査関係者によると千島容疑者は、同様の犯行をおよそ30件繰り返していたとみられ、警察の調べに対し「金が欲しかった」と容疑を認めています。
(関西テレビ「newsランナー」2023年5月9日放送)