今年のゴールデンウィークは海外旅行に出かける人もたくさんいます。日本人に人気のハワイは、コロナの影響で一時期、閑散としましたが、今は賑わいが戻っているようです。現地の様子を取材しました。
■GW中海外へ行く人は前年比で4倍に
【ビーチに飛び込む子供達】
「超~気持ちいい」
「気持ちいいけど、ちょっと傷がしみる」
ゴールデンウィークに突入した日本。JTBによると、期間中の海外へ行く人は前の年と比べて4倍に急増し、20万人が出国する見込みです。
【新婚旅行で来た夫婦】
「楽しいですね~、アロハで」
【女の子】
「アロハ~♪」
ことし人気の旅行先のひとつが、常夏の島・ハワイ。
【水本翔記者】
「今、ウミガメの飛行機『フライングホヌ』が日本からやってきました」
ハワイで「海の守り神」とされるウミガメをラッピングした全日空の飛行機『フライングホヌ』。コロナの影響で一時運休となっていましたが、ついに、このゴールデンウィークを前に、毎日の往復運行を再開させました。
■GWの予約数はコロナ前の9割まで回復
ハワイ州の統計によると、日本からハワイを訪れた人は、コロナの感染が広がった2020年から激減。その年の5月には16人という月もありました。およそ3年の時を経て、ことし3月には4万人まで回復。ようやく観光客の数も上昇傾向にあるようです。
【ANAホノルル・平島敬太支店長】
「ゴールデンウィークの予約については、直前まで数字が上がらなくて心配していましたが、結果として、コロナ前の9割まで戻ってきています」
「久しぶりのハワイ」との声が多く聞かれました。
【家族連れの観光客】
「5年ぶりとかで…。コロナで延期になってきょうやっと」
(Q.子どもの反応は?) 「もうはしゃぎまくっててすごく楽しそうです」
【家族連れの旅行客】
「3年半ぐらい」
(Q.待ってましたか?) 「ず~と待っていました。きょうのために仕事しましたから」
■1ドル136円…円安が日本人観光客のお財布を直撃
一方で1日も1ドル=136円と円安が進み、皆さんのお財布事情は厳しそう。
【新婚旅行で来た人】
「全部高い。ビールが1000円ぐらいするんで。そこにはビックリしたけど、感覚がバグりますね」
【家族旅行で来た人】
「値段は気にしちゃうんでスーパーとかで買って、(ホテルで)自炊もしつつ…」
【家族旅行で来た人】
「高いだろうなとは思いますが、せっかく旅行に来たのであまり気にせず…」
こちらの夫婦は結婚直後にコロナが流行し、新婚旅行に行けていませんでした。その間に子どもが生まれようやく念願のハワイへやってきました。
【新婚旅行で来た夫婦】
(Q.新婚旅行も兼ねて?) 「そうですね…新婚旅行はまた別で」
今回、楽しみにしていたことがあるようです。
【新婚旅行で来た夫婦】
「きょうはヒルトンの花火ショーがあるのでそれもみたい」
海沿いで打ち上げられる花火ショー。
【新婚旅行で来た夫婦】
「楽しかったね、きれいだった~」
「よかったね~見れてよかったね」
皆さん、思い出に残るハワイ旅行となったようです。
■ハワイの観光業、全面復活まであと少し 閉店のままの免税店も
GWをハワイで過ごす日本人も増えているようですが、現地から水本記者に伝えてもらいます。
【水本翔記者】
「はい、私はワイキキの中心地にあるショッピングセンターの前にいます。こちらは夜の10時前なんですがご覧ください、今も観光客がまずます行き交っていますかね。食事のお店が閉まる時間帯でホテルに帰るところだと思います。
ホノルルの街には、日本からの旅行客が多くみられました。お話をうかがうと新婚旅行など、もともと海外に行くことを予定していた方たちがやっと来られて、楽しまれている様子でした」
Q.ハワイの観光業は完全復活という感じですか?
【水本翔記者】
「そうだったらいいのですが…。ショッピングセンターの向かいにあるのは免税店が集まっているビルなのですが、2020年に休業して、今も再開していません。ハワイはコロナ流行前に最も多かった海外からの旅行者は日本からでした。ただ、今年3月の時点ではまだ3割ほどしか日本からの観光客は回復していません。そういうこともあり免税店は再開に時間がかかっているのかもしれません」
■コロナで観光客が減り豊かな自然が回復
Q.ハワイ観光でコロナ流行前と比べて変わったことはありますか?
【水本翔記者】
「大きく変わったのが、地元の人たちの環境を守ることへの意識の高さだと思います。きょう私は、ウミガメを見にいくツアーに参加したんですが本当に豊かな自然で、とても癒される時間でした。
この自然を求めて2019年は世界からおよそ1000万人の観光客が訪れていました。ハワイの人口はおよそ140万人ですので、コロナで観光客が訪れなくなると、海がきれいになったり、自然が復活するなどの変化が起きました。それがきっかけとなり、地元の人たちは今までのようなオーバーツーリズムではなく、自然を守りながら持続可能な観光を目指すようになりました」
【水本翔記者】
「例えば、コロナ前まで人気だった比較的岸から近いところで、ハシナガイルカと泳ぐツアーは禁止となり、ことし3月には近くを泳いだ33人の観光客が当局に取り締まられています。日中は休む習性があるハシナガイルカにとって負担となっていたことを問題視したためです」
【「イルカ大学」ツアー主催者】
(Q.今までハシナガイルカと泳ぐツアーは人気だった?)
「そうですね。他の種類は結構、沖の方に行かないとだめなので」
【「イルカ大学」ツアー主催者】
「イルカを見つける早さと簡単さを比べたらハシナガイルカはベストだと思うけど。イルカを守ることも大切なので今は(岸近くではなく)沖の方に行っています。やっぱりハワイはパラダイスなので、この大自然を守っていきたい」
【水本翔記者】
「沖合で活動している別の種類のイルカと泳ぐツアーは、時間がかかるうえ、遭遇率も下がります。ただ、イルカを守ることを優先した観光へと形を変えました。コロナによって大きく打撃を受けた観光都市・ハワイですが、以前よりバージョンアップした、持続ができる観光が楽しめるようになりそうです」
(関西テレビ「newsランナー」5月1日放送)