“彩雲”で白い壁をより美しく…国宝・姫路城の“ライトアップ”がLEDに 世界遺産の登録から30年迎える 世界的照明デザイナー「心に残る夜景を」 2023年03月31日
世界文化遺産の国宝・姫路城のライトアップがリニューアル。その舞台ウラを取材しました。
3月25日に行われたライトアップの点灯式。98台の投光器で新しい光に彩られた姫路城が夜の街に浮かび上がりました。
国内外から多くの観光客が訪れる国宝・姫路城。ここ数年、夜のライトアップは観光客の誘致に一役買っていましたが…
使われていた照明は、実は30年前に設置されたもので、風雨にさらされて老朽化が進んでいました。
【姫路城管理事務所 常峰匡之さん】
「(電球が)壊れてきていて、つかなかったり、球切れもいっぱいあったり、代わりの材料の球もないって言う問題が出てきていた」
そこで世界遺産の登録から30年となることしの2023年に、リニューアルすることを決定。
新たに設置するのは、最新のLED照明で、消費電力はこれまでの40パーセントに抑えることができます。
お披露目まで2週間を切ったこの日、姫路城にやってきたのはライトアップのデザインを任された石井幹子さん。
これまでに東京タワーやレインボーブリッジなど数多くの有名な建造物のライトアップを手掛けてきた世界的な照明デザイナーです。
【石井幹子さん】
「一番白い壁を美しく見せるための光を使うということ。今までにないライトアップをするということで日本の歴史・文化、そしてこの姫路の四季、そういったものを光で表現したいと思いました」
最後のチェックは深夜まで及びました。
【石井幹子さん】
「ここに光が当たってる、ここにも当たってて、そこにこの影がかかっちゃってるわけだから、ちょっとこの影が弱くなれば、そこがつながって見えるのではないか」
そして…観光客や地元の人たちが集まったお披露目の日。
「3、2、1どうぞ!」
“白鷺城”とも称される姫路城の真っ白な壁をより際立たせる白い光。
さらに…太陽の近くを通る雲のように緩やかに色を変化させる「彩雲ライトアップ」の演出が観衆を魅了します。
【神戸市から来た人】
「グラデーションとかがあって、すごくきれいで、姫路城に興味が増しました」
【姫路市民】
「雰囲気違っていたんですけど、さらに輝きが増して良いなって思います」
【石井幹子さん】
「『彩雲』はこれからいいことがあるという兆しと、昔から言われているので、このお城にはピッタリだと思った次第。心に残る夜景であってほしいと思っております」
装いを新たにした姫路城、これからも姫路の夜を彩ります。
(2023年3月31日放送)