世界を驚かせる快進撃を見せ、決勝トーナメントへの進出が決まった日本。これからの戦いを、ドイツワールドカップ代表の加地亮さん、2011年の女子ワールドカップで、キャプテンとしてなでしこジャパンの優勝に貢献した、澤穂希さんに解説してもらいます。
■決勝トーナメント進出
Eグループを首位で突破したFIFAランク24位の日本は、Fグループ2位・前回準優勝でFIFAランク12位のクロアチアと対戦します。クロアチアに勝つと、次はブラジルとの戦いになる可能性が高くなります。
――Q:スペインがブラジル戦を避けるため、わざと2位通過したという可能性は?
【加地さん】
「多少はあると思います。終盤にかけてドイツ・コスタリカ戦の情報は入っていると思うので、勝ちにいったとは思いますが、選手の中では『このまま通過できればいい』という思いはあったと思いますね。攻撃的には後半、あまり迫力はなかったので、そう見られてもしょうがないかな、という感じはします」
――Q:次戦は月曜と、あまり時間がありませんが、連戦というのは体力的にはどうですか?
【澤さん】
「とにかく疲労を残さないことです。疲れが全部とれることはありませんが、その中で、いかにコンディションをより良く整えるかが大事になってきます」
――Q:予選リーグと違って、ある意味“先を見ない”戦いになると思うんですけど、戦い方は変わってきますか?
【澤さん】
「今、目の前の試合をやり切るというのが最優先です。先のこと云々より、その一試合に集中することです」
■クロアチアの実力は
――Q:加地さんはクロアチアとワールドカップの舞台で対戦されているんですよね?
【加地さん】
「はい。組織的なチームで、しっかりと守備をしながらカウンターを狙っていくチームなのかな、という。プラス、今のクロアチア代表は個人の技術も高いですし、パスワークも優れた選手が多いですから、チームとしても規律のあるいいチームになっていると思います」
――Q:加地さんが戦った2006年から、チームとして戦術を大きく変えているわけではなさそうですか?
【加地さん】
「そうですね。2018年から監督も変わってないですし、2018年のワールドカップで準優勝したときのメンバーがかなり残っているので、継続的に作り上げてきている気はします」
――Q:気をつけるべき選手はいますか?
【加地さん】
「モドリッチ選手ですね。今はレアルマドリードに所属していて、2018年のワールドカップでもバロンドールを取っています。これは世界一優秀な選手という位置付けなんですけど、テクニック、パスセンス、相手の意表をつくドリブルやパスといったアイデアがすごく抱負なんです。前線にいい選手がいるので、それを生かすも殺すもモドリッチ選手次第かな、という気がします」
――Q:日本では誰がカギを握りそうですか?
【澤さん】
「遠藤航選手に期待しています。ボール出し能力や、セカンドボールを拾うところはずば抜けています。(クロアチア戦では)モドリッチ選手のいいところを消す守備がキーになると思います」
ベスト8を懸けた日本対クロアチア戦は、日本時間の12月6日午前0時に試合開始です。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年12月2日放送)