「全国旅行支援」いよいよスタート 期待の一方で… 旅行会社は自治体ごとに異なるルールに四苦八苦 ホテルや土産物店は「楽しみです」 コロナを耐えた観光業界の救世主となるか 2022年10月10日
10月11日から始まる「全国旅行支援」。1泊あたりの宿泊代が最大で40%(最大8000円)も割り引かれるほか、旅行先で使える最大3000円相当のクーポン券ももらえる、お得な制度です。
旅行者にとってうれしい制度ですが、手配に追われる旅行会社は…
【摂陽観光 藤原雅彦社長】
「予約の仕方、クーポンの渡し方、書類が各県によって違う。都道府県だけ全部集めて内容を精査して理解して、お客様に説明するという作業が残る。ちょっとね、無理」
去年は国で一括だったこの制度、今年は県民割の併用や専用アプリでの管理、紙のクーポンなど、都道府県によって運用や条件が異なるのです。
【摂陽観光 藤原雅彦社長】
「県によっては割引率が若干違ったりとか、県独自のシステムが動いてる県もある。これを間違うとえらいことになる」
しかも、3連休の前日でもまだ受け付けができない県もあるなど、初めての制度に振り回されている様子。それでもコロナ禍を耐えしのぎ、「喉から手が出るほど欲しかった」という利用客ですが…
――Q:増えすぎてホテル取れなかったり?
【摂陽観光 藤原雅彦社長】
「もう起こってますよ。週末、ある旅館なんかは(空室が)もうない」
通天閣やあべのハルカスをのぞむことができる「大阪逸の彩ホテル」でも、反響は大きいようです。
【記者リポート】
「こちらのお部屋、普段は一人当たりおよそ8000円ですが、割引適用後は4800円程度で泊まることができます」(ツイン・平日 ホテル公式サイト予約の場合 10月10日時点)
【道頓堀ホテルグループ 橋本明元 専務取締役】
「きのう1日で180件の予約をいただいてますので、以前の2倍ぐらいには増えてきているかな。(去年)GoToキャンペーンの時はそれほど予約が入ってこなかったんですが、肌感覚でいうと『旅行していいんだ』って感じになってきていると思うんで、予約の入りに関しては期待しています」
さらに10月11日からは、外国人の個人旅行など水際規制も緩和されるため、インバウンドも合わせるとコロナ前の稼働率の8~9割まで戻せるのではないかとみています。
【道頓堀ホテルグループ 橋本明元 専務取締役】
「国内の需要+インバウンドがあって初めて大阪のホテルは潤ってきますので、非常に楽しみにしています」
宿泊の割引とともにもらえるクーポンの恩恵を受ける土産物店も…
【なにわ名物いちびり庵 道頓堀店 播野有香さん】
「スタッフ全員期待しかない。コロナになってから仕入れ数をだいぶ減らしてしまったのですけど戻していってて。ただ、コロナ期間中にスタッフも減らしてしまったので、今その人数でやりくりしてる状態で」
制度の煩雑さに困惑しつつも、期待を寄せる観光業界。「全国旅行支援」は、復活の切り札になるのでしょうか。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年10月10日放送)