第7波が猛威を振るう中、いよいよ始まるお盆休み。
帰省を前に知っておきたい感染対策を、関西医科大学附属病院の宮下修行教授に聞きました。
【質問1】
各地で抗原検査キットの無料配布が始まりましたが、感度はPCR検査が約8割、抗原検査が約7割と、抗原検査の方がやや低くなっています。
帰省の前に受ける意味はあるのでしょうか?
【宮下教授】
「抗原検査の感度は、第1波の30パーセント前後から飛躍的に上がっています。しかし検査のタイミングによってウイルスをどれだけ持っているかが違うので、陽性率が異なります。また、3割は見逃してしまうので、陰性と判定されても『陽性の確率はある』と思って行動してください」
【質問2】
政府はエアロゾル感染を防ぐため、効果的な換気をするよう呼び掛けています。
不織布マスクをすれば、飛沫やエアロゾルの量、飛ぶ距離などは抑えられるようですが、換気は必要なんですか?
【宮下教授】
「『マスクをしていれば大丈夫』は間違いです。きちんとフィットさせたマスクには85パーセントの防御効果があるということが分かっていますが、残りの15パーセントが空中を漂います。換気をしなければその量は増えていくので、換気をしましょう。また、85パーセントの防御効果はあるので、帰省先に高齢者がいる場合は、検査で陰性でも、マスクをするか距離を取るなどの対策をした方がいいです」
【質問3】
効果的な換気方法として、図のような配置で窓が2方向にある場合、扇風機やサーキュレーターを「どこ」に「どの向き」で置けば、最も効果的になるのでしょうか。
【宮下教授】
『(3)に外向き』が正解
「エアロゾルが多い窓の近くに外向きに置くのが最も効果的です。内側に向けると部屋の中に拡散してしまいます。外に向けることで、空気の流れを作って効率的にウイルスを外に出すことができます。扇風機を置いた側の窓は、逆流を防ぐため、あまり大きく開けない方がいいですね」
宮下教授は、「重症化を防ぐという観点から、高齢者の4回目接種が最も重要」としています。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年8月5日放送)