1歳女児がひき逃げで死亡 人気観光地のコリアタウンで「車両通行禁止」時間帯に何が 警察に対応を依頼していたが…「一番心配していたことが起こってしまった」 2022年08月02日
8月1日午前11時40分ごろ、大阪市生野区桃谷のコリアタウンの路上で、1歳の中山愛李ちゃんが車にひき逃げされ、病院に運ばれましたが亡くなりました。
防犯カメラの映像には、事故直後、運転席から降りた人物が。状況確認後、すぐに車に引き返して走り去りました。
コリアタウンの入り口には、【車両通行禁止時間】と書かれた大きな看板があります。
事故が起きた時間を含む午前10時~12時と午後4時~6時は、車の通行が禁止されていたはずでした。
本来ならば起こるはずのなかった、悲惨な事件。
商店街で働く人によると、車両通行禁止の時間帯に車が侵入してくることは珍しくないといいます。
【商店街で働く人】
「配達とかは(通行禁止を)守ってないと思う。土日も、人が多くてどう見ても車が入れないのに無理やり入ってくるお客さんも多い」
【一般社団法人 大阪コリアタウン 由良英明 副理事長】
「車が通れる時間が一番お客さんが多くて。小さな事故が多発しているということで、なんとか朝から夕方まで(全時刻)通行禁止にしてくれないかと警察にお願いしていた。一番心配していたことが起こってしまった」
「車の通行を終日禁止してほしい」という声も上がっていた中での出来事でした。
その後の捜査で、警察は車を運転していた東大阪市に住む韓国籍の固城義和こと鄭仁煥容疑者(74)を、ひき逃げなどの疑いで逮捕。
調べに対し、鄭容疑者は「車検と保険が切れた車で事故を起こしたので逃げた。車から降りたが、けがをした子供を見ていない」と容疑を一部否認しています。
生野区のコリアタウンは、韓流ショップや飲食店が多く軒を連ねる人気の観光地で、他府県からも家族連れや若い人が多数訪れます。
今回被害に遭った女の子も、家族との旅行中でした。
事故があった午前11時40分は通行止めの時間帯でしたが、そもそもなぜ、全面通行止めではないのでしょうか。
商店街の人は「昔は地元の人しか通らなかったから、お昼ごはん前と夕方の時間を通行止めにしてもらっていた。ただ最近は観光地になって人が増え、接触などのトラブルも絶えず、全時間帯を通行止めにしないといつか大きな事故が起こると、警察に対応をお願いしていた」といいます。
ひき逃げを起こした鄭容疑者は、調べに対し「通行止めとは知らなかった」とも話しています。
「車両通行禁止」の時間に起きてしまった死亡事故。
防ぐ手立てはなかったのでしょうか。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年8月2日放送)