6月11日、大阪・忠岡町で開かれたあるイベント。
一見、在庫一掃セールのようですが…?
ちょっと変わった“ワケアリ”イベントを取材しました。
■「ふたが閉まればOK!」ファッションアイテム詰め放題
倉庫の前にずらりと並ぶ人々。
そのお目当ては、ファッションアイテムの詰め放題です。
1万5000円の段ボール箱か5000円の袋を買って、詰め込めるだけ詰め込んで、ふたが閉まればOKです。
【訪れた人々】
「何か適当に取ってきてー!」
「値段気にしますよね、関西人。『高いもので元値とって』って感じ。多分4つぐらいで超えてるかなと」
「Lやけど買おうかな、冬物あって良かった」
有名ブランドの靴からビーズやスパンコールをあしらった5万3000円のドレスまで、取り扱われているアイテムは2万点以上。
実際にどれくらいお得なのか、段ボール箱に隙間なく詰め込んで、スタッフに元の値段を計算してもらうと…なんと、およそ22万円分にもなりました。
セールは、2日間で900人が訪れるほどの盛況ぶり。
【女性】
「まだまだ入りますよね、ちゃんと整理したら」
【親子連れ】
「無理やろ、吟味しな」
「(選ぶの)めっちゃ時間かかるー」
【男性】
「僕は娘のために。難しかったです、関西の女性のパワーに押し負けてしまいまして」
訪れた人たちは、それぞれ段ボールや袋いっぱいに服や靴を詰め込んでいました。
■ファッション業界の課題を解決する取り組み 出品商品の正体は…
実はこのセール、安いだけでなく、「あるコンセプト」があるんです。
【ウィファブリック 藤本恵子さん】
「お得に買って地球を守るというコンセプトでやらせていただいていて。『廃棄を解決したい』といったところで立ち上がったサービスになっています」
今回出品されていたのは、ショップで売れ残ったり、倉庫に置かれていたワケあり品などの、いわゆる「廃棄品」です。
セールを主催した企業によると、毎年、世界で捨てられている衣類はおよそ228億着。
これを焼却する過程で排出されるCO2の量は、約2700万トン。針葉樹およそ19億本が、1年間に吸収する量だということです。
アイテムを詰め込む段ボールには、衣類を再利用することで削減できるCO2の量が書かれています。
買うことが、地球環境を守ることにもつながる取り組みなのです。
【親子連れ】
「今日は『お得に買えるかも』というので来たんですけど、お得かつ、環境にも貢献できるのはいいことかなと」
――Q:たくさん買われましたね
「そうですね、だいぶ貢献したんじゃないかなと」
【ウィファブリック 藤本恵子さん】
「私たちは、サステナブルについて難しく考えてほしいと思ってなくて、まずは楽しんでもらうことを一番にしてるんで。その中で少しずつ、こういうかたちがあるというのを知っていただけたら、十分かと思います」
会場には古着回収ボックスも設置され、回収した古着の一部は、ファッション通販サイトの「サスティナブルアウトレットモール・スマセル」で再販するそうです。
お得に買えて、環境にも優しい取り組み。
そこには、廃棄問題解決のためのヒントがありそうです。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年6月14日放送)