災害が起きた時、どのように行動すればいいのか。
大阪のホテルに、家族で楽しく防災対策を学べる宿泊プランが登場しました。
【従業員】
「今は電気がついてますけど、これが真っ暗になります。電気がまず止まってしまいますので。これがランタンです」
■ホテルの備蓄品を有効活用 家族の防災ルールづくりに
大阪・心斎橋に3月オープンした「HOTEL THE LEBEN OSAKA」。ホテルが始めたのは、災害を想定して宿泊する、1泊8000円の「防災体験Missionプラン」です。
災害の時以外はほとんど使われないホテルの備蓄品を有効活用しようというもので、電気などを制限した環境で過ごしながら、避難先を始めとした家族の防災ルールを決めるのが目標です。
■体験した親子 2018年大阪府北部地震の記憶
豊中市に住む今井さん家族がこのプランを利用しようと思ったきっかけは、4年前の大阪府北部地震で息子の颯音くん(11)がエレベーターの中に閉じ込められたことでした。
【今井優子さん】
「いってらっしゃいって言った瞬間に地震が来たので、目の前でエレベーターが閉まってパニックになってしまって、『子供たちが閉じ込められた!』みたいな感じに。想像できないことが起きると動けない自分がいたので」
【今井颯音くん】
「怖かったので、自分が行動していく時にできなかったら困るなというのがあった」
■停電、出ない湯、非常食…災害時を想定
いよいよ防災体験がスタート。まずは停電、そしてお湯が出なくなります。お湯が出ないため、顔や手だけを洗うことにしました。
晩御飯は非常食のアルファ米。非常用電源を使い、お湯を沸かします。その間に、家族が避難する際の待ち合わせ場所を決めました。
【優子さん】
「お父さんお母さんがすぐ避難先に行けるかわからない。でも不安になって動いたらあかん。じっとして、ひたすら来るまで待つ」
【颯音くん】
「ひたすら寝る」
【優子さん】
「それでもいいよ」
ここでトラブルが…機器のスイッチを押し忘れ、非常食用のお湯が沸いていませんでした。災害時に使い方が分からないということは、あってはいけません。
家族で初めて食べる非常食、そのお味は…
【優子さん】
「悪くない」
【今井政行さん】
「これは普通に美味しいな」
【颯音くん】
「食べきるで」
【優子さん】
「結構好きなんや」
日常では味わえない、充実した体験になったようです。
【HOTEL THE LEBEN OSAKA 伊藤貴博 副支配人】
「ホテルなので通常の価格で販売した方が利益は出るんですけど、子どもの安心安全を意識しています。防災のきっかけになればいいなと思っています」
ホテルは「今後、近くに住む子供たちを招待してプランを体験してもらい、地域の防災意識を向上させていきたい」としています。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年4月18日放送)