アプリやゲームのプログラムを作る”プログラミング”の教育が、今年度から高校で必修化されます。
2025年からは大学入学共通テストで出題されます。
既に必修化されている小中学生では、その魅力にハマっている子供もいるそうです。
現状を取材しました。
■プログラミングに夢中の子どもたち
兵庫県姫路市にある小中学生を中心としたプログラミング教室。
教室は子どもたちで満席でした。
みな真剣な様子でパソコンのモニターと向き合っています。
子供たちは自分のオリジナルゲームを作っていました。
どうやってゲームを作っているのか聞いてみると・・・
【生徒】
「X座標を置き換えて、敵のビームを送るんです」
【生徒】
「これがゼロで、これが3なんですよね。番号でいうと。それでランダムに振り分けてこれをbで入れることで出しています」
パソコンのモニターに表示されている数字や英語について詳しく解説してくれました。
子どもたちは、ゲームを動かすための様々な指示を次々とパソコンに入力します。
これがプログラミングです。
プログラミング学習は義務教育では色んな科目に組み込まれていますが、4月からは高校でも必修化となります。
そして2025年からは大学入学共通テストに「情報」の科目が新設され、プログラミングの知識も問われることになったのです。
そんな中で、プログラミング教室に通って、学ぶ子どもが増えているのです。
【生徒】
「プロのゲームと違った面白さがある。プロのゲームは出来上がってるけど、自分のゲームはたまにバグ(エラー)とかあって、それを直していくのも楽しい」
■プログラミングでSDGsや地元の魅力発信
人気が高まる中、プログラミングを通して自由な発想力が開花する子どもも出てきました。
兵庫県姫路市に住む赤藤未吹芽くん(12)です。
去年行われた、県の小学生プログラミング大会で優勝を果たしました。
その実力は本物です。
ーーQ:プログラミングの魅力は?
【赤藤未吹芽くん】
「考えたものが形になることです」
赤藤くんが作ったゲームの一つ、題して「SDGs Adventure」。
海の中のゴミを取り除くゲームなどを通して、17のSDGsのテーマについて学べます。
さらに、宇宙に携わる仕事に就くことが夢の赤藤くんは、「宇宙もきれいに」という18個目のテーマをゲームに追加しました。
【赤藤未吹芽くん】
「ゲームで楽しく取り組んでもらって、ちょっとでもSDGsに関心をもってくれたらうれしい」
【母親】
「熱中するともうずっとやってるんです。できないってなると頭かかえて、『うー』って。それでもめげずに最後までやってるんで。自分の好きなことなんで、それでいっぱい勉強してくれたらいいなって」
更に、小学生ながら実用的なアプリを開発した子どももいました。
鹿児島県の小田原叶和さん(11)は、地元の織物の魅力を伝えるアプリを開発。
このアプリは地元の施設でも利用できるようになり、実際にこのアプリを使った団体による商品の購入もありました。
【小田原叶和さん】
「楽しんでもらうことも目的だけど、実績を出すのも目的なのでよかったなと思います」
すでに社会に貢献を果たしている子どもも現れていますが・・・。
実は日本は、プログラミングができる高校生の割合が、アメリカや中国、韓国などと比べて低く、プログラミングの分野では遅れをとってきたのです。
子どもたちがプログラミングを学ぶことで多くの力が伸びる可能性もあります。
【プログラミング教室Mirai道場 藤森悠司先生】
「プログラミングをやっていると、将来プログラマーを目指すとか、理系に進みたいって思う親御さん多いと思うんですけど、それだけではありません。論理的思考力を身に付けるとか、想像力を養うとか、将来どんな職業に就くにしても必ず必要とされる力を伸ばすことができる」
楽しい学びの一つとして定着し始めているプログラミング。
未来を担う子どもたちにどんな可能性を与えていくのでしょうか。
(2022年4月8日放送)