「神対応」のワンちゃんファーストのホテル…犬の飼育費は年平均34万円 プレミアム化進む「ペット関連商品」【ヒットにワケあり!オカネのヒミツ】 2022年03月22日
犬・猫の飼育数について2013年から2021年までのペットフード協会のデータを見ると、猫はわずかに増えていますが、犬は減少していて、実は全体の数としては減っています。
ただ、その一方でペット関連商品の国内市場は拡大し続けています。
「プレミアム化」が進み、ビジネスとして盛り上がりを見せるペット商品。
その最新事情について取材しました。
■犬の飼育費は平均で1年間に34万円余り
大阪府吹田市の『P&LUXE』では、およそ1万種類のペット商品を取り扱っていて、犬にまつわる商品は全体のおよそ7割にのぼります。
薄田ジュリアキャスター:
「鹿のお肉、イノシシ、ちょっとびっくりしたんですけど、牛の気管。見た目もそのままですね。鴨のネックボーン…?」
P&LUXE 満倉賢二さん:
「首の骨です。基本的には無添加無着色のおやつで、素材のものをメインに置かせていただいています。人間の食べ物で添加物の入っていないものが選ばれるようになった時から需要が増えていて、大体同じ時期からだと思います」
犬用の総菜や、毛並みが良くなる効果を狙った漢方、そして関節痛を和らげるというサプリメント。
さらに、飼い主とペット兼用の高級スキンケアオイルまで。
薄田キャスター:
「お値段はあまり可愛くないですね…。7200円とか1万円を超えるようなものもありますけど…」
実は、年間でかかる犬の飼育費の平均金額は34万5572円(アニコム損保調べ)。
なかなかのお値段です。
飼い主:
「犬のほうが多分、人間よりも贅沢だと思います、良いのは食べていると思います。生のお肉もお魚も、新鮮なものとか安全なものを食べさせることが多いので」
別の飼い主:
「ちょっと今日は暑いので、厚着させすぎちゃったと思うのですけど、冬場は寒がりなので着せています」
街では、ペットを家族同然として接する声が多く聞かれました。
■食事は無添加「この子たちの命が短くなるのは嫌」
兵庫県伊丹市に住む愛犬家の吉本篤史さん。
夫婦2人で暮らす吉本さんにとって、愛犬2匹はわが子のような存在だと言います。
吉本さん:
「出張から帰ってくるたびに、走ってお出迎えしてくれたり、かけがえのない存在なので。出張に行って柴犬が歩いているのを見ると帰りたくなります『あかん、はよ帰ろ』って」
食事にも徹底的なこだわりが…。
吉本さん:
「最低限、無添加無着色で」
食後のおやつには、吉本さんお手製のさつまいもや鶏のささみを…。
吉本さん:
「ずっと一緒にいたいので、食事が原因でこの子たちの命が短くなるのは嫌なので。できる限り一緒に生活しているし、この子らのおかげで夫婦円満やし。親バカって言われるか飼い主バカって言われるかもしれないですけど、大事な存在なので」
ペットの食の質が向上する中、新規参入も増えています。
京都府南丹市の『一網打尽』。
南丹市の害獣による農作物等への被害を減らすため、ジビエの製造・販売を行う団体を2017年につくりました。
しかし、コロナ禍の影響で出荷先のレストランなどが相次いで休業しました。
一網打尽 調理担当 梅棹レオさん:
「最初の緊急事態宣言の時に、こっちはたくさん鹿が捕れてくるんですけど、その販売先がないという状態に陥って、それがペットフードをやり始めるきっかけになりました」
作業は、鹿肉をスライスして乾燥させるだけで大きな手間はかかりません。
しかし、それが成功の秘密。
シンプルさが、無添加など健康意識が高い飼い主の間で評判となり、事業は一気に軌道に乗ります。
梅棹さん:
「道の駅などで販売をしたところ、今までレストランの落ち込んだ売上を穴埋めできるようになってきて。全国の獣害を減らす助けをしているという思いで商品を手にとっていただけたらなと思います」
■バーにも犬の席が…ワンちゃんファーストなホテル
さらに、ペット連れの家族を「神対応」でもてなす究極のホテルも。
滋賀県彦根市の『ホテルビワドッグ』は、コロナ禍の中でも客室稼働率90%超えです。
薄田キャスター:
「こちらのホテルでは、朝食会場の中にワンちゃんを連れて入ることができて、しかも、一緒に食事を楽しむことができるんです」
犬も一緒に泊まれるこのホテルでは、地元名産のブランド鶏・近江鶏を使った、犬専用の朝食や豪華な夕食も提供され、一緒に食事を楽しめます。
客:
「初めて一緒に旅行に来たのですけど、姿を見ていられるし、一緒にご飯も食べられるのでとても良いです」
別の客:
「人間として扱ってくれているというか、家族として受け入れてもらえている感じです」
薄田キャスター:
「お部屋は広々とゆったりした空間で、一面窓ガラスで良い眺めです。目の前は琵琶湖ですね。最高です。お部屋は全体的に重心が低いような印象を受けるんですけど、何か意識されているんでしょうか?」
ビワドッグ 宮本岳支配人:
「小上がりも低くさせていただいて、ワンちゃんが自分でベッドの上へ登ったり降りたりができるようにと当初から考えております。フローリングの床も、滑りにくいワックスをかけさせて頂いていて、畳も消臭畳です」
このホテル、他にもワンちゃんファーストな『バー』まで…。
愛犬家でもある岩原社長。
このホテルを作ったのは、ある経験がきっかけでした。
ビワドッグ 岩原努社長:
「旅行に行く時に、ペットホテルに預けて、迎えに行った時の愛犬の状態というのは水も飲まない、ごはんも食べない、多分一睡もしていない。そういう状態で我々の所に帰ってきた愛犬を見て、『これはもう二度と置いてはいけないんだ』という気持ちを、できれば大勢の方に解決してあげたい、それだけです」
どんどん拡大するペットビジネス。そこには、飼い主からペットへの深い愛がありました。
(関西テレビ「報道ランナー」2022年3月22日放送)