緊急事態宣言が出て在宅時間が増えた去年4~5 月、NIPPON DATA研究班による調査で、女性の27.4%、男性の17.4%が、1kg以上体重が増加していることがわかりました。
そんな中、最近よく目にするのが、糖質をカットした「低糖質フード」。
なぜ注目されているのか、人気のヒミツを取材しました。
■“コロナ太り”解消を期待する客も
最近よく聞く「糖質」という言葉。糖質とは体や脳のエネルギーになる栄養素ですが、とりすぎると糖尿病などの生活習慣病になるリスクがあると言われていて、気にする人も増えています。
【薄田ジュリアキャスター】
「低糖質ばかりのメニューを扱っているというお店が高槻市にあるということでお邪魔してみます。入口の扉にはお料理がかかれてるんですが、すべてに糖質がどれくらい入ってるかというグラム数も表示されてますね」
大阪府高槻市にある低糖質食専門店『然』。
薬剤師の資格をもつオーナーが、糖質と味にこだわった約80種類のメニューを取り揃えています。
糖質を抑えるためにしているという工夫が…
【然 守田幸司オーナー】
「こんにゃくのお米を使うようにしてお米の糖質をゼロに持っていってます」
こんにゃくのお米で作っているのは、「チキンステーキ炒飯」。
店の人気メニューの一つです。
【薄田キャスター】
「すごいボリュームありますよね。この下が全てこんにゃく米。お米のもちっと感じゃなくプリッとした弾力。本当にチャーハンを食べてる感覚でスプーン進みますね」
【然 守田オーナー】
「これで糖質95%カットくらいです」
ほかにも、糖質を抑えるために豆腐で作った麺などを使っています。
では、なぜ低糖質が今注目されているのでしょうか。
お客さんに店に来た理由を聞いてみると…
【男性客】
「コロナ太りを…体重100キロ超えてたんですよ。1日5食ぐらい食べてましたね。運動しないのに食べる量だけ増えました」
この男性は去年8月から店に通い始め、家でも糖質に気を付けた食生活に変えたということです。
【男性客】
「20キロ以上痩せてます。服のサイズも当時3XLやったけど、今XLとLの中間ぐらい。糖質制限で無理のない食生活の改善をしていった方が、ストレスなくていいんじゃないか」
糖質は炭水化物から食物繊維を除いたもので、とりすぎると脂肪として蓄えられ、太る原因とされています。
そこで、おいしく糖質制限することで、コロナ太りの解消も期待できるというのが人気の秘密です。
■ロカボで緩やかに糖質制限
さらに低糖質にも色々あるようで、伺ったのはスーパーマーケット、フレッシュマーケットアオイ昭和町店。
【薄田キャスター】
「ポップが出ています、糖質オフ、ゼロ並んでいます。うどん糖質40%カット、ほかにも麺なのに糖質ゼロのものがたくさん並んでいます」
麺類にアイス、アルコール飲料など、あらゆる低糖質の商品が並ぶ中、パッケージにあった「ロカボ」マーク。
どんな意味があるのか、ロカボを提唱している専門家に聞くと…
【北里研究所病院 山田悟糖尿病センター長】
「ロカボという食事法は簡単にいうと、緩やかな糖質制限食のことでして、毎食毎食(糖質を)20g以上40g以下にしていただく食べ方です。糖質制限食というもので、太った人の体重の減量や糖尿病の人の血糖改善を維持できます。極端な糖質制限食は辛くなってしまってドロップアウトする人が増えるので、効果としては緩やかな糖質制限食よりも落ちます」
■糖質を抑えることで午後の社員の眠気防止
また低糖質の食事で、従業員の健康維持に力を入れているという大阪市の会社「Rise UP」にお邪魔すると…。
【薄田キャスター】
「食事などがとれるフリ―スペースの片隅には、低糖質のお弁当が入っている冷蔵庫が設置されています、扉にはメニューが数種類掲載されているんですが、例えばこのチーズインハンバーグを食べる場合、ここでスマホ決済して中からお弁当を取り出します。そして電子レンジを使って、すぐに食べることができます」
カラーコンタクトレンズを取り扱っているこの会社では、朝から晩までいつでも好きな時に、低糖質の弁当が手軽に食べられます。
種類は8種類。
150人ほどいる従業員の約半数が利用しているということです。
【従業員】
「味もおいしいし、おなかにちゃんとたまるなっていうのはよかった点だと思っています」
【別の従業員】
「健康にかつ元気に働いてほしいなという会社の意思みたいなのを感じるので、僕としても非常にうれしいです」
この低糖質弁当を作っている会社は、企業で取り入れることで、あるメリットがあるといいます。
【resoot 石井要代表】
「眠くなりにくいということがあります。糖質をとりすぎてしまうと、血糖値が乱高下してしまうので。低糖質が血糖値の乱高下を防いで眠くならず、午後食べた後でも生産性が高い、あるいは仕事ができるっていうところは言われますね」
■定番の和菓子にも「低糖質」の流れ
【薄田キャスター】
「スーパーでおなじみのこちらのわらび餅、生産量日本一を誇る会社でも、ここ最近低糖質の和菓子に力を入れているんです」
2017年から販売している「福もち」という和菓子。
糖質の量を通常の半分以下の10gほどに抑えた上で、「アサイー」や「モリンガ」、「アマニ」など一般的な食品よりも栄養価が高いスーパーフードを練りこんでいます。
開発に2年をかけて作った低糖質の和菓子。
売り上げも右肩上がりで、大福のほかにもわらび餅や和風のプリンを販売しています。
【明日香食品 中野文子部長】
「和菓子の未来を考えた時に、やはり健康というキーワードは欠かせないと思いました。低糖質であっても、美味しさっていうのはこだわり続けながら、商品をもっともっと高めていきたいなと思います」
健康意識の高まりとともに、低糖質の食品はこんなにも広がっていました。
(カンテレ6月29日放送『報道ランナー』内「ヒットにワケあり!オカネのヒミツ」より)