子どもたちに笑顔を 3年ぶりの夏の風物詩「地蔵盆」 一度は途切れた伝統 80年祖父の代から「地蔵盆」を守り続けてきた男性の復活への思い 伝統を次の世代へ受け継ぐ 2022年08月30日
お地蔵さんを供養して子どもの成長を願うお祭り「地蔵盆」。
関西の夏の風物詩です。
大阪市北区豊崎の町に3年ぶりに帰ってきました。
お地蔵さんを管理するのは、この街で歯科医院を営む木村康裕さん(68)
祖父の代から引き継いで3代目になります。
【木村康裕さん】
「祖父が太平洋戦争の戦後、焼け野原になった自宅の近くでお地蔵さんが埋まっていて、それを掘り起こしてそれをお祀りしたのが初めなんです。前々から準備して一生懸命やっていた姿を見ているので、私もしないといけないなという思いでやっています」
伝統を継続する責任を感じて、地蔵盆を守り続けてきました。
ところが、2年前。新型コロナの影響で地蔵盆から子供たちの姿が消えました。
行われたのはお地蔵さんの供養だけ。
【木村康裕さん】
「80年で初めてです、この形は。残念ですけど仕方ないですね」
80年の伝統が途切れてしまいました。
【木村康裕さん】
「こんなん僕一人でできるから。ありがとう。全然大丈夫。気にせんといて」
そして迎えた今年は3年ぶりに制限のない夏。
今年の「地蔵盆」は子供たちを迎えて行うことが決まりました。
提灯には子どもの名前を入れて、健やかな成長を祈ります。
【木村康裕さん】
「やっぱり提灯いいですね。華やかで明るくて。子供の顔が浮かんできますよ。知っている子の提灯見たらね。子供の笑顔観る機会がなかったですもんね。みんなマスクしてるしね。笑顔がなかったなぁ」
一度は途切れた伝統が復活しました。
【訪れた人】
「前みたいな地蔵盆やなあって思います」
【訪れた人】
「懐かしい友達にも会えてなくてはならないようなお祭りです」
【木村康裕さん】
「最高ですねやっぱり子供の笑顔っていうのは。元気くれますよね。本当に嬉しいです。やってよかった」
時代を超えて子どもたちを見守ってきた地蔵盆。
また次の時代へ受け継がれていきます。