今回のテーマは「調味料」。
総務省の家計調査によれば、2人以上の世帯での1カ月当たりの支出金額が去年1年間で約1500円も増加しています。
好調の調味料市場の裏側にはどんなヒミツがあるのか、ヒットのワケを調べてきました。
おうちごはんに欠かせない調味料。
【街の声】
「家で料理する機会がぐっと増えたので調味料も今まで買わなかったものも手には取ったりします」
「すごい種類は増えていると思いますよ。アンチョビペーストとかパクチーとかもチューブでありますよね」
「コチュジャン、刻みわさび、ネギ塩とかね、スーパーとかでもいっぱいある」
なぜ今、調味料が人気なのでしょうか?
まずは街のスーパーでそのヒミツをチェックします!
(フレッシュマーケットアオイ 昭和町店)
【薄田ジュリアキャスター】
「大阪市内のスーパーに来ました。調味料コーナーを見てみるとさっそく見つけました」
「トマトの旨だれ、キュウリ、キャベツ野菜それぞれに合わせたタレが出ているんですね」
「スパイスコーナーもあります。種類ほんとに多いですよね、こんなにたくさん出ているんだ」
調味料といっても、醤油や味噌など基本的なものからソースやドレッシング、料理の素などジャンルも様々。
このスーパーでは2000種類以上を販売していて去年の売上は例年の2割ほど伸びたそうです。
売れ筋は、複数の調味料を混ぜ合わせた商品で、最近は、スパイスとハーブに塩などをブレンドした「シーズニング」と呼ばれる調味料も人気ということです。
【買い物客】
「やっぱりおひるごはんとか子供にパッと作るために結構重宝して使ってますね」
「何にしよかなって悩むときはここで見て、これにしようかなって思って材料を買うみたいにして使ってますけど」
『簡単・時短』をキーワードに、具材と一緒に合わせるだけという手軽さや「楽に献立を決められる」といったことなどが支持される理由のようです。
今どきの便利な調味料もありました!
【アオイサポート 内田寿仁社長】
「こちらはうどんにかけてレンジで温めるだけで本格的な肉すきうどんができるという商品」
【薄田キャスター】
「調味料がこの中に入ってるんですね、レンジで簡単って書いてます」
去年発売されたレンジ調理専用の調味料。
【薄田キャスター】
「こちらのスチーミーという商品、ジッパーのついた袋型になっていて液状の調味料しか入ってないんです」
用意するのは豚肉だけで、袋に入れて味が浸みこむよう揉みこみます。
後はレンジに入れて、およそ10分加熱し、5分蒸らすと…
【薄田キャスター】
「うわ、すごく良い色にお肉が出来上がってますよ」
わずか15分でチャーシューのできあがり。
【薄田キャスター】
「うん、おいしい!味もしみ込んでいて弱火でじっくり煮込んだような本格的なチャーシューです」
いま、メーカー各社は調味料開発に力を入れていてチューブ系の調味料はここ数年で定番以外の商品が急増!
【買い物客】
「えっ、すごい!らっきょう、福神漬け、こんなのあるんですか」
2017年以降、パクチーやネギ塩などといった“変わりダネ”を次々と開発しているエスビー食品は、ことし新たに4種類の商品を発売しています。
積極的に開発に乗り出すワケを尋ねてみると…
【エスビー食品 浜元美和広報担当マネージャー】
「お客様が新しいものとか便利なものをいち早く情報をキャッチしてご使用されるので、次々に新しいものを出さないと流れには乗れないかなというのもあるし、お客様がSNSに投稿していただいてってとこで拡大をしているのかなと思います」
そんなSNSを中心に、いま話題となっている調味料が関西にありました。
【インスタグラムの投稿】
「焼き鳥にほりにし!合う~!」
「何にかけても美味しい総合調味料。なかなか手に入らないらしい~」
こちらがおととしに登場した、アウトドアスパイスの「ほりにし」。
販売しているのは食品会社ではなく、和歌山県のアウトドアショップです。
【アウトドアショップ・オレンジ 堀西晃弘さん】
「(アウトドア好きの)SNS等を見ていると調味料・スパイスが話題になりつつあって、 アウトドアスパイスを作るといろんな人に喜んでもらえるんじゃないかと思って開発した」
アウトドアで手軽に使える調味料として、20種類以上のスパイスやハーブをブレンド。
「これ一つあれば、どんな食材にも合う」とSNSなどで評判を集め、アウトドア好き以外にも人気が広がっています。
【堀西さん】
「これだけを求めて店に買い物に来てくれたりキャンプ・アウトドアだけじゃなくて家庭にまで浸透していってくれていると思っています」
さらに調査を進めると“手軽で便利”ではないけれど、なぜか人気の調味料があるようで…
【薄田キャスター】
「京都府綾部市に来ております。緑豊かな場所にあるこの建物で、人気の調味料が作られているそうなんです」
「のれんには今しぼりと書かれています。お邪魔します。ここで何を作られているのですか?」
【今しぼり 多田晃社長】
「ここはお醤油を作っている会社です」
「この樽は仕込んでから3年ぐらい経つ」
「昔ながらのお醤油の作り方で、大豆と小麦から塩と麹菌だけで作っている醤油です」
醤油の製造・販売を手掛ける「今しぼり」。
聞けば、綾部市に移住した人たちが4年前に立ち上げた会社なのだそうで、昔ながらの製法にこだわった醤油の魅力を伝えています。
ひとたび百貨店のイベントを開けば大盛況!
去年からオンラインを中心に販売数が倍増していて海外からも注文があるそうです。
人気のヒミツとは何なのでしょうか?
【多田社長】
「うちは醤油も作っていますが、それぞれの消費者が自分の家でお醤油を作るキットを販売している」
「これがお醤油のキットです」
【薄田キャスター】
「育てる醤油って書いていますね」
こちらが看板商品の手作り醤油キット。
作り方は至ってシンプルで、袋から取り出した醤油麹を瓶に入れ、水を投入。
スプーンなどを使って定期的にかき混ぜながら熟成させていきます。
半年以上経ったら食べ頃だそうですよ。
【多田社長】
「醤油のしぼり器に袋がついているので(もろみを)入れてフタをして、こういうふうに絞って世界一新鮮なお醤油を味わう」
手作りキットで8か月熟成させた醤油の味は…
【薄田キャスター】
「優しいですね、見た目はそこまで色は濃くないですけど醤油になってます」
【多田社長】
「だんだんと味が変わって醤油の深みが増してくる」
商品にもなっている2年間熟成させた醤油はというと…
【薄田キャスター】
「うん、ずいぶんとまろやかになって甘みも増しましたね」
熟成の進み具合で変わる風味や味の違いを楽しめるのが魅力だといい、しぼり終えたもろみも食べることができるんです。
効率化が求められる時代の流れにあえて逆行することで新たな付加価値を生み出し、ヒットにつなげたのです!
【多田社長】
「調味料そのものに創意工夫を利かせて自分で作っていく。新しい世界が広がって面白いと思います」