関西で今、大きな注目を集めているスポットがあります。
それは兵庫県淡路島。
【観光客】「めっちゃいろいろあるやんみたいな感じで感動」
【観光客】「日本やけど日本じゃない」
【観光客】「住みたいもん!」
2020年7月に新しくできた淡路市のカモメスローホテルは、全16室でオーシャンビューを満喫できる景色が人気で平日にもかかわらず全て満室に。
【カモメスローホテル責任者・井上隆文さん】
「ゆっくり火を見ながら現実のストレスを癒していただくようなスペース。癒しを集めた空間ですね!」
さらに…
――Q:この辺一帯は何ができる予定なんですか?
【カモメスローホテル責任者・井上隆文さん】
「まずこちら側なんですけど、今年4月26日オープン予定でピクニックやバーベキューができる施設がオープンします。手前のほうにラーメン屋さんが夏ごろに。その木の奥側のほうに回転ずしがオープンします」
総合人材サービス「パソナグループ」も東京から淡路島に本社機能の移転を進めていて、4月入社する新入社員は原則、淡路島で勤務を行うと発表。
テーマパークや劇場なども次々とオープンし、今ノリにノっている淡路島。その魅力に迫ります!
【薄田キャスターリポート】
「これだけ自然豊かで人里離れた環境で、しかも平日のお昼間にも関わらず、行列ができてるんですよ」
【神戸から来た女性】
「来るのが遅くて1個しかなくて…」
【西宮市から来た女性】
「前回も売り切れていて、今回はあるかな?って来たらもう一回きょうも売り切れてました」
淡路市の山上にたたずむ「こぞら荘」。
2020年3月にオープンし、カフェ・雑貨・宿泊も楽しめる、複合施設です。
ここで販売される1日200個限定のマフィン(10種類)がとにかく大人気。
この日は開店から3時間足らずで完売しました。
オーナーは、生まれも育ちも淡路島の藤江麻有子さんです。
――Q:1年前にこれだけの行列ができることは予測していた?
【こぞら荘オーナー・藤江麻有子さん】
「いえ、想像よりはるかに超えています。まさかここまで、平日までこのような状況になるとは思ってもみませんでした」
近年、観光スポットとして大人気の淡路島。
去年、県が発表したデータによると、淡路島を訪れた観光客の数が約1260万人。10年前と比べて年間300万人以上増えています。
とくに2014年をきっかけに、観光客が急増しています。
一体何があったのでしょうか?
【こぞら荘オーナー・藤江麻有子さん】
「橋代、高速料金とか安くなったのが大きいと思います」
――Q:それもあって若い子たちも気軽に来れる?
「そうですね。本当に若い子たちすごく多いので」
2014年4月に明石海峡大橋を渡る高速料金が、700円値下げされたことで、海の向こうの淡路島が、より身近になりました。
2015年には、大阪市から淡路市に本社を移転した企業があります。
【薄田キャスターリポート】
「目の前が海ですよ。最高のロケーションじゃないですか。会社も広い!すごい解放的で、あれ真ん中にあるのって滑り台ですよね」
高速撹拌機のトップシェアを誇る、「プライミクス」。
古市尚会長はある思いで本社の移転を決めたといいます。
――Q:本社を淡路島にした一番の決め手は?
【プライミクス・古市尚会長】
「働き方が今後変わっていくと思うんですよね。遊びの中に仕事があるみたいな感じでONとOFFを切り替えて、自分の趣味を大切にして、働くときは集中して一生懸命働くというようになるんじゃないかな」
東京ドーム1個分の敷地には、本社の他にバーベキュー施設や、フットサルコート。
社員寮には、ゴルフ練習場やビリヤート場などもあり、社員は自由に利用できます。
――Q:これは会長の趣味ですか?
【プライミクス・古市尚会長】
「いやいや趣味じゃなくて社員のためを考えております」
本社の移転から6年。
社員約130人のうち、6割が淡路島に住み、そのうち39人が社員寮で暮らしているそうです。
【プライミクス・古市尚会長】
「(会社の運営は)やっぱり行政の協力なしにはできないので。(明石海峡を渡る高速料金も)会社所有の車に関しては淡路市が多少補助してくれていますので、そのへんは還元していただいています」
淡路市では、2008年から積極的に企業誘致を実施。
企業は一定の条件を満たせば、助成金をもらえるほか、税制の優遇なども受けられます。
さらに神戸に近い立地や交通の利便性がよいこともあり、税収も右肩上がりです。
【淡路市・門康彦市長】
「企業誘致。市外から24社。(雇用も増え)税収がどんどん入ってくるというそれが今、じんわり響いているとうことに尽きるのではないか」
淡路島が発展したワケは他にも…
淡路市で農業を営む森靖一さん。
東京などで証券マンとして働いていましたが、モノづくりへの憧れから8年前に脱サラし、元々農業が盛んな淡路島に移住してきました。
【森農園・森靖一さん】
「都市部から近いところ。例えば野菜を作って売っていくということを考えても、それなりに距離が近いほうが持って行きやすいでしょうし…」
そして近年、飲食店が続々と開業し、地産地消への取り組みが増えたことで、大きな変化が生まれました。
【森農園・森靖一さん】
「(出荷の)98%とかほぼほぼ島外だったんですけど、(去年)4月だと半分ぐらいは島内だったりとか近場になった。実際にウチの農場から5分くらいのレストランだと、ウチで朝収穫したものがランチに出るとか。これは都市部とは違う、淡路島に来て食べるメリットだと思います」
企業が続々と進出したことで雇用が増え、おいしい食と自然を求めて観光客も増える。
この好循環がいまの淡路島人気につながっています。
そんな中、自分たちの夢を叶えようとしている人がいます。
去年、キャンプ場を開くために3000坪、400万円の山を夫婦で購入した三久保志緒里さん。
大阪・箕面市から週2、3回通い、山を開拓しています。
去年9月に私が訪れた際は、キャンプ場ができるには程遠い印象でしたがあれから半年。
現地は一体どうなっているのでしょうか?
【薄田ジュリアリポート】
「ショベルカーですか?この間お会いした時はチェーンソー使ってましたけど、次これですか?」
【三久保さん】
「これ乗っています。今、整地しています」
三久保さんが設計したキャンプ場予定地で見ても、2020年9月の前回取材時と比べ、倍以上の面積を開拓。
休憩用のテントを張ったり、手作り感満載の機材小屋まで作っていました。
【三久保志諸里さん】
「前の職場の人とかから(報道ランナー)見たよーって連絡があって、手伝いに行くよって何度か連絡いただいたんですけど、メールとか電話とか。誰一人来てない」
週末には、夫の洋(ひろし)さんと一緒に作業をしていて、二人三脚で歩む夢のキャンプ場は、来年春のプレオープンを目指しています。
益々、魅力的な島に変貌を遂げる「淡路島」
【淡路島で生まれ育った・藤江麻有子さん】
「私たちが学生の時とかは淡路島に住んでるっていうとちょっと恥ずかしいというか田舎者みたいなイメージが自分たちにはあったんですけど。今は、堂々と淡路島に住んでいますといえるくらい魅力的な島だと思います」