原作を彷彿させる蒸気機関車が走る京都鉄道博物館。
アニメ「鬼滅の刃」とのコラボレーションでいま京都の街をアツく盛り上げています!
【京都鉄道博物館 総務企画課 久保都さん】
「いつもはみられないお客様にお越しいただいてイベントを通して鉄道に興味を持っていただけたのかなという実感はあります」
そしてコラボといえば、ホームセンターと書店がタッグを組んだ新業態の店や…
ユニクロが世界のアーティストとコラボしたTシャツも話題に!
さらにコンビニなどの売り場では次々と新しいコラボ商品が登場しています!
多様化するコラボビジネス、その裏側に迫ります!
大阪市内の人気ラーメン店。開店前の店内で行われていたのは…
【ローソン近畿商品部・真野あかねさん】
「鰹の風味というのを前回ご指摘いただきましたのでそこを改良したものになります」
大手コンビニチェーンのローソンとコラボした新商品の最終チェックです。
【人類みな麺類・松本貴大さん】
「かなりコシが出ましたね。小麦の風味も出ていてかなりおいしいです」
【真野さん】
「ありがとうございます」
いまコンビニ各社が力を入れるコラボ商品。
ローソンも積極的に企画・販売を行っています。
【薄田ジュリアキャスター】
「おにぎりコーナーだけ見てみても、醤油メーカーに串カツ店、あの人気アニメもあります」
ほかにも、コラボラーメンやスイーツなど、すべてローソンでしか買うことのできない限定商品です。
その売れ行きは好調のようで…
【ローソン プロモーション部近畿担当 堀部真弓さん】
「一番は鬼滅の刃ですね。100種類ほど商品を出していますので」
――Q:それだけコラボしたらやっぱり儲かった?
「あの…100億円ほど突破しておりまして… すごくあの…すごい商品です」
コンビニならではのコラボ戦略!企業も利用者もお得なんです!
いまローソンが最も力を入れているのは外食産業とのコラボ商品。
現在60社以上との企画が進められていて、そこにはコンビニの強みを生かした戦略がありました。
【ローソン 堀部さん】
「コンビニの強みは身近にあるというところと、販売する規模が大きい。コラボ先とも相性がいいといいますかメリットは両方にあると思います」
そう、コンビニは全国に店舗を展開しているため、飲食店側にとって、コラボすることでの宣伝効果は魅力的!
利用者も気軽に名店の味を楽しめ、コンビニ側も新たな価値を提供できるなどそれぞれにメリットがあるんです!
この日、コラボ商品の発売日を迎えたあのラーメン店も大きな魅力を感じています。
【人類みな麺類 松村さん】
「店舗以外に苦労している分、ウーバーイーツとかデリバリーに力入れている中でさらに別路線としてコンビニで発売していただくというのはすごくありがたい」
お互いにメリットのあるコラボビジネスについて経済の専門家は…
【りそな総合研究所 荒木秀之主席研究員】
「近年の傾向として自社だけでなんとかしようという状況ではなくなっている。他社のノウハウをうまく使って成長していこうという機運は高まっているのでコラボが増えている」
こうした中、京都の酒造メーカーでは…
【月桂冠 営業副本部長 大倉泰治さん】
「今回こちらの蒸留器でジンを作りました。我々和酒のメーカーなのですが、洋酒を作られるメーカーさんと共同で」
――Q:アルコール業界ではライバルってこと?
「広い意味でライバルだと思います」
ライバル同士が異例のコラボ!?利益以上の価値も
去年9月に発売された蒸留酒のジン。その原料に使われたのが…
【薄田キャスター】
「(ジンを飲んで)分かった!ビール、分かります。口に含むとより感じますね、ホップ分かります」
開発のきっかけは、新型コロナの影響で廃棄することになったビールを有効活用したいというメーカーからの要望でした。
ジンの蒸留技術を持つベンチャー企業が月桂冠に製造のノウハウを提供。
3社によるコラボから、生き返らせるという意味の「リバイブ」と名付けられた特別なジンが誕生しました。
【エシカル・スピリッツ 山本祐也社長】(月桂冠にジンの蒸留ノウハウを提供)
「ただお酒を造りましたよじゃなくて、ビールとしての文脈、前世の記憶も味に入っていくというのを目指して設計した」
【月桂冠 大倉さん】(ビール由来のジンの製造を担当)
「日本酒の枠にとらわれてしまうのは良くも悪くも日本酒の企業としての限界はある。新しい価値を提供できるような取り組みを進めたい」
ところで…
【薄田キャスター】
「いまではこんなに作られているコラボカップ麺。当たり前のように目にするようになりましたけど、どうやって作られているか気になりませんか」
やって来たのは、大阪の人気メーカーのエースコック。
これまで数々のコラボ商品を手掛け、去年だけでも約20種類商品化されています。
今回、特別に開発現場にお邪魔させていただきました。
名店の味を再現! コラボカップ麺の裏側とは?
こちらはコラボする相手を決める企画班の皆さん。
インターネットや雑誌などを使い、味のトレンドや各地の人気店など全国のお店を徹底リサーチ!
いざ候補が決まったら次はお店との交渉です
【エースコック マーケティング部 竹林雅史さん】
「基本的には直接お店に行って、いきなり店主さんに飛び込みで交渉します。お客のていで行きますので、普通に食べて、清算する時に『実はこういうものなんですが』って素性を明かしまして『カップ麺興味ありませんか』というような感じで話をしていきます」
とはいっても、断られることもしばしば。
ライバルメーカーに先を越されていたり、職人気質のオーナーにまともな交渉もさせてもらえず一蹴されることもあるそうです。
そして、商品化で最も大変なのが…。
【エースコック 竹林さん】
「1番はやっぱり味づくりのところですね。職人気質の方多いですし、お店の看板を貸すっていうところがありますので安易にOKはもらえませんので」
そんな責任重大な役割を務めるのが開発班。スープづくりを統括している大西さんによると…
【エースコック 専任研究員 大西広泰さん】
「実際はレシピとかをいただいて作っていくというわけではなくて、実際にお店の方に食べに行って、食べた味っていうのを舌で覚えてカップラーメンに落とし込む」
有名店のレシピは門外不出のことが多く、スープなどに使われる材料は自分の舌を頼りに割り出さないといけません。
開発室には様々なスープの原材料が保管されていて、その数約1000種類!これらを調合して店の味を再現していくんです!
【エースコック 大西さん】
「例えば鰹だけで50種類ぐらいあったりします、この原料がどういう味なのか、どういう特徴を持っているのか全部覚えておかないと、実際にお店の味を再現するっていうのはできないので」
店側も当然、味に妥協はしてくれません。
納得してもらえるまで何度も作り続け、1年以上かかることもあるそうです。
【エースコック 大西さん】
「やっぱり自分がこうじゃないかなって思った味が店主さんに受け入れられてOKもらったり、実際にそれが商品化でお店に並んだりとなるとうれしいです」
名店の味を気軽に味わえるのも、開発者の努力と苦労があってこそなんですね。