寒さが増すにつれ食べたくなるのが、ほっこり甘~い「焼き芋」!
最近、スーパーなど身近な店でもよく見かけるようになりましたよね。
【ライフ セントラルスクエア西宮原店 瀬戸怜士さん】
「年々人気が高まってきて去年の1.3倍くらいの売り上げになっていて右肩上がり」
大手コンビニエンスストアでも全店舗合わせて一日1万本以上も売れるほど、いま焼き芋が大人気!
【女性】
「この時期になると求めちゃうのでお芋を」
【女性】
「めちゃくちゃ口の中が幸せ」
街では専門店が続々とオープンし、新たな品種もどんどん増え、味も見た目も進化しているんです!
国もサツマイモの品種改良に力を注ぎ、宇宙分野からも期待が!
世界にも広がる焼き芋ブーム、その魅力に迫ります!
京都市内の住宅街にやってきた、昔ながらの移動販売の焼き芋店。
石焼きでじっくり焼き上げていて、一日に50本ほど売れるといいます。
【女性客】
「ここのは特においしい。蜜がバァっと出て、もちろん甘い」
昔懐かしい引き売りもイマドキのスタイルに…
【移動する竹村商店 竹村知紘さん】
「ツイッターで場所を更新していて、こういうルートを通ると事前に告知しておくんです」
場所を変えるごとにSNSを使って居場所をリアルタイムで発信し集客しているんです。
【ツイッターで注文した男性】
「偶然出会うというのが移動販売の楽しさでもあるんですけどツイッターで呼べたり動きが分かるのも今の時代的におもしろい」
そう、時代とともに焼き芋は進化しています。
専門店が続々オープン!インスタ映えも…進化系“焼き芋スイーツ”
やってきたのは、神戸市兵庫区に本店を構える人気の焼き芋店。
実は、ことし初めて開催された「全国やきいもグランプリ」で見事、日本一に選ばれたんです!
【神戸芋屋 志のもと 代表・野元篤志さん】
「シルクスイートっていうのが、やきいもグランプリで日本一に」
【薄田ジュリアキャスター】
「この濡れているのはなんですか?」
【野元さん】
「これは芋の蜜ですね」
【薄田キャスター】
「蜜が漏れ出している
そんなに甘いんですか?」
「いやぁ、めちゃめちゃおいしそう」
日本一の味はというと…
【薄田キャスター】
「なにこれ。すっと口の中で溶けていきましたよ。甘いし、全体に蜜がいきわたって。すでに裏ごししてる状態の感じですね」
その糖度はあんこに匹敵する甘さで、まさに天然のスイーツです。
最近は、サツマイモの品種も増えていて、味も大きく3つのジャンルに分けられるそうで…。
昔ながらの素朴な味わいの「ホクホク系」に…水分が多くなめらかな触感の「しっとり系」。
そして、粘り気のある触感と濃厚な甘みが特徴の「ねっとり系」がいまトレンドなのだそう。
また素材の味を引き立てるためのヒミツも…
【野元さん】
「(サツマイモは)基本熟成させた方が甘くなるんで。収穫してから蔵とかで熟成して甘くなっていく、食感と甘さが全然違います」
さらに、蜜を焦がさないよう低温でじっくり焼き上げることで皮まで美味しい焼き芋に仕上がるそうです。
こだわりの焼き芋を出す専門店は大阪でも増えていて、先月オープンしたのは、珍しい壺焼きスタイルのお店!
【すいもあま芋 マネージャー・水倉弘貴さん】
「一度オーブンで焼かせていただいて、一番焼き芋が甘いと感じられる70℃で保つためにもう一度ツボに入れて保温している」
オーブンと壺でじっくり2度焼きすることで、より甘く、ねっとりとした触感になるのだとか。
一方、10月にオープンしたこちらのお店は…
【浪漫焼き芋 芋の巣 店長・久野聖佳さん】
「当店の特徴としてはバターやチーズ、あんこなどいろんなトッピングを楽しんでいただいてます」
インスタ映えするオシャレスイーツとしても人気の“創作焼き芋”。
中には意外なトッピングも…
【薄田キャスター】
「焼き芋の上にとろーりチーズがかかってます。おいしい!チーズの塩気とハチミツの甘さが、焼き芋にこんなに合うんですね」
盛り上がりをみせる焼き芋ブーム。
その人気は意外なところまで広がりを見せています。
【薄田キャスター】
「ここ数年のブームの火付け役と言われているのがディスカウントストアのドン・キホーテです」
10年ほど前から店頭での販売を始め、全国展開へ。
手頃な値段で味わえると人気を集めています。
【MEGAドン・キホーテ深江橋店 上妻未明さん】
「日本の焼き芋は蜜がたっぷりで甘いのが特徴なので、どこの国でも好評です」
実は、3年前に海外の店舗で販売したところ、シンガポールを中心に大ヒット!
連日、長蛇の列ができるほど大盛況に。
そんな中、今年初めの国会では…
【安倍晋三首相(当時)】(今年1月 施政方針演説)
「甘い紅はるかはシンガポールやタイで大人気です。サツマイモの輸出は昨年4割以上増加しました。世界への挑戦を力強く後押しする」
サツマイモに国が熱視線! “宇宙での栽培”にJAXAも期待!
話を聞いたのは、農学博士の山川理さん。
農林水産省管轄の農研機構で「紅はるか」など数々の品種開発に携わってきたサツマイモ研究の第一人者です。
【農学博士・山川理さん】
「サツマイモは食料だけじゃなくてアルコール原料などいろんなものに使われている非常に戦略的な作物なんです。野菜の中で国が主導的に品種改良しているのはサツマイモくらいです」
山川さんによれば、サツマイモは栄養面に優れるだけでなく、大量生産が可能でエネルギー資源としても注目されているスーパーフードなのだとか。
国内では200ほどの品種があるそうですが、そのほとんどを国が開発してきたといいます。
【山川さん】
「毎年1億円投入しないと品種は作れない。しかも品種になるのは10年に1個。10億円かけて1品種しかできない」
そんなサツマイモの活躍の場は、いまや宇宙にまで!
大阪府立大学の北宅善昭教授はJAXAと共同で「サツマイモの宇宙栽培」を研究しています。
【大阪府立大学・北宅善昭教授】
「(サツマイモは)植物が育ちにくい条件でも成長できるというか生き延びることができる植物ですね」
人が月面や火星で長期間滞在する計画において、重要となってくるのが食糧の確保。
そこで、サツマイモのどんな環境でもすくすく育つ成長力に注目し、宇宙空間での自給自足を目指しているそうです。
【北宅教授】
「サツマイモはおそらく最初に食料として、宇宙で作られる作物の第一候補だと思います。本学では(地上での)植物工場の研究を進めていますが、その先には宇宙での植物工場というのも視野に入れています」
【薄田キャスター】
「いつか宇宙で焼き芋が食べられる日は来るんでしょうか?」
【北宅教授】
「それは来ると思いますし、宇宙ではぜいたく品ではありますが当然それを目指した生産システムを作っていかないといけない」