10月1日、酒税法が改正され、アルコール市場の競争が一層、激しくなる中…
好調なのが、「ノンアルコール飲料」です。
【女性】
「結構飲みます!」
【女性】
「飲みます!健康のためには…」
右肩上がりのノンアルコール飲料市場。
去年の出荷量は12年前と比べて約20倍で、今年も、さらなる増加が見込まれています。
一方でこんな意見も…
【女性】
「あんまり飲まないですね」
【男性】
「味に違和感があるというか…」
【女性】
「物足りないかなっていうイメージ」
そんな人たちにとっても、思わず知っトクなノンアルコール飲料が続々と登場!
アルコール0%でも、飲んだ気になれる!「ノンアルコール」の新しい世界に迫ります!
【薄田ジュリアキャスター】
「兵庫県西宮市のスーパーマーケットに来ています。ノンアルコール飲料の需要の高まりを受けて、こちらのスーパーでは売り場を拡大したそうです」
コープこうべでは、26品目のノンアルコール飲料を取り扱っていて、売り上げも前の年と比べ、115%と好調だといいます。
なぜ今、「ノンアルコール飲料」が、注目されているのでしょうか?
【サントリー・プレミアム戦略部・畑中和也さん】
「ことし特にコロナ以降というところで…健康面を意識してノンアルコール飲料を選ぶという方が増えていることが大きな要因じゃないか」
――Q:ノンアル市場がとくにことし盛り上がってきている感じはある?
「あります。今年に入って9月まででいうとこれまで以上に市場が伸長しています。まだまだ成長が見込めるカテゴリーとして私どもはノンアルコール飲料にも力を入れています」
ノンアル需要に応えるため、新たな戦略を打ち出すところも…
訪れたのは、京都のど真ん中、河原町。
【薄田ジュリアキャスター】
「京都河原町駅からも烏丸駅からも徒歩5分。非常に立地のいいこの建物。1階には有名アパレルブランドがはいっているんですが、その2階、こちらのガラス張りの開放的なお店。そのままノンアルコールバーです」
今年7月にオープンしたノンアルコール専門のバーでは、100種類以上のメニューが用意されています。
【店員】
「お待たせしました。ジントニックでございます」
【薄田】
「あーお酒っぽい!アルコールが入ってる気がしますもん」
【客】
「飲みやすい。(普通のカクテルと)あまり変わらない」
【客】
「雰囲気酔いする感じですね」
見た目や味はもちろん、「バー」で飲むという雰囲気でほろ酔い気分に。
京都の中心部とあって家賃は月約37万円。
売り上げのほとんどは、家賃でなくなってしまうということですが…、オーナーは先を見据えての投資だと言います。
――Q:勝算は感じてますか?
【ノンアルコールバー・澤谷祐季オーナー】
「そうですね。もちろん需要は絶対にある。できればノンアルコールバーというジャンル自体がブームになってほしいと思っていまして、そのブームの火付け役といったらえらそうですけど、すこし自分が担えるような形になったときに初めて採算がとれるのかな」
また大阪・梅田の「バー華」では、コロナの影響で休業している間に、新たな客を獲得しようと、驚きのノンアルカクテルを考案していました。
【薄田ジュリアキャスター】
「わぁ~シャボン玉ですねこれは。コップに乗せて…かわいい」
パイナップルの果肉やココナッツミルクなどを混ぜ合わせたカクテルの上に乗せたのは、はちみつ味のシャボン玉。さらに…
シャボン玉を割るとスモモの香りが嗅覚をくすぐる仕掛けになっています。
【薄田】
「いろんな種類が混ざって新たなジャンルの飲み物に格上げされている。おいしい。すごくおいしい」
【バー華・岡村耕一オーナー】
「バーって入ると良いトコロなんですよ。お酒離れ、バー離れが進んでいる中で、バーに来てお酒を飲まない人もノンアルコールのああいう世界観を体験してもらって、バー面白いよね、チャレンジしてみようかなとか、そういう方が増えればなという思いがあって…」
大企業も動き出しています。
マヨネーズでおなじみのキューピーは、酒のような味わいを求めて、「お酢」を使ったビネガードリンクを発売。
今年7月から2カ月間の限定販売でしたが、好評だったため、来年5月までの延長を決めました。
食酢の最大手「ミツカン」も今年2月に新たなビネガードリンクを発売。
さらにお酢を使って、飲食店などと協力し、新たなノンアルコールカクテルを誕生させました!
新たなカクテル誕生のきっかけを作ったのがイタリア料理店の店主・松田さんとフードジャーナリストの曽我さんです。
【イタリア料理・アリオリオ・松田朗さん】
「去年、友達が何人か病気したりすると、『飲めない、しゃーない、コーラでええわ』ってなるんですけど、そんな時でも満足いけるものが出せたらいいなとずっと考えていた話で。(ことし1月に)曽我さんどうだろうか?ってぼやっとふって」
【フードジャーナリスト・曽我和弘さん】
「僕は元々ノンアルコールがこの何年かで流行するだろうなと思っていたんで」「アルコールに代わるものが(同じ発酵食品である)『お酢』にあるんじゃないかということで…」
松田さんの思い付きから曽我さんは、ミツカンに加え、大学生や料理学校の副校長、バーテンダーにレシピ作りの協力を依頼。
数ヵ月間に及ぶ試行錯誤の末、リンゴ黒酢や白ワインビネガーなどをベースに、21種類のノンアルカクテルが誕生しました。
そのうち16種類を監修したのは、バーテンダーの森﨑さんです。
【サヴォイ オマージュ・森﨑和哉さん(43)】
「お酢をメインにやってほしいやけど」って言われて、『お酢』をメインってちょっとクセ強いなと思って…。ちょうどその頃に、緊急事態宣言もあったんで、これは腰を据えてこれが仕事やろなと。トコトンやろうと思って、店に来ては、お酢まみれの日々を…」
ノンアルコールでも、まるでアルコールが入っているかのように作れるかが、バーテンダーとしての腕の見せどころ。
実際にヨーグルト黒酢をベースとした新カクテルをアルコールあり・なしで飲み比べました!
【森﨑さん】
「お待たせしました」
【薄田キャスター】
「うわぁ、見た目ではわからないですね!真剣勝負ですよ」
【森﨑さん】
「こちらもプライドを賭けて…お酒はウォッカを入れました。片方(アルコール度数)5%。片方0%」
【薄田キャスター】
「待って、全然わからない。これで間違った私、今後、食リポした時、『お前ウソだろ!』って思われる」
約6分間。感覚を研ぎ澄ませて、導き出したのは…
【薄田キャスター】
「ノンアルコールはこっち」
【森﨑さん】
「正解です」
【薄田キャスター】
「よかった。正直なところ・・・90%勘です」
このお酢のノンアルカクテルは、9月から京阪神の飲食店45店舗で一斉提供されています。
【サヴォイ オマージュ・森﨑和哉さん(43)】
バーの雰囲気があって目の前にバーテンバーがいて、ダジャレでも粋な話でもいいですよ。そういうのを聞きながら飲んでたら、お酒が入ってなくても酔わせたいですよね。それがバー魅力だと思います」