大阪市西区の展覧会に並ぶ、自由自在に作られた作品。
突然、壁にチョークで絵を描きだしました。
【黒田征太郎さん(81)】
「みなさん退屈でしょうから」
実はこの人が作品を生んだイラストレーター、黒田征太郎さん(81)です。
【黒田さん】
「ごみ貼ったら絵になってしまった」
【黒田さん】
「捨てたらごみだけど違う見方ができるんじゃないかと。子供達に見てほしい」
大阪・ミナミのアメリカ村にも象徴的な壁画があります。
日本や世界を巡り、個性的な作品でインパクトを与えてきました。
大阪をイメージした、「浪花(なにわ)・火の鳥」です。
【黒田さん】
「『にぎやか』が大阪だと思う。『花』にしました」
「鳥って越えていけるでしょ。国境とか関係なく。そういう象徴であればいいな。」
大阪で生まれ育った黒田さん。
日常が大きく変わってしまった子供たちに、あるプレゼントをしました。
【先生】
「黒田征太郎さんの絵に色をつけていきます。自分が塗りたいように塗っていきましょう」
黒田さんが描いたユニークな生き物たち。
【小学1年生】
「まだ考えてる。やっぱり青がいいな」
「自然っぽい色に仕上げたい」
子どもたちは思い思いに色をつけていきます。
「できた~!」
完成した塗り絵が、黒田さんに届きました。
【黒田さん】
「嬉しいよ。1年生?塗り絵が1個あるだけで子供と81のじいさんとの距離が早く縮まる」
「コロナ以降、家から出られない人とか閉じ込められたように暮らしていくこどもたちに何かできないかなと。塗り絵っていうのがあると思って。」
「絵」は自分の気持ちを解放してくれるもの―。
大阪メトロ・阿波座駅
この日、地下鉄の駅に現れた黒田さん。
塗り絵が駅の通路に展示されることになったのです。
設置される作品をみた黒田さん。
長い間、使われずに放置されていた駅の掲示板に絵を描き始めました。
【黒田さん】
「(子供たちは)自分に嘘ついていないと。それをすごく感じた。やりやがったなぁと。だからここに僕もいるんですよ、負けてたまるかい!と。」
「一生懸命は人によって違うけど、大事にして生きたら意外とおもろいでと。手が汚れていても、いつかとれるものですからね。あんまり考えすぎない方がいいんじゃないかな。」
なんだか、窮屈な毎日だけど、こんな時だからこそ、自由になってみようよ!
黒田さんの作品は、語りかけます。