緊急事態宣言は解除されましたが、3密を回避することなど、「新しい生活様式」への対応が求められている今。
【薄田ジュリア】
「感染の拡大を防ぎながら、どのようにこれまで通りのサービスを提供するのか…。様々な施設やお店が工夫しながらリスタートしています」
大阪市平野区にある開業から18年の銭湯にも、ある変化が…。
【新時代の銭湯!?当たり前を見直しました】
こちらで課題となったのは、番台での接客でした。
【入船温泉・大坪学店長】
「コンビニとかシートでやってますけど、それじゃぁ面白くないなぁと思って。ちょっとやってみようかなっていう感じで…」
それが…
【入船温泉・大坪学店長】
「こんにちは~いらっしゃいませ~券売機で入浴券のほうをご購入して頂きたいので、大人は420円でお願いします」
感染リスクを抑えるため『オンライン番台』を導入したのです。
【若い女性2人組】
「こんにちは~…すげ~」
「券を買って頂きましたら、テレビの前の丸いカメラに向かって券を見せてください」
「丸いカメラ…これか」
「これ!?(笑)」
【年配の常連客】
「モタモタしてたけど、初めはね。慣れたら便利えぇなぁ」
【年配の常連客】
「戸惑ったよ最初。早く元に戻ってほしいと思う。親しみが違うしね」
大坪さんはオンライン番台を導入したことで、客とのふれあいの重要性に改めて気付かされたといいます。
【入船温泉・大坪学店長】
「良い気づきになったと思います。今まで当たり前だったものの価値を、もう一回見直すという意味では町の銭湯で触れ合うっていうのは、すごくいいことだと思うので、その部分では未来は明るいんじゃないかなと、僕は希望を持っています」
ところ変わって、大阪・梅田にはまさに新時代の居酒屋が誕生しました!
【“接触しない”がおもてなし!?一人でも楽しい居酒屋誕生】
【お店のスタッフ】
「こんにちは~」
【薄田ジュリア】
「いきなりモニター越しの対応なんですね」
お出迎えはこちらも『オンライン』で。
これが人との接触を極力減らす『新・おもてなし』です。
【オンラインの女性スタッフ】
「キチリでは厚生労働省の新しい生活様式に基づいた新居酒屋様式にて、営業を行っています。お客様から見て右側にございます、トンネルのご説明をさせて頂きます」
【薄田ジュリア】
「トンネル??ミスト状のものが出てますね!」
ウイルスが店内に持ち込まれないよう、店の入り口に設置した次亜塩素酸水のミストで、まずは全身を除菌してもらいます。もちろん客席での対策も徹底。
全てのグループ席には飛沫を防ぐ遮へい板を用意ました。
――Q:乾杯する時はどうしたらいい?
【きちりホールディングス・岸本祐樹関西エリア部長】
「そうですね。乾杯したい気持ちを表現してしていただければ。ゼスチャーとかで…」
メニューはQRコードを自分のスマホで読み取って注文。
料理はカバーをして運ばれた上、席から少し離れた場所に“置き配”する仕組みになっています。
そしてこんな部屋も…
実はこちらは一人でも飲み会気分を味わうことができるオンライン飲み会専用の部屋。タブレットも無料で借りられるんですが、さらに…
――Q:これはなんですか?この輪っかは?
「これは女優ライトといいまして、映りが明るくなるというライトです」
【薄田ジュリア】
「えぇ~顔を照らしてくれるんですか?」
【スタッフ】
「照らします」
ニーズを先取りしているはずと担当者は意気込みます。
【きちりホールディングス・岸本祐樹 関西エリア部長】
「だいたい300万円弱かけて、こういった設備の投資をしております。今までの既成概念にとらわれず、新しい取り組みをすることで、お客様も気づかれなかったような楽しい取り組みとか発見があるのではないか」
一方、こちらも再開に向けて動き出しました。
ミニシアター、シネ・ヌーヴォ。先月9日から休館を余儀なくされてきました。
――Q:休館の間はどうでしたか?
【シネ・ヌーヴォ・山﨑紀子支配人】
「収入が全くなくなるっていう状況ですよね。本当に恐怖でしたね」
この1ヵ月半、とにかく無我夢中だったという支配人の山﨑さん。
6月1日からの営業再開を目指し、受付には遮へいシートを手作りで設置しました。
また換気のため上映中も扉を開けたままにするなど、映画館としてはギリギリの対策を迫られています。
【シネ・ヌーヴォ・山﨑紀子支配人】
「ここが場内です」
――Q:中にはどんな工夫が?
「入場者数を減らすということで、イスをもう実際に座れないようにひとつ飛ばして外しました」
――Q:例えばカップルで来た場合は…?
「ちょっと申し訳ないですけど…離れてくださいと…」
外した座席は、再び設置できる日のため別の場所で保管されています。
しかし、毎月の固定費だけでも約210万円。収入も途絶え経営はピンチに。そんなとき…
【シネ・ヌーヴォ・山﨑紀子支配人】
「涙が出てくることもありますね。皆さんに支えられて再開に動けるって…何ともいえない」
【映画の灯を絶やすな!ミニシアターの奇跡】
きっかけは、このTシャツでした。同じ境遇の映画館が苦境を乗り越える足しになればと、関西の13館が共同でTシャツを作り、支援を募ったのです。
すると…
――Q:どれくらい集まった?
【シネ・ヌーヴォ・山﨑紀子支配人】
「(1万3000枚超の)Tシャツの売り上げと寄付金合わせて、約5400万円集まりました。これは13館で均等分割したら、1館280万円ほどが支援金として各劇場に入ります。最初は500枚くらいかなって思ってたんですね。売れ続けて本当にありがたいです」
――Q:そのお金は何に充てた?
「家賃とか、(配給会社に)映画料の支払いとか、スタッフのお給料に。本当に助かりました」
発案から商品化までわずか3日。限定1週間の販売で集まった資金が、関西の小さな映画館を助けたのです。このプロジェクトの中心となった、京都みなみ会館の館長は…
【支援Tシャツの発案者・京都みなみ会館・吉田由利香館長】
「映画を見ることは、生活維持に絶対に大切かというとそうではないんですけど…。寂しい気持ちになったりとか、悩みを抱えているときに出会った映画に、たまたま救われることとかもありますので。そういう体験が今回のコロナによって多く無くなってしまうというのはどうにか避けないといけないというのは、みんな熱く語ってました」
関西のミニシアターと映画ファンの思い。
「映画の灯を絶やしてはいけない-」
【シネ・ヌーヴォ・山﨑紀子支配人】
「映画館を守り続けたいっていう思いと、お客さんにたくさんの映画を届けて、人生が豊かになるような映画を上映し続けたいなと思います」