地域の医療を支える病院で突然下された「コロナ専用病院」の決定。
患者や現場は混乱の中、対応に追われています。
約130人の患者が「転院先」を探すことに…
【松井一郎市長】(4月14日)
「中等症患者の行き場所が非常に切迫している。1つの病棟が空いたら、段階的に入れていきます」
4月14日、大阪市の松井市長の口から突然飛び出したのは、大阪市淀川区の十三市民病院を、酸素吸入などが必要な中等症の患者専用の病院にするという決定。
これを受け、病院では4月16日から初診や救急を中止にするなど混乱が…
院長をはじめ職員は、現在入院している約130人の転院先を探す手続きに追われています。
【十三市民病院の会見】(4月17日)
「紹介状を全ての患者に書かせていただく。患者と連絡をとってその調整をしていきたい」
出産間近で「転院」を迫られた女性も…
【出産予定日間近の女性】
「(予定日が)10日後なんですけど、違う病院に移ってほしいって言われて。どうしたらいいかわからんし、どうしようかなっていう気持ちが一番大きいです」
10日後に出産を予定している女性(20)は転院先として紹介された病院に電話をしましたが、繋がらなかったため、直接病院へ行くことに…
3時間以上をかけて再び検診を受けることになり、ようやく分娩の予約がとれました。
【出産予定日間近の女性】
「(出産)ぎりぎりになっても自分で(手続きを)やらなあかんのやなって思った」
転院にかかる費用などは大阪市が負担の方向
【松井一郎市長】
「十三市民病院のご利用の方には心配かけて申し訳ない思い。行き場所をなくすことは絶対にしない」
大阪市は転院調整を応援するためのチームを新設し、転院にかかる費用や本来かかる費用との差額は、市で負担するということで、すでに支払った患者には、領収書で精算する方針を示しています。
翻弄される新型コロナウィルス以外の患者にも、丁寧なケアが求められます。