去年、環境や気候変動に関する会議に参加するため、アメリカを訪れていた小泉進次郎・環境大臣。
そこでの〝何気な~い発言″が波紋を呼びました。
【小泉進次郎・環境相】
「ステーキ。やっぱりステーキ食べたいですね。毎日でも食べたいね」
何が問題なの?と思う方もいるかもしれませんが…肉牛を育てることでかかる環境への負荷が、今、海外では、問題視されていて、環境大臣の発言として、どうなのか?と批判する声があがったのです。
こうした中、「環境に優しい」として今注目を浴びている肉があるんです。
それが…「植物肉」。
動物の肉を使わず、植物由来の原材料から作る「新しい肉」として、世界はもちろん、日本の食品メーカーも次々と開発に乗り出しています。
【植物肉を食べた女性】
「もう鶏と全然変わらなかったです」
【植物肉を食べた男性】
「本当においしいので、すばらしいと思います」
肉なのに、肉じゃない!環境にも体にも優しい「植物肉」って一体!?
【薄田ジュリア・キャスター】
「ロッテリアで去年から販売が始まっているバーガーが今女性に大人気なんだそうです。一体どんなものなんでしょうか?」
大手ハンバーガーチェーンの「ロッテリア」。去年から販売を始めたのが、このハンバーガーです。
【薄田キャスター】
「見た目は至って普通のバーガーですよね。何が違うんでしょう。いただきます。うん、おいしい。ちょっとスパイスの効いていて、とってもジューシーで、おいしいんですけど、これはなんで人気なんだろう」
実はこのパテ“牛肉”ではないんです。大豆で作ったパテを挟んだ「ソイ野菜バーガー」で、パテのカロリーは従来の3分の2でヘルシー。値段は、他のハンバーガーとほとんど変わりません。
【薄田キャスター】
「どうですか、お客さんの反応は?」
【ロッテリア ディアモール大阪店 松木武店長】
「女性の方には好評で、最近では男性の方、単身で健康志向の方が結構いらっしゃって、好評いただいています」
【知っトクポイント】ブーム到来!?「植物肉」の新商品
ブーム到来!?「植物肉」の新商品が続々と登場しているんです。
動物の肉を使わず、代わりに大豆やエンドウ豆などを原料にして作られた肉を「植物肉」と呼びます。
しかし、街で「植物肉」のイメージを聞いてみると…。
【女性】
「味がなさそうですけどね、淡泊というか。若い子にはちょっと物足りないんじゃないかな」
【男性】
「肉肉しくはない感じ」
「健康によさそう」といったイメージはあるものの、味には期待していないよう…。
一方、オーストラリアから日本に来た観光客は…
【薄田キャスター】
「植物肉、オーストラリアでは食べる?」
【オーストラリア人の男女】
「時々。健康的だし、環境にも良いから」」
もうすでに欧米では、誰もが「植物肉」を食べています。
ハンバーガーチェーン大手のバーガーキングは去年、ジャガイモや大豆でできたパテを使ったハンバーガーを発売し、人気に。
ニューヨークのスーパーでは、精肉コーナーのすぐ横にえんどう豆を原料とした植物肉が並んでいます。見た目はまさに、肉そのもの。
【男性】
「高血圧、高コレステロール値、血糖値が高いんだ。/だから肉に代わるものを探していて、これがおいしかった」
【女性】
「息子が好きだから買ってるの。息子はベジタリアンで、オーガニックしか食べないから」
このトレンドが、いよいよ日本にも。
2020年のヒットを予測する日経トレンディも「植物肉」ブームが巻き起こると予想しています。
大塚食品は、肉を使わないハンバーグ「ゼロミート」を発売。キャッチコピーは「肉じゃないのに、そこそこ美味い!」。ハンバーグを顕微鏡で観察し、肉の粒の大きさや形を植物肉で真似することで、食感や味を再現したと言います。
また、ハムメーカーの大手、伊藤ハムが2月、「植物肉」を使ったソーセージやナゲットなどを発売する予定です。
植物肉関連の市場はじわじわと拡大していて、2016年に約197億円だった市場は2023年には1.7倍の約343億円にまで膨らむと予測されています。
背景にあるのは、健康志向の高まり。
「植物肉」は牛肉と比べてコレステロールが低く、高たんぱく。そしてもう一つ、「植物肉」が注目されるワケがあります。
【知っトクポイント】ヘルシーだけじゃない!「植物肉」は地球にも優しい!
ヘルシーだけじゃない!「植物肉」は体にも、地球にも優しいんです。
牛は餌を食べれば、当然ゲップやおならをします。これに、温室効果ガスの一つであるメタンガスが大量に含まれていて、牛は、鶏や豚よりも、6倍以上、メタンガスを排出するとされています。少しでも、地球環境の負荷を減らせないか…ということで、植物肉が注目されるようになったのです。
この「植物肉」、一体どうやって作られるのか? 開発の現場に潜入!
大阪では「植物肉」を使った絶品料理を味わえる店もオープンしました!
【薄田キャスター】
「鶏肉ですね」
【薄田キャスター】
「植物肉を約50年前から研究している会社にお邪魔しましょう」
大阪・泉佐野市に本社を置く、不二製油。大豆から作る肉「大豆ミート」の国内最大手です。早速、「大豆ミート」の開発現場を見せて頂くことに。
【薄田キャスター】
「目の前に並んでいるのはすべて大豆ミートの材料ですか?」
【不二製油 開発部門 中野康行さん】
「大豆ミートの素材になります」
【薄田キャスター】
「大豆ミートって一口に言ってもこんなにいろんな種類があるんですか?」
ハンバーグや餃子に使うミンチタイプから、ジャーキーなどに使うスライスタイプ、唐揚げなどに使うブロックタイプなど、メニューに合わせて製法や配合を変え、これまでに50から60種類の大豆ミートを開発してきました。
牛肉や豚肉、鶏肉など、再現したい肉の種類や部位に合わせて加工することで、本当の肉と同じ食感を出すことができるといいます。
【薄田キャスター】
「この繊維の感じは本当、鶏ですね。ああ、ささみの繊維みたい。口当たり、舌に残る感じとかもささみの弾力と繊維の感じですね」
〈知っトクポイント〉「植物肉」を気軽に!大阪に専門店がオープン
「植物肉」を気軽に味わえる!大阪に専門店がオープンしました
不二製油は、こうした、大豆ミートを味わえる総菜店を、去年、大丸心斎橋店にオープンさせました。「アップグレードプラントベースドキッチン」です。
【薄田キャスター】
「ショーケースの中にカラフルなお惣菜が並んでいますよ。こっちが副菜で、こっちが主菜ですね。酢豚にハンバーグにラザニアと唐揚げ。結構色んな種類のメニューがありますね。どれもおいしそう」
唐揚げや酢豚など、一見ふつうの惣菜ですが、使っているのは鶏肉や豚肉…ではなく、もちろんすべて大豆ミート。あ
お味の方は?
【薄田キャスター】
「頂きます。ん!ふっくら弾力があって、鶏肉ですね。おいしい。本当食べ応えありますね。しっかりジューシーで、ボリューム満点」
【女性客】
「もう鶏と全然変わらなかったです。ちょっとだけあっさりしているかもしれないですけど、でも全然変わらなかったです」
【男性客】
「一応体を意識しているので、あまり脂質の高いものは取らないようにしているので助かりますね。本当においしいので、すばらしいと思います」
【薄田キャスター】
「(植物肉の開発は)もうこれで完成ですか?」
【不二製油 開発部門 中野康行さん】
「これで完成ではなくて、よりもっとたくさんの商品を出していきたいなというふうに考えていまして、肉を食べるのか大豆ミートを食べるのかという選択肢になるまでやっていきたい」
【薄田キャスター】
「牛肉、豚肉、鶏肉、大豆ミートみたいな感じで並べばいい?」
【不二製油 開発部門 中野康行さん】
「きょうはビーフだったけど明日は大豆ミート食べて、あさってはポーク食べるよみたいな感じまでいくといいなと感じています」
進化し続けている「植物肉」。
お肉を食べたいけど…ちょっと体型が気になる…という方、一度、試してみては、いかがでしょうか?