【薄田ジュリアキャスター】
「こちらのスーパーでは牛乳コーナーのすぐ横に飲むタイプのプロテインが並んでいます。いまこういったプロテイン関連商品が非常に人気なんだそうです」
最近、スーパーやコンビニエンスストアなどの身近な店で、よく見かけるようになった「プロテイン」と名の付く商品。店頭で販売されている商品を買い集めてみると、その数なんと40種類以上にも!
そもそもプロテインとは、日本語で「たんぱく質」のこと。商品には、大豆などから作られたタンパク質が豊富に含まれています。
水や牛乳などに溶かして飲む、定番の粉末タイプ。子供や女性向けのものもあります。混ぜる必要がないドリンクタイプや…手軽に食べられるバータイプに…グラノーラまで…。
中には、ささみ肉のソーセージといった変わりダネも登場しています。
【薄田キャスター】
「最近のものがどんな味なのか、ココア味の粉末なんですけど飲んでみようと思います。(シェイカーで牛乳を混ぜて飲む)飲みやすいですね、しっかりココアの風味も感じられます」
実は今、その市場規模は年々拡大。
インテージヘルスケアの調査によると、関連商品の売り上げは右肩上がり!今年度は100億円の大台に乗る勢いです。
たんぱく質は筋肉のもととなることからアスリートやボディービルダーが愛用しているイメージですが…なぜいま人気となっているのでしょうか。
【薄田キャスター】
「40歳前後の人がプロテインコーナーを見ています。ゼリータイプでしょうか、2箱買っていきましたね」
ドリンクタイプをカゴに入れた、この女性は…
――Q:この店にはよく来る?
【女性客】
「よく買います」
――Q:どういったときに買う?
「私じゃないんですけど(高校生の)娘がジム行った帰りに飲むとか。
どんな人がプロテイン商品を買うのか。向かったのは、おいしくて高たんぱくのメニューが揃う店、その名も「プロテインラボ」。
意外にも、客の半分以上が女性です。
【20代の女性客】
「粉買ってシャカシャカ振って、ジムとかの後に飲む」
【40代の女性客】
「間食代わりと言いますか、飲むプロテインだったりとか、プロテインバー。プロテインチキン、プロテインソーセージなんかも食べたりしますね」
【20代の女性客】
「好きですねめちゃくちゃ。プロテインの粉でパンケーキを作ったりとか。子供にも食べさせている。飲み続けたい、もう止められないですね」
皆さん、美容やダイエットのため筋トレをしながらプロテインを愛用しているそうです。ボディービルダーで、この店の店長を務める西門さんによるとここ数年で女性客が急増したといいます。
【プロテインラボ店長 西門秀矩さん】
「最近ほんとに男性4割:女性6割くらいで女性の方が多いかなっていうくらい増えてきました。24時間ジムが増えたり、コンビニでプロテイン関連商品が出だしたということで、健康志向の意識に向いてきていることが考えられる」
近年、美しい体づくりを求める女性たちが増加。プロテイン商品が売れる背景には、女性の筋トレブームがあるようです。
さらに、こんな意外な調査結果も…
プロテインの購入者を年代別で見てみると、なんと若者よりも、40代以上の中高年が全体の半分以上を占めていたんです。
中高年たちも欲しがるプロテイン。どんな理由があるんでしょうか。
平日の昼間、ジムに向かうと、持参したプロテインを飲む中高年の方々が…
【薄田キャスター】
「あそこでトレーニングされてる方、すごい筋肉ですね。すみません、集中されてるところを…すごい筋肉が美しいんですけど…。ちなみに今はおいくつですか?」
【筋トレをする女性】
「来月58歳です」
若さと健康を保つために、50歳から筋トレを始めたという晴美さん(57)。
トレーニングを続ける中でタンパク質の大切さを知り、2年前からプロテインを飲み始めたそうです。
【晴美さん】
「これは普通のミルク味です。ミルク味が一番安いんですよ。ずっと飲み続けるとなると一応主婦なのでちょっとでも安いやつをと思って、節約ですね」
1日一回、午後3時にプロテインを牛乳に溶かして飲んでいます。
【晴美さん】
「前は筋トレ終わってすぐ飲んでいたんですけど、そうするとゴハンが入らないので。それで間食で」
「私は食が細いのでプロテインを飲んでいるので、食べ物だけではタンパク質を補えないのでね。食が細い人にはいいと思いますね」
肉や魚を使った料理を作るより、手間がかからないのも、大きな魅力だといいます。
一方、プロテインブームは、筋トレをしていない人にも…
【薄田キャスター】
「こちらの薬局では、健康相談のスペースのすぐそばに、プロテインコーナーが設けられていて、筋力アップや食事のサポートなどでもおすすめされているんです」
シニア世代にもプロテインを勧めているという管理栄養士に話を聞くと…
【スギ薬局 管理栄養士 安藤理恵さん】
「転びにくくしたいとか、運動を頑張っているので、その分筋肉を増やしたい方は(商品を)見られている」
「ご年配の方だったら食が細くなってきて食事の量自体が減ってしまうと、その分たんぱく質の量が不足している方が多い。そういったときに食事の補助として(プロテインを)おすすめすることはあります」
筋トレをしていなくてもタンパク質を補うことで筋力の低下を防ぎ、高齢者の場合、転倒しづらくなるといいます。
また、病院でも食べ物をうまく飲み込めない入院患者の食事にプロテインを使うことが増えているそうです。
【コープおおさか病院 管理栄養士 渡邊美恵】
「低栄養気味の患者さんが多いので確実にタンパク強化につながるようになった。栄養素をアップしていくためにはなくてはならないと思う」
体づくりから栄養補助まで…プロテインを愛用する目的も世代も多様化しています。高齢化が進む日本において、今後も需要は高まりそうです。