スマホに映し出されたその映像、ご覧になった皆さんは…
「楽しそう。おっさんとか好きそうですね。若い子より。懐かしい、エイトビットの」
「マリオっぽい感じ。ちょっと古い感じがいい」
「マジで?俺ないわ」
皆さん、様々な感想があるようですが…見ていただいているのは、宇治市がクラウドファンディングを活用して制作にのり出した「スマホ・ゲーム」なんです。
どんなゲームなのか?自治体が一体、何のために!?
狙いは…ファミコン世代?『独特な世界観』
【坂元キャスター】
「宇治川にかかる宇治橋です。平等院など世界遺産があるここ宇治市が、スマートフォン向けのゲームを作っています」
自治体が作っているというゲーム。一体どんなものなのでしょうか?
【坂元アナ】
「まずはこのデモ機で体験してみます。鵜飼い、鵜と魚を取り合うんですね…ああああああダメだ。ははは」
宇治市の夏の風物詩、鵜飼いをモチーフにしたこのゲーム。目を引くのは、最新ゲームとはかけ離れた、世界観です。
――Q:なぜゲームを開発?
【宇治市秘書広報課 田中真也 係長】
「もともと平成29年3月に公開したPR動画にさかのぼるんですけど、今回、実際にゲームを開発してほしい、プレーしてみたいという声があったので開発にいたりました」
2年前に宇治市が作ったPR動画。
昔のテレビゲームのようなつくりになっていて、主人公のマッチョな平安貴族が、モンスターと戦いながら平等院や宇治橋などの観光名所を紹介するストーリーです。
若者はもちろん、30代、40代のファミコン世代をメインターゲットに作られたこの動画が人気となり、実際のゲーム開発となったのです。
【坂元アナ】
「お茶リズムゲーム。ゲームはわかった。けど、できない。玉露が間に合わない!」
「これまでおもしろいPR動画とか作ってこられた自治体を取材してきましたけど、一番面白いですね……、もう一回やっていい!?」
取材で体験のはずが…すっかりハマってしまったようです。
市が開発することに…否定的な意見も
ゲームの開発などにかかる費用は1200万円。
12月2日から、その資金をふるさと納税を活用したクラウドファンディングで募っています。
【宇治市秘書広報課 田中真也 係長】
「最終的には人が住んでほしいのがあるんですが。まずPRゲームを通じて宇治市を知ってもらって実際に足を運んでもらう。そこまでできたらなと思っております」
スマホゲームの開発に至るまでには否定的な声も少なくありませんでした。2年前の市議会では…
【宇治市・松峯市議】
「私の感覚とは違うので、良し悪しはわかりませんけど、私の考えていたのと違ってショックだった」
こう述べたのは、「インベーダーゲーム世代」で60歳のベテラン、松峯市議です。
【松峯市議】
「初め見たときはびっくりしまして…、ああいう映像だったので。『これ、よう作ったな』と最初は思いました」
しかし、PR動画の視聴回数が増え、人気が出てきたことで今回のゲーム開発に期待を寄せるようになりました。
【松峯市議】
「時代背景もありますし、皆さんがどんなニーズを持っているのかも大事なこと、それで観光やらにつながるならいいと思います」
では、宇治の人たちは…どうでしょう?
観光PRに…ゲームで課題CLEARなるか
【男性・40代】
「おっさんとか好きそうですね。若い子よりも。ダウンロードしてやりたいです」
【男性・30代】
「いいんちゃいます、宇治市のアピールになって。昔を思い出しますね、懐かしい感じの子供のころを」
【愛知からの観光客・30歳代】
「でも京都にきたら、あ、これゲームのあそこだねってなるかも」
――Q:1200万円かけて?
【子育て中のママ・30歳代】
「え!?どれくらい効果が出るんですかね。子育てにお金かけてほしいですよね」
ゲームで「宇治を知ってもらい訪れるきっかけ」に…宇治が抱える課題をクリアすることはできるのでしょうか?