冬の訪れを感じる寒さとなっていますが、まだ紅葉シーズン真っただ中。
色づいた美しい景色を走る、北近畿のローカル路線では新人の運転士とアテンダントが奮闘しています。
「地元で働きたい」鉄道の道を選んだ谷口さん
京都・舞鶴市出身の谷口健太さん(27)。
【谷口さん】
「覚えなければいけないことや、見て学ぶこともたくさんあるので、まだまだこれからいろんなことをたくさん学んで、一人前の運転士になれるように努力している最中です」
小学校の教師を目指していましたが、地元で働きたいという思いがあって 「鉄道」の道を選びました。
【谷口さん】
「運転士として安全を第一に、お客様に安心・信頼してご利用いただけるような、立派な運転士になりたいと思っております」
見習い運転士として、初めての秋を迎えました。
京都・京丹後市の引原峠。樹齢・約60年の大銀杏が並び、夜は黄金色に輝く銀杏が幻想的に浮かび上がります。
【谷口さん】
「幼少期は僕、西舞鶴で生まれて育ってきたんですけれども、祖母に会いに行くときには列車を使って会いに行っていたので、家族と繋いでくれているのが列車という、そういうふうなイメージがありました」
――Q:景色観る余裕は出てきましたか?
「実はあんまり景色を観るほどの余裕はまだないので。今も当時も、きれいな景色がずっと続いているので、沿線の地域の皆さんもそうですし、自然とかも大事にしたいなと思います」
――Q:キレイな景色に癒しになったりするのでは?
「そうですね、時間が空いている駅だと、ちょっと周りを見る余裕もあるので、そういったときに少し息を抜きながら1日頑張っています」
18歳の「新人アテンダント」水間さん
【新人アテンダント・水間さんの接客】
「こちら地元のお米を使ったシフォンケーキでございます。中にも地元の安納芋が入っております。ごゆっくりお召し上がりください。失礼いたします」
(先輩アテンダント)
「こういうときは、相席から行ってほしかった」
(水間さん)
「あ、ごめんなさい…」
地元出身の水間鈴さん。春に高校を卒業したばかりの18歳です。
【水間さん】
「いままでは地元のことをもっと知ろうとか、あまりなかったので、でもいま毎日列車に乗ってお客様に『こういう景色が見えてきます』とか、『いまはここがすごくきれいです』とか伝えるようになってから、毎日、自分も『あぁきれいだな』って思いながら見てますね」
景色と料理を楽しめるレストラン列車、特急「くろまつ号」。
まだ慣れないところもありますが、笑顔でのもてなしに励みます。
【水間さん・車内アナウンス】
「列車の左手にあります山々は…むかし酒呑童子という鬼が悪さをしていたとされる大江山連峰です。なお、大江山という山はなく、丹波・丹後を繋ぐ4つの山を合わせて大江山連峰となります」
【アナウンスを見ていた先輩アテンダント】
「私が出ていって放送してあげたくなっても、それは あかん あかん あかん…」
【水間さん】
「楽しい反面やっぱり体力は使うので、乗務が終わったあとも、頭がこうやってちょっと揺れてたりとか、家帰ってからも揺れてたりとか。足がむくんじゃうのがすごい、結構悩みだったりします」
【水間さん・車内アナウンス】
「ここにイチョウの木があるんですけど…すごく今きれいに下がもう黄色に…きれいな…じゅうたんになってます」
【水間さん】
「私たちは毎週、同じ料理を同じように提供してますけど、お客様はたった1回の旅行かもしれないし、誕生日とかでもお越しくださることがあるので、そういう瞬間を盛り上げられるアテンダントになりたいし、家に帰ってから『楽しかった』って思ってもらえるような、記憶に残るようなアテンダントになりたいなと思います」