【薄田ジュリアキャスター】
「大丸梅田店にやってきました。私が今回、取材したのは、世界各地から輸入されたチーズです!」
~大丸梅田店~
今、あることがきっかけでチーズの需要が、過去最高を記録しているんです。
世界10か国以上から輸入されたチーズ、約100種類。ここ最近、みなさん、口にする機会が、多くなっているようで…
農林水産省が、今年7月に発表したデータによると、日本人が1年間で食べたチーズの量が、4年連続で過去最高を更新しました。
いま、日本に空前のチーズブームが到来しているようです。
大丸梅田店には、チーズ売り場だけでなく、チーズスイーツの専門店まで登場。6種類のチーズケーキが食べ比べできると、話題に…。
【薄田ジュリアキャスター】
「う~ん。どれもおいしい」
さらに、各食品メーカーも先月からチーズに関する新商品を続々発売!巷では、あるものに「チーズ」を入れた不思議な飲み物が、ブームの兆しを見せています。一体なぜここまで「チーズ」が世に溢れているのでしょうか。
【大丸梅田店 販売促進担当・吉越雅和さん】
「今年EPA(経済連携協定)が発効されまして、チーズの関税が段階的に引き下げられるということも要因かと思います」
大丸梅田店の担当者は、チーズが注目される理由の一つとして、貿易の枠組みが変わったことを挙げました。
昨年末に発効されたTPP、環太平洋経済連携協定や、今年2月に発効されたヨーロッパ圏とのEPA経済連携協定によって、海外から輸入されるチーズの関税が、段階的に引き下げられ、将来的には完全撤廃されます。
その影響で、今年4月のチーズの輸入量は、前の年の同じ月に比べ、1.5倍に増加しています。
チーズが気軽に食べられるようになったという理由は他にも…
【大丸梅田店 販売促進担当・吉越雅和さん】
「最近よく流行ってます、チーズタッカルビとかもありますけれども…」
「チーズが健康にいいというようなことで、いろいろ知られるようになって料理でもいろいろ使えますので、多様性が広がった」
チーズには、カルシウムなどが豊富に含まれているため、骨粗しょう症や高血圧の予防に役立つとの研究結果も。さらに、消費税増税を控え、家飲み趣向の高まりなどもあり、いままさに、『チーズブーム』が起きているのです。
――Q:珍しいチーズも入ってきてる?
【大丸梅田店 販売促進担当・吉越雅和さん】
「そうですね。例えばこちらなんですけど、『ブリー・ト・モー・トリュフ メゾン・ド・ラ・トリュフ』といいまして…」
これは、フランス・パリのトリュフ専門店の黒トリュフと、マスカルポーネをサンドした珍しいチーズ。
【薄田ジュリアキャスター】
「すごい!なんか高級感ありますね。それもチーズに注目が集まったからこういう珍しいものも入ってくる?」
【大丸梅田店 販売促進担当・吉越雅和さん】
「はい。そうです。普段取り扱ってるのは当店だけですので、こういった珍しいものも入っています」
【薄田ジュリアキャスター】
「香りがもう強い!いただきます。わぁ~鼻からすぅ~と勢いよくトリュフの香りが…このトリュフとマスカルポーネがコクをより出してる。贅沢なチーズです。これは美味しいですね」
ヨーロッパやオーストラリアなどの海外チーズが、より手に入りやすくなったことで、日本のチーズメーカーは、戦々恐々なのでは…
~六甲バター稲美工場~
チーズメーカー、六甲バターの工場で作られているのは、プロセスチーズ。
チェダーチーズなど、自然なタイプのナチュラルチーズを加熱・殺菌し、形を整えて、冷やすことで、保存性の優れたプロセスチーズが出来上がります。
【六甲バター本社・神戸市中央区】
この会社の社長にズバリ、輸入チーズについて聞いてみました。
――Q:日本国内のチーズ生産会社からするとどんな印象?
【六甲バター・三宅宏和社長】
『我々プロセスチーズメーカーですけど、原料はナチュラルチーズなんですけど、8割以上が海外から輸入しているんですね。ということは、我々の原料調達コストが関税がさがることはコスト的にはメリットがある。だからプロセスチーズメーカーとしては、TPP、日欧EPAというのは追い風になる」
――Q:むしろ追い風になるんですね!
「そうです」
いまは、関税が段階的に引き下げられている状況ですが、関税が完全撤廃されれば、将来的にチーズの値段が下がることも期待できます。このチーズブームの波に乗って、新商品「青森県産シャキシャキふじりんご6P」を9月1日から販売。その先の海外本格進出も睨んでいます。
【六甲バター・三宅宏和社長】
「日欧EPAは乳製品でも日本からヨーロッパに今まで輸出が出来なかったんですけど、EPAで日本からの乳製品をヨーロッパに輸出するということもできそうになってきている」
――Q:チーズの本場への挑戦という意味でも明るい兆し?
「そうですね、ですからあまりネガティブにとらえるんじゃなくて、むしろ我々にはひとつのチャンス」
まさに今、チーズ戦国時代に突入しています。
日本製粉が今月、贅沢なチーズを使った家庭用冷凍パスタを発売すれば…
ミツカンもチーズで仕上げる鍋スープ!
また、日本ハムも、従来のウインナーソーセージに、チーズをブレンドした新商品を発売。
ペヤングも、インスタントやきそば「チーズMAX」で、追随します!!
さらに、ブームの兆しを見せているのが…『飲むチーズ』です。
【薄田ジュリアキャスター】
「京都駅の中央改札を通って、この階段をあがってすぐの、あちらの角のお店が先日オープンしたばかりのチーズティ専門店なんだそうです」
この「マチマチ」は、台湾からやってきたお店です。8月、関西に初出店しました。
【店長】
「こちら『テッカンノンチーズティ』でございます」
――Q:下がウーロン茶なんですね?
「そうです。」
~テッカンノンチーズティー~
台湾産のウーロン茶の上に、塩味の効いたチーズクリームがのせられた、まさに新感覚の飲み物!ウーロン茶とチーズの組み合わせって相性いいの?と疑っていましたが…
【薄田ジュリアキャスター】
「えー!合う!なんでしょう。初めて飲んだ飲み物なんですけど。ウーロン茶がそもそも想像していたものと違たんですよ。すごい華やかな香りを楽しむようなフローラル、そこにまろやかな甘じょっぱいチーズクリームが合わさって絶妙ですね。なんかクセになる感じ。おいしい!」
昨今のチーズブーム、実は、EPA、TPP…ニュースで耳にしていた事象が関係していました。チーズなだけに、その伸びしろに今後も大注目です。