風疹の「無料クーポン」
大阪市内に住む、会社員の南博人さん、42歳。
7月、大阪市から風疹対策のクーポンが届きました。
【南さん】
「妻が妊娠のときも風疹にかかるとまずいとは聞いていたので、なんとなく話としては知っていたので、自分自身もほんまに大丈夫かなと思いながら過ごしていたところなんですけど、無料だと(検査する)きっかけになると思う」
「風疹」感染者数、去年上回るペース
せきやくしゃみなどで感染する風疹。感染すると、高熱や発疹が出て、妊婦の場合は、胎児の心臓や耳などに障害が残る恐れがあります。
今年1月から、これまでの感染者数は、2079人と、去年を上回るペースで増えていて、その多くが、南さんと同世代の40代から50代の男性です。(※国立感染症研究所調べ 8月14日時点)
国は、こうした世代を対象に今年度から3年間、無料で抗体検査やワクチンの接種ができるよう対策に乗り出したのです。
無料クーポンを使うには…
南さんは、三男が生まれた2年ほど前に風疹の危険性について知りましたが、日々の仕事や子育てで忙しくしているうちに、時間が過ぎてしまったといいます。
今回こそは、無料クーポンを利用して、この不安を晴らすという南さん!
【STEP1:病院探し】
まずは、抗体検査をする病院やクリニックを探します。検査のできる施設は、厚生労働省や自治体のホームページで確認できます。
【南さん】
「めちゃくちゃいっぱいある」
表示された中で、南さんは「四つ葉クリニック」に電話しました。
【南さん】
「来週の金曜日なんですけど病院は午後大丈夫ですか?」
ここまで、わずか10分足らず。事前の予約が必要のないクリニックでした。これまで仕事を優先し、なかなか時間を作れなかった南さんですが…
【南さん】
「きょうはもうお昼から休みをとってるので、今から病院に向かおうかと。上長とかにも言ったら、快く『行っておいで』ということだったので、業務は調整しつつなんでけど」
【STEP2:抗体検査】
【医師】
「風疹にかかったかどうかはわからない?」
【南さん】
「多分かかったことあると聞いてるんですけど」
【医師】
「風疹に似た麻疹というはしかもありますので、なかなか風疹にかかったかどうかは確実にはわかりにくいですよね」
南さんが検査を受けたクリニックの院長にお話を伺うと…
【よつ葉クリニック 前田巨人院長】
「当院で(今年4月以降)受けた抗体検査の方は87名です。そのうち16名に風疹のワクチンを接種した。全体の人数からすると(検査をした人は)まだ非常に少ないのかなと思う」
検査もワクチン接種も、クーポンで「無料」
通常、抗体検査は、5千円から6千円ほど。その後、ワクチン接種となれば、さらに1万円ほどかかりますが、これらが、クーポンを使えば全て無料で受けられます。
血液検査の結果が出るのは、約1週間後。
病院によっては、電話や郵送で、結果を知らせてくれるところもあります。
翌週、病院へ結果を聞きに来た南さん。
抗体がなければその場でワクチンを接種することになりますが…
【医師】
「抗体価は十分にあるので、 風疹のワクチン打つ必要はありません」
【南さん】
「よかったです」
ワクチン接種が必要ないとわかった南さん。一安心です。
【南さん】
「全部があっという間に終わって抗体あるのも安心しましたし、自分だけじゃなく、ほかの人にも移したりして、特に妊娠してる人にうつると大変なのでどんどん(制度を)知ってもらえたらなと」