3500円相当のリンゴに・・・今が旬の桃。
さらに6000円相当のマンゴーまで。
これみ~んなタダでもらえる。そんな夢のような話が、あるんです!
【お米が当たった藤尾千宇さん】
大阪市内に住む藤尾さん。この日の食卓にも・・・
【薄田キャスター】
「無料になったものがあると聞いたんですけど?」
【お米が当たった藤尾千宇さん】
「お米なんですけど、規格外の野菜とかを取り扱っている“フリフル”というサイトがありまして、たまたま今回お米が当たった」
傷がついたりして市場に出回らない『規格外品』を無料でプレゼントするサービスを行っているこちらのインターネットサイト。
生産者は規格外品を出品し、その中から消費者はほしい食材に応募します。抽選で当たると、その情報は生産者に伝えられ、産地から直接送られるという仕組みです。
当たる消費者には、得な事しかありませんが、正直誰が儲かるのかというこの仕組み。
もともと熊本県で八百屋を営んでいた坂口龍也さんが立ち上げました。一体なぜ始めたのでしょうか?
【フリフル 坂口龍也代表】
「畑をまわるにあたって捨てられる野菜・果物を目にしていて、それがもったいない。いつかそれを生かすようなサイトができたらいいなとずっと思っていた」
食べられるのに捨てるのはもったいない。その熱い思いで始まった無料サービスに、つい先日、関西からも初めての出品者がでました。
【みかん農家 小沢光範さん】
「常にみかんが目に入るところに入れとけば元気が出るんで」
和歌山県有田川町でみかん農家を営む小沢さん。
かんきつ類・約60品目を栽培しています。
出品したのは今が旬のバレンシアオレンジ5キロ。実際の規格外品を見せてもらいました。
Q:これが出荷できないもの?
【みかん農家 小沢光範さん】
「外見とかが汚いもの。バレンシアオレンジはそんなに作ってはないんですけど、(生産量は)1トンか2トンになるんですけど、500キロくらいが規格外になります」
Q:味は変わらないですよね?
「味はむしろこっちの方がおいしかったりする」
【薄田キャスター】
「香りが強い!!。ん~!おいしい!すっごくジューシー」
傷ついたミカンがなぜおいしいかというと・・・
【みかん農家 小沢光範さん】
「例えば木の奥で実がなると、風とかに当たらないのできれいなのができやすい。外側になったみかんは風が強いと枝で傷ついたりするんですけど、太陽には当たりやすいんです。自然をそのまま受けているんでかえっておいしくなるという部分もあるんです」
味には自信がある規格外品の無料プレゼントに小沢さんはある期待を持っています。
【みかん農家 小沢光範さん】
「無料でお届けするという形なんですけど、その味がおいしければお客さんは、その農家さんにたどり着く。つないでいただける。そこは農家としてもありがたい」
もし規格外品を食べて味を気にいれば、その後運営サイトを経由せずに、直接生産者から買う人もいるんだそうです!
また当選した人には、SNSで感想の投稿を呼びかけていて、実際お米が当たった藤尾さんも…
【お米が当たった藤尾千宇さん】
「お米の写真を撮ってリフル当選してやった!って(SNSに)書かせて頂きます」
当選した喜びが口コミで拡散されることで、生産者は新たな顧客獲得のチャンスにつながるのです。
さらに取材をすすめてみると、驚きの無料サービスを発見しました!
【城崎温泉1泊2日 無料バスツアー】
6月開催された神戸発のバスツアー。昼食は兵庫県豊岡市の名物「出石そば」。さらに、城崎の温泉旅館で…
『カンパ~イ』
懐石料理を食べる1泊2日の旅が全て“無料”なんです!
個人でいけば数万円の費用がかかりそうですが・・・
いったいなぜ無料なのでしょうか?
参加者が向かったのは・・・
Qこれなんのツアーですか?
【ツアーの主催者 城崎こども園 西垣浩文園長】
「豊岡市保育協会主催で、豊岡市に住んで働いてもらえる保育士さんを募集するツアーです。なんとしても豊岡市で就職していただきたいという思いです」
【KOIBITO TOUR】
保育学科の学生を対象に豊岡市内の保育園や認定こども園を見学する
その名も「KOIBITO TOUR」。
豊岡市では年々保育のニーズが高まっていて、新たな保育園を作るなど対策を進めてきましたが、肝心な保育士が不足していて待機児童を解消できていません。一人でも多くの保育士を確保するために各保育園などがお金を出し合い無料ツアーを行っているんです!
ちなみに今回の参加者のほとんどが豊岡市の出身です。
【ツアーの参加者】
男性「実家が豊岡のほうなので一応大学行くときに豊岡を離れはしたんですが(就職先の)選択肢の一つとして豊岡があった」
女性「地元で就職をかんがえているんで、これを機に就職先を見つけらたらいいなと思いました」
就職先で迷っているならぜひ地元で!
今回のツアーにはそんな願いも込められているんです。
【現役の保育士】
「この前ダンゴムシの赤ちゃんが生まれて(園児たちも)『生まれたって』いいながら。自然に囲まれてるのがいいところだなと思う」
保育園の見学では豊岡市ならではの保育環境をPR!
そして旅館では、おいしいご飯を食べながら、現役の保育士が地元で働く良さをPRしていました。
【現役の保育士】
女性保育士「地元だと友達が多いし、一番身近な家族が近くにいるのは支えになるよという話をしました」
Q:先生たちのころはこういう歓迎は?
男性保育士「なかったです。うらやましいですね」
参加した学生は・・・
【ツアー参加者】
女性「より地元で働く楽しさ・魅力をいま話を聞いて感じました」
女性「多分、豊岡に就職すると思います」
女性「豪華なごはんとかもいただいて、地元に住んでいると温泉旅館とか来ることないんで貴重な体験」
無料の1泊2日温泉旅行にすることで学生のハートをキャッチ!
豊岡で働きたいという気持ちはググっと上がっているようです。
【ツアーの主催者 城崎こども園 西垣浩文園長】
「実績として初回(2年前)の参加者から次の年に1名が豊岡市に保育士として就職。2回目(去年)は今年の春に2名が豊岡市で保育士に。来年、今年参加した方から3名以上もし決まれば非常にありがたい。大いに期待してます」
正直、儲かるの?と言いたくなるような無料サービスの狙いは、明るい未来への先行投資でした。