大阪市内のとある美容室。
一見変わった様子はありませんが、入り口を見ると…!(定額制の文字)
実はここ、月額定額制の美容室なんです。
コースは月8000円から4万8000円までの4種類。
1番人気は月額1万円のコースで、カットやトリートメント、ヘッドスパが利用し放題になります。
【利用客】
「私は大阪人としては毎週来ているんですけど/今までだとカラーとカットで1万4~5000円は毎回払っていたので、それ考えたら、こんだけ来て一万円超えない。十分もととれます」
知っトク:定額で〇〇し放題!?今どき『サブスク』事情
最近、街でよく見かける料金定額制、いわゆる「サブスクリプション」。もともとは新聞や雑誌などの定期購読を意味していましたが、定額で一定のサービスを受けられることの総称となりました。
この「サブスク」がここ数年、急速に広まっています。
Q:定額制のサービスって何か使っていますか?
【女性】「アマゾンプライム」
【女性】「アップルのミュージックとか、980円で音楽聴き放題。すごくお得です」
【女性】「ツタヤで毎月1000円払ってビデオ借り放題っていうのをやっています。/全部もう一度復習して見れますね、あの…なんだっけ…映画でも…」
Q:ターミネーター?
「ターミネーター。すごい!ターミネーターを1から全部復習できたとか」
動画や音楽などの配信サービスで導入されたことをきっかけに広まった「サブスク」。
今、ファッションや車など「モノ」の分野にも広がりを見せています。
定額で高級ブランドバッグが使い放題になるサービスに…ロボット掃除機を利用できるサービス。そして、国内最大手のあの自動車メーカーまでもがサブスクを導入しました。
拡大し続ける国内のサブスク市場は、今後5年間で「1.5倍」にまで成長すると予想されていて、大阪では・・・・
【薄田ジュリアキャスター】
「大阪ミナミに来ています。今このあたりで、ある「サブスクリプション」のサービスが広がってきているそうなんです。一体、どんなサービスなんでしょうか?お邪魔しましょう」
「サブスク」で今年、大阪に次々とオープンしているのが…
(薄田)ここはどういう場所なんですか?
(担当)「弊社はセルフエステでございまして、お客様のほうに御自身でマッサージ器を使っていただく定額制のエステサロンとなっております」
知っトク:客も店も満足!定額エステのからくり
4月に心斎橋にオープンしたこちらのエステ店。33の個室があり、通常のエステで使われる専門機器を自分で操作する「セルフのお店」です。
料金は利用する長さや時間帯によって異なりますが、定額制で月額7800円から。もちろん、予約が空いていれば毎日でも通うことができます。
(薄田)「(体験して)これを?」
(担当者)「あごに沿わせて…」
(薄田) 「引っ張られる感じ」
(担当者)「マシン自体も、こちらも0分分で1万2000円~3000円とか、サロンで行うと」
(薄田) 「30分でそんなにするんですか?これで」
店によると、一般的なエステで同じ機器を使った場合、1回で1万円以上かかりますが、セルフにすることで1回の施術より月額料金の方が安くなるとのこと。
(薄田) 「どうですか?顔小さくなりました?」
(担当者)「顔ちっちゃくなりました…なりました!」
(薄田) 「何の笑いだったんですか。まあ、一回だけだとね」
(担当者)「そうですね、一回だけだと…」
(薄田) 「顎のラインが…」
「定額制」と「セルフ」を組み合わせることで、何日でも空き時間を使って利用できるほか、追加料金が発生する心配も、勧誘される心配もありません。また、一か月前までに申請すれば違約金なしでいつでも解約することができます。
【利用者(30代)】
「定額制っていうことでちょっと安心感がありました。週1のペースで来ていまして、育児の間に隙間時間に見つけて通っているんですけど/できるなら週三回とかは来たい」
一方、「サブスク」を導入することで、店側にとっては、月の売り上げが大きく変動する恐れが少ないため毎月安定した収入を得られるほか、「全部で何回」といった区切りがなく、長期間通ってもらいやすいメリットが。
こちらの店では主婦や学生など、これまでエステの利用が少なかった女性も多く、いまでは20代から70代まで、200人以上が通っています。
(担当者)
「興味があってもなかなか高額で通えなかったりする方が多いということで、そういった方にも気軽に楽しく通っていただけるエステサロンを目指して、定額制「セブスク」でさせていただいています」
「サブスク」の波は、こんなところにも…
知っトク:狙いはリピーターと〇〇!飲食業界のサブスクとは?
(薄田)「一方、飲食業界でもサブスクリプションのサービスが広がってきているんです」
全国で60以上の店舗を展開する大手居酒屋チェーン。今年3月に始めた驚きの「サブスク」が…
【三光マーケティングフーズ 前原亮 関西ビジネスユニット統括代行】
「月額で4000円で定期券、『飲み放題定期券」をご購入いただいて、飲み放題が1ヶ月間、定額で飲めるというものになります」
関西の店舗では通常、約40種類のお酒が飲める飲み放題は、「2時間1300円」。しかしアプリをダウンロードして、月額4000円の「定期券」を買えば、飲み放題が何度でも利用可能になるんです!
つまり、定期券を使って飲み放題を少なくとも4回利用すれば元が取れるだけでなく、毎日使えば、なんと一回の飲み放題がたったの130円に!お酒好きにはなんともお得なサービスのようですが、どうして居酒屋で「サブスク」なのでしょうか?
【三光マーケティングフーズ 前原亮 関西ビジネスユニット統括代行】
「大手チェーンの吉野家・松屋がちょい飲みとかの需要でどんどん居酒屋離れがあったり若者のアルコール離れがあったりとかで集客が難しくなってきたところがありまして、後はあわせてチェーンの居酒屋を選ぶ理由が、どこで良くない?ぐらいの、すごく簡単に大きな根拠もなく決められてしまうのがありまして、『金の蔵』一択になるんじゃないかというところがあって」
業界全体の売り上げなどを基に算出された「景気の度合い」を表すデータによると、2010年の数値を100とした場合、ファストフード店やレストランなどは堅調に推移していますが、居酒屋は右肩下がり。若者の酒離れや高齢化によって、お酒を飲む量が減っていることなどが原因とされます。
そんな中、「サブスク」で狙うのが「リピーターの獲得」と「ついで買い」です。
実は、店では定期券の利用ごとで少なくとも2品の料理の注文をお願いしていて、サブスクをきっかけにまずは店に来てもらい、料理で採算をとる戦略なのです。
「飲み放題定期券」はSNSなどでも話題に。今では500人以上が利用し、この居酒屋チェーン全体の売り上げも「サブスク」を始める前に比べて、月600万円以上増えました。
【「定期券」利用者は】
「1ヶ月間で8回は使っていると思いますね/大体4品、5品ぐらい頼みます。お酒代が定額で見れるので、あとはフードだけ計算しておけば予算を作れる」
ジャンルを超えて、さらなる盛り上がりを見せる定額制「サブスクリプション」。
業種によって狙いは様々ですが、客がお金を気にせずに利用でき、店にとっても安定した利益を得られるこの「ウィンウィン」な仕組みが「サブスク」拡大をもたらしているようです。