若者を中心に月に約1300万人が利用する人気のフリーマーケットアプリ。
その出品者にイマ変化が・・・
【メルカリ PRグループ 韓昇勲さん】
「50代、60代以上の利用が増えている状況かなと実感しております」
このアプリの運営会社が、今年3月に60歳以上限定のセミナーを開催したところ、定員20名の17倍の応募が集まるほど、イマシニアが注目しているんです!
その使い方とは?
【メルカリ PRグループ 韓昇勲さん】
「最近で言うと、『生前整理』『終活』での利用かなり増えている傾向があります」
『終活の為出品します』
「終活」や「生前整理」のキーワードで出品される商品は、おととしと去年を比べると、「約2.5倍」に。年代別の利用目的では、20代は「お金を得る」が約70%でトップですが、60代以上は「不用品の処分」が約80%でトップです。
知っトクポイント①「インターネット終活でオカネ+〇〇も!」
このアプリを使って、終活をしているという赤坂久仁子さん、63歳。
【薄田ジュリアキャスター】
「きれい、すっきり!整頓されてますね〜」
赤坂さんの終活を後押ししたのが、おととし亡くなった母親の存在でした。
【赤坂さん】
「母は92歳で亡くなる頃には高齢で片付けたいんだけども、なかなか片付けられなくなってたんですね。亡くなった後も後片付けが本当に大変でした」
子どもたちには、負担をかけまいと終活を思い立ったという赤阪さん。
インターネットを通じた、顔の見えない相手との取引に、最初は不安もあったそうですが、その手軽さが、終活を始める決め手になりました。
【赤坂さん】「(お店に)いちいち持っていくのも大変ですね。私たちの年代になったら。持っていってまたご相談したりするのも大変やから、それやったら自分の思うような値段で、家でメルカリで売ってしまおう」
リサイクルショップとは違い、取引する場所や時間、価格を自分で決められるのもインターネットでの終活の、人気のヒミツ!赤阪さんはこれまで300点以上の品物を出品してきました。
【薄田キャスター】「これまでどれぐらいの儲けが?」
【赤坂さん】「30万ぐらい」
【薄田キャスター】「え~?だって、捨ててもよかったようなものですよね?それが収入になって返ってくる?」
この日、赤阪さんが出品しようとしていたのが、15年ほど前に海外で買ったというブランドバッグ。入念に撮影していたのが、バッグの〝こすれ″です。
【赤坂さん】
「このバッグはかなり傷んでるので、その傷んでるのをはっきり(撮る)」
【薄田さん】
「この角の部分とか?」
【赤坂さん】
「そうですそうです。やっぱり相手の方が送ってきたのを見て、『いや、こんなんなってるやん』っていう感じで、トラブルになる場合もあるんですね」
インターネットでの取引が活発になる一方、トラブルも多発。「バッグを落札したが掲載されていた商品と品質が違っていた」など、全国の消費生活センターへの相談は、この6年で約25倍の4500件に迫ります。
マイナスポイントをわかりやすく伝えるきめ細かい配慮が、トラブル防止と、シニア世代の高い取引成功率につながっているそうです。
【薄田キャスター】「(価格)どれぐらいでいきましょう?」
【赤坂さん】「みなさん、(相場の)4〜5万はね、で出品されてますけど、もっと安く」
赤阪さんの目的はあくまで身辺整理なので、相場の半分以下で出品。
果たして?
【赤坂さん】「押しま〜す」
【薄田キャスター】「お!これでもう(出品)完了?」
【赤坂さん】「もうこれで終わりです」
【薄田キャスター】「お〜」
【赤坂さん】「で、メルカリさんから・・・あ?もう購入されました」
【薄田キャスター】「どういうこと?あれ!?」
【赤坂さん】「購入されました!」
【薄田キャスター】「これ!?イマ!?え、そんなことあります?」
なんと、出品からわずか8秒で取引成立!そして、すぐに買ってくれた人からメッセージがー。
【赤坂さん】
「(メッセージを読み上げ)『はじめまして、宜しくお願いします。ハンドルの箇所などリペアで』あ、愛用させて」
【薄田キャスター】
「うれしいですね!これ『リペアして愛用させていただければ』」
赤阪さんには、毎回商品を発送する時に、欠かさず続けていることがあります。
【赤坂さん】
「私の思い出のある大事なものが、こう旅立っていくというか、もらわれていくので、大事に使っていただきたいな〜っていう気持ちをお手紙に添えて、発送してるんですね、いつも。『大切に使わせていただきます』とか『ありがとうございました!』とか、メッセージをくださったりしますので、退職後、やっぱり少し寂しい所がありましたけども、メルカリを始めて、なんか『つながってるな』っていう気持ちになったように思います」
懐だけでなく心も満たしてくれるというイマドキの終活ですが、一方で、残される側に立ってみると、こんな心配ありませんか?
【街の人】
「母が今年の春、今年の頭に亡くなって、そうですね、遺品の写真とか、探したんですけど。パスワードがあるじゃないですが?(写真を)探せなくて、すごくもったいない」
「主人が亡くなった場合、もうどうなるか全然把握できないので、不安はありますね」
インターネットで身の回りのものの整理は進んでも、その必需品とも言えるパソコンやスマホは最後の最後まで残りがちです。
その中に亡くなった人が残したデータは「デジタル遺品」と呼ばれていて、有料サービスなども含まれているため、処置をしないまま放っておくと、契約者の死後も勝手に料金が引き落とされるなんてこともあるのです。
【街の人】
「こわいですね。知らない所で、何が起きてるかわからないんでそういうのはこわい」
「どうすることもできないじゃないですか?暗証番号わからない」
こうしたデジタル遺品のへの対策、いわゆる「デジタル終活」で、最初の難関といわれているのが、端末自体のセキュリティー解除。そのニーズに応えるビジネスも登場しました。
知っトクポイント②「デジタル終活 トラブル防ぐ新サービス」
【薄田キャスター】
「これ見てても全然わかんないですね」
【日本PCサービス 濱崎慎一執行役員】
「これでもうパスワード解除できてます」
【薄田キャスター】
「え、もう今ので?」
【日本PCサービス 濱崎慎一執行役員】
「はい、大丈夫です」
こちらのパソコン修理会社では、デジタル遺品に関する問い合わせが急増したため、パスワード解除やデータ取り出しなどのサービスを本格的に開始。
パソコンのパスワード解除には2万円ほどかかりますが、金銭トラブル防止に一役買っています。
【日本PCサービス 濱崎慎一執行役員】
「(家族が)亡くなられた際に、パソコンの中パスワードを解除させていただいて、データを確認させていただいたところ、借用書が出てきまして」
【薄田キャスター】
「気づかなかったら、利子とかそういうものがずっと積み重なってくる。恐ろしいですね。スマホもやってもらえるんですか?」
【日本PCサービス 濱崎慎一執行役員】
「スマホはちょっと現状難しいですね」
スマートフォンのパスワード解除は非常に難しいため、対応している業者が少なく、解除できても、20万円以上もの費用がかかってしまう場合もあります。
対策は、あるのでしょうか?
【日本PCサービス 濱崎慎一執行役員】
「生前にデジタル遺品がらみ、そういうデジタルデータをメモに遺しておいていただいて、それをご家族の方に共有していただくことが重要になるかと思います」
手軽な身辺整理でちょっと得した気分が味わえる一方、思わぬ費用負担に見舞われる可能性もあるイマドキの終活。
自分のことだけではなく、遺される側のニーズも踏まえておくことが円満なオカネを生み出す近道のようです。