原料費の高騰などから、3月には各メーカーが10円から50円ほどの
値上げを決めた「アイスクリーム」。
4年前にも値上げされましたが…
アイスの売り上げは右肩上がりで2017年には初めて5000億円を突破!
10年前と比べると、3割以上伸びているんです。
中でも、イマ広がっているのが・・・
【街の人】
「冬でも。アイスクリームめちゃ好き」
そう、「冬アイス」!
【街の人】
「毎日食べます(笑)」
「お風呂上がった後とかに、いつも暑いから食べたりしてます」
「部屋があったかいからやと思います」
「生活も豊かになってんじゃん!」
冬のアイスの売り上げは、この5年で3割ほどアップしているんです!
【薄田ジュリアキャスター】
「あ、こちらがアイスコーナーですね。おぉ〜!広い!たくさんありますね、ここ!
両側すべてアイスですね。しかもここの棚も全部アイス!ホント種類多いですね!」
こちらの売り場には、冬でも300種類以上のアイスが!
冬場の人気商品を並べてみると、
バニラや濃厚な味わいの商品が上位にランクイン!
【イオンリテール近畿カンパニー・商品統括部 岸寿さん】
「お客様のニーズも、いわゆるアイス=(子どもの)おやつからアイス=大人のスイーツに変化していった」
【スーパーの客】
「冬はやっぱりこういうチョコレートがいっぱいかかってたりとか、甘いものを」
【薄田ジュリアキャスター】
「あ〜、味のちょっと濃いめの」
【スーパーの客】
「そうですね。ちょっと食後におやつとかなるとあれなんですけど、アイスだったらちょっといいかな?って勝手な自分の中で思ったりしてしまって(笑)」
そんな冬アイス市場をけん引していると言われているのが・・・・
【日本アイスクリーム協会・桜木正実専務理事】
「60代70代の方(の売り上げ)が伸びている。バブルも経験されたでしょうし、味覚的にもいろいろ経験されてますんで、やっぱりおいしいものを食べたいという欲求が強いんじゃないかなと。冬アイスというのは、もちとかあずきとか抹茶とか和風のアイスとかですね、非常に各メーカーさんがですね、工夫を凝らしてですね、レベルの高い商品をお作りになってる、ということがシニアの方にウケてるのかなと」
ブームを作っているという街のシニアたちに話をきいてみても・・・
【街の人】
「ハーゲンダッツの抹茶!もう決まってる」
「抹茶、私も抹茶」
Q:和のアイスが好きなんですか?
【街の人】
「そうですね、和風の方が」
「年いったら和よ!」
「うん、和和和」
濃厚かつ和風なアイスがやはり人気とのこと。
そして、「濃厚で和風」の元祖といえばやっぱりこれ!
50年近く前に発売された「あずきバー」です。
今も変わらず愛されるヒミツをさぐるべく、工場を訪ねてみると・・・
【井村屋・開発部 嶋田孝弘課長】
「めちゃくちゃ売れてます(笑)。おかげさまで。1年に『2億7500万本』売れてます」
と、冬場で商品は特に冷たく感じますが、ふところはほくほくのご様子。
工場では1日でなんと『100万本』のあずきバーが作られています。
Q:これ何の音ですか?
【井村屋・開発部 嶋田孝弘課長】
「これ、あずきを流してる音が聞こえてます」
目にも止まらぬ早さで飛んでいるのが・・・ あずきなんです。
ここで、あずきバーに使うあずきと、使えないあずきを選別。
形が欠けたり、皮がはがれているあずきは取り除かれます。
【井村屋・開発部 嶋田孝弘課長】
「あずきバーにした時にやっぱり最後まで粒がしっかり残って、食感が感じられたり、
あとは色が変わらなかったり、そういったことが味に影響を与えます」
厳選した素材を独自の製法でアイスに。
あずき本来の食感と濃厚な味わいが人気を呼び、
冬の売り上げも、この5年で3割アップしました。
和菓子屋として創業した井村屋が、アイスクリーム事業に参入したのは昭和38年。
当時、後発の井村屋は苦戦を強いられました。
【井村屋・開発部 嶋田孝弘課長】
「大手の乳業メーカーがやっぱりすでにアイスをやっていて、いっぱい強いメーカーがありましたね。
やっぱりバニラとかそういったものは他社には、大手には勝てないっていう状況だった」
そんな時、アイスクリーム事業の運命を決めたのは、初代社長の言葉でした。
『うちには、あずきがあるやろ』
当時、井村屋は昭和37年に発売した「ゆであずき」が大ヒット。
そこで、得意とするあずきを使ったアイスを作る計画が浮上し、
1本に100粒ものあずきを均一に入れた「あずきバー」を開発したのです。
【井村屋・開発部 嶋田孝弘課長】
「当時、アイスクリーム大体5円とか10円の時代に、あずきバーが『30円』という価格だったんですけど、
今で言ったら結構高い。ハーゲンダッツみたいなもんですよね。それでも売れた」
こうして和菓子メーカー・井村屋の代名詞にまで成長したあずきバー。
発売から50年近くが経ち、メーカー各社が冬アイスをめぐってしのぎを削る中、
井村屋の象徴にも、ついに変化が!
【客】
「いや、あまりにもおいしそうなので。井村屋さんなんで、間違いなくおいしいと思ったので、今日は3種類買いました」
と、早くもお客のハートをつかんでいるのが「あずきバー」の進化版「涼菓バー」です。
北海道産小豆を使用した「ゴールドあずきバー」に、いちごやミルク、栗や抹茶などを贅沢にトッピングしています。
【井村屋和涼菓堂・佐々木康行店長】
「コンセプトとしましては、あずきバーを作る井村屋が新しい高級和アイス、を作ろう」
お値段はどれも1本『400円』以上。一番人気の「涼菓バーいちご」をいただきます。
【薄田ジュリアアナウンサー】
「あ!おいしい。最初にこうミルクが溶けていって、その後にあずきバーが徐々に溶けてきてっていう、
それにイチゴの甘酸っぱい酸味も加わって良いですね。あったか〜いこたつに入って食べたいですね。
『どれする?』とか言って選んで」
この商品は12月、京都にできた井村屋の和風アイス専門店で販売されています。
【井村屋和涼菓堂・佐々木康行店長】
「冬にオープンすることで、やっぱりアイスは(売り上げの)ピークは夏場ですので夏に向けての準備もしっかりしつつ、
冬の入れる商品もまた提案することができる。
イマまでなかったところを掘り起こしていくって意味でも冬はすごくチャンスなんじゃないかなと考えております」