車の故障やトラブルに24時間、年中無休でかけつけるロードサービスです。
【JAF・吉上隊員】
「裂けてますね」
兵庫支部の吉上仁士隊員(34)は14年目のベテランです。
タイヤの交換はお手の物。
■トラブルに急行!現場では依頼者を安心させる気遣いも
Uターンラッシュと仕事始めが重なった1月4日。
「右の前をポールにぶつけてタイヤが外れそう」という依頼が。
車での移動が増える年末年始は毎年、大忙しです。
さっそく現場に到着すると…そこには困り果てた男性の姿。
【吉上隊員】
「結構すごい勢いで?」
【依頼者】
「停まって、駐車場あるわと思って入るときに全くポールみえてなくてそのままバーンと」
別の駐車場に入れようと右折した際、前輪をポールにぶつけてしまいました。
【吉上隊員】
「そこからここまでで走ってきて変な感じありました?
【依頼者】
「ハンドルがカクカクしていた」
【吉上隊員】
「おそらく足回りが曲がっていますね。全体的にポールに当たってタイヤがこっちにずれてしまった感じですね」
【依頼者】
「あ~どえらいな~。修理代かかるな…。歯医者の予約時間に間に合わなくて…遅刻してたのがあって焦ってですね…
普段乗りなれてない代車で、死角で見えてなかったのが一番。無事故無違反なんです今まで。だからもうショックです…」
現場での修理はできないと判断し、レッカーで運ぶことにしました。
■年間の依頼数、実に240万件!中でも多いのが…
JAFには年間で約240万件の依頼があります。
そして、出動件数の1位は「バッテリーの故障」、2位が「タイヤのパンク」、3位が「キーの閉じ込み」です。
そして、この日も…
【吉上隊員】
「お子さんが中に入った状態でキー閉じ込めしている状態ですね。ちょっと急いだほうがいいですね」
子どもが車内に取り残されているという深刻な事態。急いで現場に向かいます。
車内には2歳の男の子。そして犬がいます。
【吉上隊員】
「ジャガーは結構特殊で、鍵穴が結構、難しい。独特。とりあえず一回、ピッキングでやってみます。それで開かなかった場合なんですけど、ここに隙間あけて棒突っ込んでドア開けるやり方の二パターンしかない」
【依頼者】
「つぶさなあかんってこと?」
男の子を家族が懸命にあやしています。早く開けなければ…。
スコープで鍵穴を覗きながら、手の感覚を頼りに探ります。
【吉上隊員】
「やっぱむずいっすね。逆開きかもしれない。年式とかメーカーによって回る方向は違うんですよ」
作業すること約15分…
【吉上隊員】
「開いた~」
【依頼者】
「あ~よかった!ありがとうございました~」
少しぐずりはじめていた男の子。無事にお父さんの元へ。
Q:鍵開けるので「難しい」のは?
【吉上隊員】
「プレッシャーですね」
トラブル解決後も優しく言葉をかけ気遣う吉上隊員。
【吉上隊員】
「お子さん何歳なんですか?」
【依頼者】
「2歳なんです」
【吉上隊員】
「うち1歳半なんです。同じくらいやわと思って」
【依頼者】
「早く来てもらったのでめっちゃ助かりました。もっとかかると思ったんですけど」
【吉上隊員】
「結構急いできました」
【吉上隊員】
「今回、正直あのタイプは初めてだったのでちょっと『開くかな?』というのは…14年やってもこうやって初めての経験がまだまだあるので、毎日1件1件は慣れた感じではなくて、やっぱりドキドキしますね」
この日は朝から立て続けに依頼に応えた吉上隊員。16時になり、ようやく愛妻弁当です。
【吉上隊員】
「めっちゃ豪勢ですね、今日のお弁当。今日は2割増しですね」
依頼の合間を縫って、つかの間の休息です。
仕事は日が沈んでからも続きます。
ある女性ドライバーからの依頼です
【吉上隊員】
「ちなみに今からどこ行く予定なんですか?」
【依頼者】
「高知まで帰ります。怖かったのでやっぱり。待ってました」
【吉上隊員】
「ちょっと簡単に点検だけさせてもらいますね」
旅行や帰省で慣れない長距離の運転をする人も多い時期。どんな些細なSOSにも対応します。
【吉上隊員】
「お客様が困っている所に僕らが来るってなるので、そこで故障・不安を解消できれば、『ありがとう』って言っていただけるので。なかなかこういう職種はないと思う。やりがいのある仕事だと思っている」