大阪府の吉村知事は独自の緊急事態宣言の解除基準を8日にクリアしたものの、宣言の解除を国に要請することは15日以降に見送ることを決めました。
9日に開かれた大阪府のコロナ対策本部会議。
緊急事態宣言の解除を国に要請すべきかどうかが検討されました。
【大阪府・吉村洋文知事(9日の会議)】
「僕自身の認識としても感染の爆発拡大は抑えてる状況と思いますが一方で医療提供体制、ここがひっ迫している。専門家のみなさんの意見も踏まえて方向性を判断していきたい」
大阪府では、「直近1週間の新規感染者数の平均が、7日連続で300人を下回った場合」を宣言解除を要請する”独自基準”としていて、8日に達成しました。
「宣言解除」に一歩近づいたことについて、大阪の街の人の受け止めは様々です。
【大阪の街の人】
「感染は心配だけど、僕個人にとっても(解除なら)嬉しい。時差出勤しても実際に仕事の量は変わらないので、みな圧迫されて大変な思いはされてると思うので」
「飲むのが楽しみなので早く解除はされてほしいですけど、結局また増えたら一緒なのでゆっくり段階を見て解除してもらえたらなと」
「(解除するかどうか)どちらでもいいです。(基準を)クリアしても、個人個人が密にならないように今まで通りの行動をとるようにしてくれたらいいと思います」
吉村知事が「足並みを揃えたい」とした兵庫県と京都府ですが、それぞれの街の人からも様々な声が…
【兵庫の街の人】
「大阪は(基準が)ゆるいと思います。解除しても(感染者が)増えるとおもうので兵庫が厳しいんやったら、大阪も厳しくするべきかなと思います」
「お互い歩みよればいいんじゃないですか。大阪がこの基準、兵庫がこの基準、どっちかに合わせるのではなく、お互い協調して『この辺のラインでどうですか』ということで話し合いで決めればいいと思う」
【京都の街の人】
「(京阪神を)電車では行き来はしてるので(解除は)一緒の方がいいと思う。交通が繋がってるので」
「吉村さんの意図はわかるし、でも(解除は)早いような気もするしみたいな感じ。ただ、ちょっとおでかけしたいという気持ちもある」
こうした中、緊急事態宣言の解除について9日、大阪府の吉村知事は…
【大阪府・吉村洋文知事(9日)】
「大阪が解除要請するべきだ、そして別のエリアでは知事が(要請)すべきでないとなれば当然話し合いをする。僕自身はできるだけ国へ要請するもしないも一体でやるべきだという考え方だし、これは井戸知事も西脇知事も同じ考え方だと思います」
厳しい基準を作り、まだ達成していない兵庫県の井戸知事は…
【兵庫・井戸敏三知事(8日)】
「今の状況では(解除)を判断するような段階ではない。3府県が共同歩調を取るということは基本にあると考えています」
さらに京都府の西脇知事は…
【京都府・西脇隆俊知事(9日)】
「私の思いは京阪神なるべく一体的に対応するべきと思う。我々が達成する目安が付いてくれば改めて協議していく段階に入っていくのかなと」
大阪府は9日夕方に対策本部会議を開き、宣言の解除を要請するかについて議論。
医療の専門家からは「重症病床の使用率60パーセント未満も7日連続でクリアすべき」という意見が数多く出されました。
【大阪府・吉村洋文知事(9日の会議)】
「僕としては来週、もう一度改めて本部会議を開いてさきほどの課題というのも整理したうえで国に対して延長を要請するか判断したい」
吉村知事は、緊急事態宣言解除の要請について9日の判断は見送り、来週に再度会議を開くことを決めました。
【大阪府・吉村洋文知事(9日会議後)】
「国に対しての緊急事態宣言の延長については感染の爆発拡大は大阪でなんとか抑えられているが、病床のひっ迫度については来週に本部会議を開いて考えたいと思います」
「僕自身はいきなり解除ではなくて蔓延防止重点措置の要請をしていきます。そこの措置に移行した場合にいかなることを事業者や府民にお願いをしていくのか明らかにしてから判断をしたい」