2024年6月28日(金)深夜1:25~2:25
僕より先に死なないで ~アスベスト・中皮腫患者の7年~
内容
かつて“奇跡の鉱物”と呼ばれたアスベスト。高度経済成長期には様々な製品に使われた。
海外では発がん性などの危険性が指摘されながらも、
日本では長い間使用を禁止されることなく、多くの人が知らず知らずのうちに接してきた。
アスベストが原因とされるがんの一種・中皮腫。
アスベストを扱う仕事をしていなくても中皮腫を発症する患者が全国各地にいる。
希少がんゆえに治療法も少ないままだ。
海外では発がん性などの危険性が指摘されながらも、
日本では長い間使用を禁止されることなく、多くの人が知らず知らずのうちに接してきた。
アスベストが原因とされるがんの一種・中皮腫。
アスベストを扱う仕事をしていなくても中皮腫を発症する患者が全国各地にいる。
希少がんゆえに治療法も少ないままだ。
2016年に中皮腫で余命2年だと告げられた右田孝雄さん。
「なんで自分が…」と悩む中で、同じ中皮腫患者の栗田英司さんと出会った。
2人は患者同士で励まし合いたいと、全国を回り交流を続けた。
その中には、どこでアスベストを吸ったのかわからない人も大勢いた。
交流を深めていく中で、無情にもやってくる仲間の死。
どうしてこんなに苦しめられないといけないのか。
なんとか生きる希望を持ち続けたいと、国などに訴え続けた。
「なんで自分が…」と悩む中で、同じ中皮腫患者の栗田英司さんと出会った。
2人は患者同士で励まし合いたいと、全国を回り交流を続けた。
その中には、どこでアスベストを吸ったのかわからない人も大勢いた。
交流を深めていく中で、無情にもやってくる仲間の死。
どうしてこんなに苦しめられないといけないのか。
なんとか生きる希望を持ち続けたいと、国などに訴え続けた。
「僕より先に死なないで、僕は死ぬまで元気だから」
こう言い続けた右田さん。
明るく元気に笑って過ごす右田さんの姿は、患者たちの希望だった。
こう言い続けた右田さん。
明るく元気に笑って過ごす右田さんの姿は、患者たちの希望だった。
中皮腫発症のピークは2020年代後半から2030年代にくるとも言われている。
決して他人ごとではない、今なお抱えるアスベスト被害について、彼らの生き様を通して考える。
決して他人ごとではない、今なお抱えるアスベスト被害について、彼らの生き様を通して考える。
スタッフ
- ディレクター
- :縄田丈典
- 撮影
- :大窪秋弘
- 編集
- :小山仁志
- プロデューサー
- :宮田輝美
ナレーション
常盤貴子
コメント
ナレーション収録を終えた今の感想をお聞かせください。
見入ってしまいました。特に、右田さんの絞り出すような最期の言葉。こんな風に闘ってくれてた人たちがいたんだ…。アスベストの被害について知るのは遅かったけれど、中皮腫の発症はこれからピークを迎えるということなので、それまでに何かできることがあるはずです。探していかなくては、と強く思いました。
今回、声を吹き込むにあたって意識されたことはございますか。
柔らかく伝えた方がいいのか、淡々と伝えていった方がいいのか、どっちがいいのかと考えていました。でも、立ち向かう相手があまりにも巨大だから、柔らかくしすぎて軽くなってしまうよりは、極力事実を伝えていく方向性でできれば、と思っていました。
右田さんの生きざまについてどのように感じられましたか。
右田さんが笑顔で活動して伝えてくださるので、見ていてすごく引き込まれるし、内容がヘビーなことであっても、楽しく伝えてもらえると、聞く方も楽しくなれるんだなと思えました。(右田さんは)人としてすごい方だったんだなと思います。「希少がん」であるがゆえに情報も乏しいからこそ、患者さん同士で励まし合うお姿が、たのもしいなと思いました。右田さんと栗田さんが作られたコミュニティの大切さは、お2人がいなくなってしまったからこそ一層感じられます。ウェブサイトを開設してくださっているから、もしも自分に中皮腫の疑いがあった時に調べられる場所があるということですよね。今後も増えるであろう中皮腫患者を救ってくれる、すごい功績だと思います。
ナレーション収録前と後で、アスベスト・中皮腫患者の方々に対する考え方や心境の変化は?
(収録前は)アスベストは吸ったら危ないということぐらいしか知らなかったです。ある日突然、がんになり、しかもその症状が一転してしまうことも。それが“中皮腫”ということも初めて知りました。番組の中で、希少がんだから治験ができず、新薬の開発が進まないというお話がありました。いつ自分の身にふりかかってもおかしくない中皮腫を知り、恐怖を感じました。これだけ多くの方々が苦しんでいる事実に、自分ごととして早く解決しなくてはと思いました。
視聴者のみなさんに、本作の見どころ、メッセージをお願いします。
私のように知らない人がほとんどだと思うので、いつ自分や自分の大切な人が中皮腫になってしまったとしても対応できるように、知識として知っておいてほしいです。