2022年10月21日(金)深夜1:25~2:25
のせ川村に恋する人達 ~“日本一人口が少ない村”の夏~

のせ川村に恋する人達 ~“日本一人口が少ない村”の夏~

内容

近畿に、全国で人口が最も少ない自治体(離島を除く)があります。
数年前までは、高知県大川村が自虐的に「日本一人口が少ない村」としてPRを展開していましたが、その座がついに奈良県南部の「野迫川村」に譲り渡されたのです。

その村には、国道も信号も、スーパーもありません。高校もないため、15歳になれば子供たちは村を出て、ほとんどが戻りません。現在の村の人口は345人。65歳以上が人口の半数以上で、若者は少なく、出生がゼロの年もありました。20年で人口が54%も減少したこの村にとって「消滅可能性」は、極端な言葉ではないのです。
野迫川村
でもこの村には豊かな森林に美しい川、そして一年中みることの出来る雲海、満天の星など、他にはない観光資源がたくさんあります。
さらに、村が誇らしく思っているのは義務教育学校「野迫川小中学校」の存在です。生徒はなんと12人。先生のほうが多いという、珍しい学校です。
「子供に来てほしい」、村では山村留学の制度をつくって、他府県からも生徒に来てもらおうと頑張っています。

中学1年生の「そらちゃん」は今年4月、山村留学で大阪から引っ越してきました。彼女が引っ越してきたことで、休止していた中学校の機能が復活。中学を受け持つ先生が配置され、学校に活気が出ています。そしてこの村に来た「そらちゃん」にも変化が…。
野迫川小中学校
野迫川小中学校
「のせ川は空気がゆったりしている」
大阪では学校に行けなくなった「そらちゃん」ですが、緑豊かな自然と村の人たちとの交流で、笑顔が戻りました。

「この村にはちゃんと笑って話せる人がいる」
教室では、先生と生徒の一対一の授業。遅れてしまった勉強だけではなく、安心する気持ちを学校で取り戻しつつあります。

深刻な人口減少ですが、村に暮らす若者も、この状況を黙ってみているわけではありません。大学卒業後に村に帰り、家業の林業を継いだ津田一馬さん。

「父や祖父の姿を見ていて、楽しそうと思ったから、自然な流れで帰ってきた」そうです。会社では「田舎暮らし」を望む若手を採用し、村の活性化につなげようとしています。
津田一馬さん
津田一馬さん
村の暮らしで心がけているのは、自分の子供だけではなく、村の子供たちが村でしかできない体験をしてもらうこと。子供に村の魅力を伝えることが、村の人自身が村に自信を取り戻すことにもつながっています。

鉄道も無く、唯一の公共交通機関は平日しか走らない村営バスのみ。圧倒的に不利な地の利の中で、「人口最少の村」になってしまった野迫川村。
ふるさとの原点のような美しい村が消えてもいいのか、この風景を守るためにどうすればいいのか、10年後の姿を一緒に考えてほしいと思います。

語り

毎田暖乃
毎田暖乃
コメント

番組の舞台の「野迫川村」を見てどう思いましたか?

私たちは、家族みんなキャンプや釣りが好きで、コロナ前にはよく遠くに行って自然に触れていたので、野迫川村の自然っていいなと思っていました。ああいう場所に行ったら、釣りやキャンプ、アスレチックなどしてみたいです。

番組に出てきた学校や生徒たちについて、どうでしたか?

番組に出てきていた小中学校は、人数が少ない分、皆、先生も含めて仲がよくてフレンドリー。私の学校は、35人くらいで複数クラスがあるから、珍しいけど、逆に楽しそうだなぁと思いました。

ナレーションを終えて、番組全体についてどう感じましたか?

楽しそうな番組だなと思いました。自然が大好きなので、自然について語るのが嬉しかったです。

スタッフ

ディレクター
:柴谷 真理子(関西テレビ)
撮影
:工藤 雄矢(関西テレビ)
編集
:高澤 宏(遊写)
プロデューサー
:萩原 守(関西テレビ)