2022年2月25日(金)深夜1:25~2:25
2024年4月17日(水)深夜2:50~3:45 再放送
カノジョと私の家族のカタチ

カノジョと私の家族のカタチ(仮)

内容

京都市に“ふうふ”として暮らす麻智さんとテレサさん。
二人は、テレサさんの故郷・アメリカでは婚姻関係だが、日本では「結婚」出来ていない。
麻智さんとテレサさん
麻智さんとテレサさん
麻智さんは、セクシュアリティに負い目を感じながら生きてきた。
麻智さんの母は、カミングアウトされた時、「どうしよう、私が悪かったんやろうかと思いました。どこが“普通”じゃなかったのかなぁ…」と思い悩んだという。
最も理解して欲しい親にも、受け入れて貰うのに時間がかかった。

二人は、「同性同士の結婚を認めてほしい」と国を相手に裁判を起こしている。
裁判で国は、「結婚は子どもを産み育てる男女を保護するための制度で、同性同士は“想定”していない」と主張している。存在しているのに“想定”されていないと言われ、心を痛める当事者は多い。

「家族」は、医学の発達でこれまでとは違う形態も増えている。
ゆいさんとゆりさんは同性カップルで、
海外の精子バンクの同じドナーから精子提供を受け、それぞれに妊娠、出産した。
自分たちが堂々と生きる姿を子供たちに見せたいと、ゆいさんは取材のなかでカミングアウトを決めた。
ゆいさんとゆりさん
いま心配しているのは、子供たちの将来について。
ゆいさんは、「子供たちがちゃんと考えられるようになった時に負い目を感じるような社会であってほしくない。子供たちに対して恥ずかしい生き方をしているわけではない。発信したいわけじゃないけど、しないと可視化されていかないので…」と話す。
子育てを希望し、実際に子育てをするLGBTQカップルは増えている。その一方でネット上では「親のエゴ」「子供がかわいそう」といったコメントが少なくない。
取材を受けることで子どもたちが誹謗中傷の対象になってしまうのではないか…、どこまで自分たちのことをオープンにすべきか…、番組は揺れ動く思いも含めて記録している。

ナレーション

ナレーター:大東駿介
大東駿介
コメント

作品を読み終えて、いかがでしたか?

時代はどんどん変わっていっているのに、愛に対する価値観が法律で定められているのが前に進んでいないとすごく感じた。
(同性婚制度の導入について国が答弁している)「わが国の家族のあり方の根幹に関わる問題」というのは、「少数派やからちょっと待って」と先延ばしにされている感じがしました。認めたらいいのに、どうして認めないんだろう。その人たちを守る制度はあってしかるべきなんじゃないかと思いました。

当事者のことを身近に感じられたり、自分事として考えられたりしましたか?

どうなったって自分事ですよね。家族についても愛情についても考えない人はいないと思うし、そのあり方の基準を考えると、自分の身近な常識や国が定める常識と向き合うことになる。日本に生きるすべての人のテーマだと思います。そろそろ本気で考えないといけない。

カミングアウトについてはどう思いましたか?

すごい勇気だと思いました。自分の人生は自分で生きる、自分でデザインするってことを放棄しない。とても健康的だし、今をよりよく生き抜く方法なのかなと思いました。
今は周りを気にしすぎたり、失敗を恐れたりで、「自分が自分を生きる」ということが忘れ去られがちな時代だけど、自分の人生を自分で守って、大切な人を愛するという、当たり前のことを彼女たちは傷つきながらも掴んでいっている。現在進行形で可能性を広げようとしている様がすごく共感できたし、背中を押されました。

そこまでしなくてもいいのに…とは思いませんでしたか?

彼女たちにとって、カミングアウトをしたことは、次の子供たちのためを思ってでもある。
「私たちみたいな人は今後も絶対いる。その人たちのためにどうにか道を作ってあげたい」という思いであり、自分たちの家族を思いやることで、もっと周りの人たちのことを思いやれるというか、そうありたいなぁという姿を見せられました。
大東駿介

スタッフ

ディレクター
:竹中美穂(関西テレビ 報道センター)
カメラマン
:永田耕一(関西テレビ 報道映像部)
編集
:芳本 武(遊写)
プロデューサー
:柴谷真理子(関西テレビ 報道センター)