ザ・ドキュメント

2018年9月24日(月)
午後3:50~5:53 

内容

奈良県橿原市の樋口さん一家。両親と兄のいっちゃん(一絆・4歳)妹のみぃちゃん(心絆・1歳)の4人家族です。家族の間に血のつながりはありません。
男性不妊で、夫婦と血の繋がった子供を求めることができなかった樋口さん夫婦は、不妊治療で悩んだ末に出産を断念、特別養子縁組で赤ちゃんを迎えたのです。

妹のみぃちゃんにはダウン症があります。いっちゃんに弟か妹を迎えたいと思っていた母親の藍子(らんこ)さんは、託される赤ちゃんがダウン症と聞いても気持ちが揺らぐことはありませんでした。しかし、夫の裕勇(ひろとし)さんやその両親は将来のいじめや病気の大変さが心配で仕方ありませんでした。夫や義父母ととことん話し合いを重ね、みぃちゃんを妹に迎えます。

みぃちゃんはダウン症の中でも症状が重く、1歳になってもまだ寝返りがやっとという状態でした。それでも夫婦は周囲を巻き込んで明るくみぃちゃんを育てていきます。

一方、兄のいっちゃんには普段から産んでくれたお母さんの話をし、特別養子縁組の引き渡しの様子を見せることで、実母も含めた大きな家族を感じてほしいと願っています。
リビングには実母の写真立てが飾ってあります。毎晩、写真に「おやすみ」と言うのがいっちゃんの日課になりました。

やがていっちゃんの理解は少しずつ深まり、藍子さんが産めなかったことや、産みのお母さんが来れないことも理解していきます。
その代わり、半年ごとにアルバムを作り、もう一人のお母さんに送るのです。

いっちゃんを迎えた夏、家族は毎年関西空港へ行きます。いっちゃんが乗ってきた飛行機を見ながら伝えたいことがあるからです。
産んでくれたお母さんがいるからいっちゃんはいっちゃんだということ。
こうやって4人は家族になったということを。

吉田羊さんコメント

ナレーションを終えて

吉田羊さん

すごく難しかったです。
簡単な題材ではないですし、(家族の表情など)映像に力があるので、私のナレーションのトーンで、見る方の感情をミスリードしてはいけないな、視聴者の気持ちを邪魔しないといいな、と思いながら気を付けて読みました。

ドキュメンタリーとして「特別養子縁組」という制度を伝えるだけでなく、一番大切な“子供の感情”にフォーカスされており、これだけ小さい体と心で、この子が一体何を感じて、受け止めようとしているのかなと、子どもの気持ちになって考えていました。

自分(いっちゃん)には“産みの親”と“育ての親”、2人のお母さんがいるということ。それを子供に伝えることで、どんな影響があるのか、など簡単には分かりませんし、4歳という歳できちんと受け止めているのかも分からない。伝えることが正しいことなのかは、10年後、20年後に、子供たちに聞いてみないと分かりません。「赤ちゃんの時に引き渡されているから覚えていないだろう」と思いがちですが、でもそこには子供の気持ちがあって、それも含めて、家族として共有していかなければいけないということが、樋口家を通してきっと伝わるのではないかなと思います。

視聴者へのメッセージ

「自分とは関係のない世界かな」と思われる方にこそ、見ていただきたいですね。まずはとにかく見ていただいて、すぐに答えはでないかもしれませんが、一つの“家族が生まれる瞬間”を見届けていただきたいなと思います。きっと、「何か」を感じていただけるはずです。

関西テレビ ページトップへ戻る