2018年5月26日(土) 深夜1:45~2:40 放送
2018年11月8日(木)午後3:50~5:53 再放送
ふたつの正義 検証・揺さぶられっ子症候群

ふたつの正義 検証・揺さぶられっ子症候群

受賞

日本民間放送連盟賞 テレビ報道番組・優秀賞
FNSドキュメンタリー大賞 審査員特別賞

内容

乳幼児が頭を激しく揺さぶられることで脳に損傷を負う“揺さぶられっ子症候群”(Shaken Baby Syndrome)。通称SBS。日本では、虐待を専門とする医師にSBS(=虐待の疑いあり)と診断された結果、親が逮捕・起訴される事件が相次いでいる。
SBSを疑われた母親の刑事弁護を担当することになった秋田真志弁護士。弁護活動を進めるにつれ、そもそもSBSの診断に医学的根拠があるのか疑問を持ち始める。
そこで、秋田弁護士は、刑事訴訟法の研究者・笹倉香奈教授に海外の状況について調査を依頼。すると、海外では、3徴候(硬膜下血腫・網膜出血・脳浮腫)があればSBSだと診断できるという基準には医学的根拠が乏しいとされ、既に診断根拠の見直しが進んでいることが明らかになる。
日本では今もこの3徴候でSBSと診断され、逮捕・起訴が増えているのではないか。えん罪が量産されつつあると危機感を持った秋田弁護士と笹倉教授は、近年“3徴候”での診断を見直したスウェーデンへ視察に向かい、帰国後に“SBS検証プロジェクト”を立ち上げる。
検証プロジェクトは、研究会やシンポジウムを開催し、国内の医師を中心に議論を呼びかけていくことにした。
番組では、生後1ヵ月の長女を揺さぶったとして傷害罪に問われた母親の裁判に密着。母親は、過失による不慮の事故であり「罪名が違う」と訴える。

えん罪をなくそうと立ち上がった弁護士と法学者、そして、子どもの命を守るため虐待をなくそうと尽力してきた医師。

いま、ふたつの“正義”が衝突する―。

ナレーション

豊田康雄(カンテレアナウンサー)

スタッフ

ディレクター:上田大輔
撮影:平田周次
編集:片野正徳
プロデューサー:萩原守