ザ・ドキュメント

2018年03月24日(土)深夜1:45~2:55

内容

小原一真さんが撮影したマリアのポートレート

アトリエでのマリア

32年前に起こったチェルノブイリ原発事故から5カ月後に、旧ソ連(現・ウクライナ)のキエフで生まれたマリア。大人になって初めて、自分が甲状腺機能亢進症であることを知った。甲状腺を取り除いた後も将来への不安に苦しみ、身体にタトゥーを刻むことで苦しみをごまかす日々。そんなマリアを支えたのは、絵を描くこと、そして日本への憧れだった。
2年前、自分を撮影したフォトジャーナリスト・小原一真さんとのトークイベントで来日の夢をかなえたマリア。しかし福島県で目にしたのは、墓地に臨む広大な汚染土。マリアは福島で初めて、自分の生い立ちについて人前で語り、“自己との対話”だったという絵を見せた。

自分の絵を見つめるマリア

マリアはそのイベントで、南相馬市を拠点に活動する絵本作家の小原風子さんと出会う。福島の海に憧れて引っ越してきたものの、7年前の東日本大震災で大切な人たちをのみ込んだ海を恨み、しばらく絵を描くことができなかった風子さん。時が経つなかで、何事もなかったかのように生活を営む他県の人々と、震災の傷が癒えない福島との大きなギャップに気づいたとき、逆に福島から出るのが怖くなる。そして福島の子どもたちのために絵本を描こうと決意。“絵は自分との対話”と言ったマリアに、自分を重ねた風子さん。やがて二人は「一緒に絵を描きたい」と思うように。

福島で活動する絵本作家・小原風子さんと話すマリア

福島第一原発事故の後、避難者も含めた全県民の子どもたちを対象に、甲状腺検査を続けている福島県。甲状腺がんを患ったことで、放射能の不安を感じながらも、先祖から受け継いだ土地を手放すことが出来ない大越良二さん。一方で、京都府に避難し、福島県産の野菜を避ける生活を送る人たち。それぞれ複雑な気持ちを抱えて過ごしている。

甲状腺がんを患う大越良二さんと話すマリア

今年1月、再び福島県を訪れたマリアは、風子さんと再会。そして、移動図書館として使われていた車に“希望を託した絵”を描く。そこで目にしたのは、福島に対する偏見や風評被害に苦しみながらも、福島で生きることを選んだ母親たちの姿だった。また、甲状腺がんを患う大越さんからは、飲んだ薬の殻を預かる。一方、京都では福島を離れた避難家族と互いに気持ちを伝えあった。

福島で絵を描き始めたマリアたち

福島の子どもたちと絵を描くマリア

福島の人たちとの出会いを通して、“自国では絶対に自分の生い立ちは語らない”と言っていたマリアの心に変化が…。
「見えない“痛み”を抱える人に、光を当てたいー」
帰国後、マリアは新たな作品に取りかかる。自分と同じ“痛み”に苦しむ人たちに、光を当てるために。

ナレーション

関 純子(カンテレアナウンサー)

スタッフ

ディレクター:宮田輝美
撮影:登島努
編集:赤井修二
プロデューサー:萩原守

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