2017年2月25日(土)深夜1:45~2:40

あの日の父に届いたら 落語 三代目の熱情—

内容

「目の前で死にかかっている人間を見捨てたら、明日からよう生きられへん。
誰も助けなかった人間として、明日から重たい荷物を背負って生きていくのは嫌や」
史実をベースにした創作落語で注目を集める三代目・桂 春蝶。
生み出す落語に共通するのは、「命」というテーマだ。

落語家になったキッカケは、父である二代目の死。
10代のころ、父は毎日のように「死にたい、死にたい」とこぼし、食事をとらずに酒に溺れ、最後は体を壊して亡くなった。
その様子を春蝶は「緩やかな自殺」と表現する。
父がなぜ追い詰められ、内面が壊れていったのか。
今でも心に引っかかっている。

去年、春蝶は新たな落語を作り始めた。
題材に選んだのは「沖縄戦」。
元ひめゆり学徒に、陸軍病院の元看護婦、砲弾が飛び交う戦場で負傷した兵士の看護に当たった女性達に取材を行った。

沖縄では多くの出会いが生まれ、いくつもの言葉があふれだした。
それらを拾い集め、ひとつの噺を紡ぎだす。
父、そして自分と向き合った桂 春蝶の8カ月の記録。

スタッフ

ディレクター:原 佑輔(カンテレ 報道センター)
カメラ:大窪秋弘(カンテレ 報道センター)
編集:芳本武(遊写)
プロデューサー:兼井孝之(カンテレ 報道センター)

【ナレーション】豊田康雄(カンテレ アナウンス部)