2016年11月22日(火)深夜2:10~3:20

受賞
内容

兄弟は、お互いの思いをうまく伝えることができない。
兄は日本語、弟は中国語しか話せないからだ。
2人の人生には戦争の歴史が深く関係している。
太平洋戦争が終わるまで、中国東北部に存在した日本の傀儡国・満州。
日本が移民政策を進める中、兄弟の家族も「満蒙開拓団」として中国に渡った。
兄は7歳、弟が3歳のときだった。


しかし、日本での暮らしは、思い描いた理想とは違っていた…。

帰国から30年近く経つ今も、「日本人として扱ってもらえない」と疎外感があり、あのまま中国にいた方がよかったのか…」と悩む日々を送っている。
中国残留孤児の子供や孫に当たる二世や三世も、二つの国の狭間で悩みを抱えてきた。
その中で、運命を前向きにとらえようという思いを持っている人もいる。

祖父が中国に暮らし、日本に帰国した事実を受け止めようと決めた。中国残留日本人孤児3世として、自分にしか出来ない生き方を探し始めている。

しかし時の経過とともに、弟の気持ちを理解できないことが増えてきた。
兄弟の絆を取り戻したいが、言葉や文化の壁にぶつかり、兄も悩んでいる。

数年前から活動している「語り部」で知り合ったNPO岡山市日中友好協会が提案してくれたのだ。
兄はその旅に弟を誘うことに決めた。
兄が弟に見せたかったのは、身元判明の決め手になったスケッチの「河」。
2人は、地名すら定かでない開拓団の跡地を探して回る。

そして、何を感じたのか…。
戦争に翻弄された兄弟。
その人生を通して、改めて戦争と人間について考えます。
スタッフ
カメラ:登島努(カンテレ 報道局報道映像部)
編集:野上隆司(カンテレ 報道局報道映像部)
企画:吉川浩也(ウエストワン)、山下奏平(カンテレ 報道局報道センター)
プロデューサー:兼井孝之(カンテレ 報道局報道センター)